あまりにも無責任で横柄な天下り財団の冨澤専務理事(1)

投稿日時 2008-11-11 | カテゴリ: (財)麻薬・覚せい剤乱用防止センターとの対話

11月8日のTBS番組「ニュースキャスター」で、大麻取締法違反事件が増加している問題が特集されていた。
その番組のなかで、元麻薬取締官の浦上厚氏が出演し、大麻が凶暴性を引き起こすと発言していた。しかし、大麻が暴力と結びつかないこと、むしろリラックスをもたらす効果があることは、これまで海外の研究機関などが繰り返し報告している。数多くの研究レポートがカナビス・スタディハウスで紹介されているが、そのうちの1件を引用する。

●カナビスはアルコールやコカインとは違い、暴力行為を引き起こさない
2007年8月23日 - カナダ・ブリティシュコロンビア州ビクトリア発

中毒行動ジャーナルに掲載された多変量解析の結果によると、カナビスのみの使用では暴力を引き起こさないことが分かった。

ビクトリア大学中毒研究センターの研究チームは、薬物中毒治療を受けている被験者を対象に、暴力行為を犯す直前の数時間にカコイン、アルコール、カナビスを使っていた頻度を調べた。また、向こう見ずさ、衝動性、法の軽視度合のような暴力行為に結び付く個人的な特質も計算に入れて評価を行っている。

その結果、「共変量を比較分析したところ、アルコールとコカインの使用は暴力と著しい関連が認められ、その薬理的な効果が暴力行為を引き起こしていることが考えられる。しかしながら、カナビスの使用頻度については、他の要素と比較しても暴力との著しい関連は認められなかった」 と報告している。

この結論は、カナビスが暴力行為の引き金になるという主張を否定した最近の2件の政府報告書の見解と同じになっている。その一つは、2002年に発表されたカナダ上院の報告書で、「カナビスを使用したユーザーが、使用したという以外の犯罪を犯すことはなく、カナビスの使用で攻撃性や反社会的行動が増えることもない」と結論を書いている。

2番目の報告は、イギリスのドラッグ乱用諮問委員会が2002年に発表したもので、「カナビスはアルコールとは一つの面で大きく異なっており、向こう見ずな振舞を増やす様子は見られない。このことは、滅多に、カナビスが他者または自分に対する暴力を引き起こさないことを示している。これに対して、アルコールは、故意の自損行為や家庭内の事故や暴力の主要な原因になっている」と報告している。

もっと最近の報告としては、2005年の損傷・感染症・救命救急治療によるトラウマ・ジャーナルに掲載された約900人のトラウマ患者に対する ロジスティック回帰分析 で、カナビスの使用単独では、入院を必要とするような暴力または非暴力による損傷のどちらも起きていないと結論を書いている。これに対して、アルコールとコカインは暴力関連の損傷を引き起こすとしている。

元麻薬取締官の浦上厚氏は、なにを根拠に大麻が暴力に結びつくと断言しているのか。それを確認するため、TBSの「ニュースキャスター」のスタッフに電話して、浦上氏の連絡先を尋ねたところ、教えられたのは「(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センター(以下「ダメセン」と略)」の電話番号だった。浦上厚氏の名前は、同財団の役員名簿に評議員として記載されている。

天下り財団法人のダメセンに電話をして、冨澤正夫専務理事に話を聞いた。冨澤氏は厚労官僚の天下りであり、俗に言う渡りで「長寿社会開発センター」という何をやってんだかよく分からない天下り公益法人から一昨年に移ってきた人物である。
次回、録音からの書き起こしでこの冨澤氏の無責任で横柄な対応を紹介する。





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