権力・マスコミ・スポンサー

投稿日時 2008-11-24 | カテゴリ: 白坂の雑記帳

日本の大手報道機関は終わっているとつくづく思う。
自動車絶望工場の時代から、労働者や下請けを製造部品のように扱ってきたジャストインタイムのトヨタ自動車相談役・奥田碩が、マスコミの厚労省批判に対し、「朝から晩まで年金や保険のことで厚労省たたきをやっている。あれだけたたかれるのは異常な話。正直言ってマスコミに報復してやろうか。スポンサーでも降りてやろうかと」と発言したというのも呆れたが、民放連の会長がそれに追従するように、「テレビにも節度が必要」と延べたという。マスコミはスポンサーがいないと成立しないヒモ付き産業だから、大手スポンサーを批判するような記事はよほどのことがないとまず書けないし、放送できない。
スポンサーとべったりのマスコミは、権力ともべったりだ。「大麻は合法化して規制すべきだ」と、さすが本物の知識人である池田信夫氏はブログで述べておられ、昨今の異常な「大麻汚染」報道に触れ、次のように指摘されている。

厚労省の記者クラブで「大麻撲滅に協力する」といった非公式の協定が行なわれ、各社とも現行法に疑問を呈するような記事は出さないことに決まったのではないか。

なるほど、「大麻汚染」という各社横並びの醜悪なレッテルで統一された、異常なまでの大麻叩き報道が溢れているのは、そのような権力とマスコミの裏取り引きがあってのことかと合点がいく思いだし、NHKに勤務されていた経験もある池田氏の言葉だけに、信憑性も高いと思う。そのような裏事情を暴く気骨あるジャーナリストはもはや望むべくもないのだろうか。
池田氏のブログでは、「警察ネタの過剰」についても次のように書かれている。

読者にはあまり知られていないが、警察のメディアへの影響力は非常に強い。昨今の大麻騒動なども、個別には大した事件ではない(過去にいくらでもあった)のに、警察が一斉摘発に踏み切ると、今のような「翼賛報道」が起こる。警察もネタのないときは記者クラブに書いてもらいたいし、記者のほうも「逮捕」という錦の御旗があれば名誉毀損で反撃される心配がないので、露骨な個人攻撃を繰り返す。独自に取材したネタを警察に持ち込んで、ガサ入れと同時にニュースにするパターンも多い。

要するに、日本のメディアは本質的には大衆紙なのだ。これは新聞が最大1000万部近くも売れている状況の必然的な結果ともいえるが、すべてのメディアがSunになってBBCが皆無なのは困ったものである。

事件報道などで、逮捕直前の被疑者の様子が映されていることも多く、取材陣には予知能力でもあるのかと、私はフシギなことだと思っていた。TBSは「大麻汚染」報道で、大学生や種屋の家宅捜索にカメラが同行し、一部始終を収録し、得意気に繰り返し放送している。大本営発表の体制翼賛報道に堕しているのに、その反省もなく、それを嬉々として自慢気に報じているのだ。これでは警察権力を批判することなどできるわけがない。
権力、マスゴミ、スポンサー。三位一体の世論誘導。いつか来た道よもう一度。大日本帝国、漫才!





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