昨年の関東学院大学ラグビー部の大麻事件では、大麻の種の売買が違法ではないことを問題視してマスコミは大騒ぎした。
その際、これは大麻の種を規制しようとする取締当局が仕掛けたプロパガンダであると指摘し、今後、種屋の検挙や、種そのものを取り締まる流れが強化されるだろうと予想した。
●関東学院大ラグビー部員逮捕の報道に思うこと(07.11.11)
今年、その通りの展開が繰り広げられ、相変わらず警察発表を垂れ流すだけのマスコミは、アメリカ大統領選と同時に行われた大麻関連法住民投票など、海外の現実や、医学的な大麻の事実について触れることなく、天下り財団法人が国民に知らしめるデタラメ情報を鵜呑みにし、各社横並びで「大麻汚染」と銘打って、キチガイ染みた大麻バッシングに終始した。
そのような圧倒的な大本営発表のなかにあって、一部のメディアが異を唱えるような姿勢を見せた。大麻堂の前田さんも取材を受けた週刊朝日の記事、そして同じスタッフによるCSの朝日ニュースター。思えば、今年は、大麻を擁護する陣営を代表するスポークスマンのような役割で、前田さんがマスコミで活躍した年でもあった。大麻平和党や映画「大麻・無罪」の今後も楽しみだ。
最近では扶桑社のSPAに丸井弁護士の痛快なコメントが掲載された。
ネットでは、アルファブロガーとして知られる池田信夫氏が、ブログで「大麻で逮捕するならタバコを禁止せよ」と書き、話題になった。
i-morleyでも前田さんへのインタビューが放送され、前田さんの話だけでなく、モーリーさんの問いかけにも学ぶことが多々あった。ブログでは当方の記事も紹介して頂いた。
THCのスタッフでもあるフロッガーさんのブログでは、当サイトに転載している、医師の視点からの記事だけでなく、エッセイも掲載されている。「小説:医療大麻物語」の続きも気になるところだ。
カンナビスト@関西のブログも立ち上がり、情報提供だけでなく、読み応えのある知的な言論が展開されている。
元祖ヒッピーのポンさんこと山田塊也氏のサイトでは、日本におけるヒッピーの歴史が語られ、同時に、現在の問題にもポンさん独自の視点から批評されている。ナナオサカキ氏が亡くなったことをポンさんのサイトで先日知った。合掌。
個人的には、インドに亡命?しているやまのブログも面白い。マスコミに大麻を送りつけ、大麻を持っているから逮捕しに来いと検察に手紙を出すという、誰にも真似のできないような行動に出たが、逮捕されずにインドから情報を発信できる状況になり、一読者としては幸いだった。
あまり更新されないのが残念だが医療用大麻 in LAも現地の実際を窺い知ることができる。
当方としても、言論の場をこのサイトだけでなく、インターネット新聞JanJanに広げ、記事ランキングでも一定の評価を得た。天下り財団法人の無責任な専務理事への電話取材を有志がYouTubeとニコニコ動画にアップしてくれて、合計すると既に8,000回近いアクセスを受けている。YouTubeは英語字幕バージョンまで作ってもらった。大相撲の大麻騒動では、フランスの通信社AFPから取材を受け、なぜ微量の大麻所持で日本社会は大騒ぎしているのかという論調の記事が、英語とフランス語で世界に配信された。海外メディアとしては、イギリスのガーディアンも前田さんに取材し、大麻バッシング報道の異様さを記事にしている。
目を覆うばかりの「大麻汚染」報道だが、そのようななかで、誰が、何を言うか、踏み絵のようなものだと思う。
おそらく、この流れは来年に引き継がれ、発芽する大麻の種の売買や、大麻の吸引・使用についても法規制をしようとする動きが出てくるのではないだろうか。
まだ回答を得ていない分もあるが、政党アンケートの継続や、政府や関係省庁への意見書提出など、大麻を懲役刑で罰する根拠を質し、社会への問いかけを続行したいと思う。3月に予定されている国連麻薬委員会での議論の行方も気になるところだ。
マスコミ人にも、政治家にも、官僚にも、真に良心的な人たちはいる。マスコミや政治や行政への批判は不可欠に必要だが、十把一絡げにせず、良心的な人たちとのつながりは大切にし、意思疎通ができるような展開を心がけたい。
ジャーナリズムは崩壊し、新聞の売り上げは低迷し、テレビを観ない人が増えているという。一方、情報源はインターネットだという人も増加しているそうだ。「大麻汚染」報道が荒れ狂うなか、アルファブロガーの足元には到底及ばないが、それでも当方のサイトへのアクセスも増加した。昨年は延べ202,371人がアクセスし、2,216,414ページが読まれたが、今年はあと1日を残す現在時点で、211,597人が3,034,510ページを読んでいる。訪問者数は約1万人増、読まれたページは81万ページ増加している。
アクセスして下さったみなさま、ありがとうございました。
圧倒的な情報量と、その情報に裏打ちされた見識を日本語で提供して下さっている、カナビス・スタディハウスのダウさんには、今年もまた多大なご指導とご助言を頂いた。そのカナビス・スタディハウスに書かれている言葉で今年を締め、来年に臨みたい。
『最初、彼らはわれわれを無視し、次に嘲笑し、やがて戦いを仕掛けてくる。そしてわれわれが勝つ』 マハトマ・ガンジー
良いお年を。
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