8月7日の北海道新聞に、『北見に「大麻特区」 産業用、道が認定』という記事が掲載された。
海外では産業としての大麻活用が進んでいるが、日本では厚労省が邪魔をして、薬物として意味のない麻の栽培まで新規参入を認めない方針を貫いている。その後、北見市の「大麻特区」の動きはどうなったのか、過日、北見市役所のご担当に電話取材した。
大麻栽培の免許は都道府県知事の交付で、北見の「大麻特区」については道知事からの免許交付は得たものの、産業用途の大麻の種が入手できず、実際に栽培に着手する目処が立っていないとのことだった。栃木県では「トチギシロ」という低THCの品種が栽培されているが、県外への持ち出しが禁じられている。海外から低THC品種の種を輸入しようにも、関税法で発芽する大麻の種は禁制品とされており、それも難しいそうだ。
北見だけでなく、北海道にはかつての大麻栽培の名残りで自生した大麻が大量に存在し、毎年、取り締まり当局が狂ったように抜きまくっている。なんと馬鹿げたことだろう。自然環境に大量に自生している大麻を親の敵のごとく抜きまくり、片や産業的に利用する大麻の種を調達できないという現実なのだ。地域振興に直接的につながる産業の立ち上げを、霞が関の官僚が妨害している。
大麻が多くの疾病に効果があることも今や海外では医学的事実として認知され、アメリカでも大統領選と同時に行われた各地の住民投票で医療大麻の法整備が進んでいる。
ところが、我が国では大麻に使用罪を適用しようという世論が当局やマスコミによって誘導されている。
海外で、大麻の有用性が見直される動きが顕著になるにつれ、そのような動きが日本国内に影響することを妨害するかのように、敢えて当局はマスコミを使って大々的な大麻バッシングを強化している。
日本の代用監獄(留置場)が著しく人権への配慮を欠くとして、国連の人権委員会から再三にわたって是正勧告を受けている。死刑制度についても同様だ。だが、日本では国家権力がそのような情報を封じ込めるかのように、マスコミを使ってプロパガンダを強化し、世論を煽り、代用監獄を温存し、死刑をベルトコンベアー化している。
大麻の社会的な扱いについても、国連レベルで見直しが実現しても、日本は取り残される可能性が高い。
民度を越えた社会はない。つまり、私たち次第だということなのだろう。
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