NHKクローズアップ現代担当ディレクターに電話取材(中)

投稿日時 2009-01-06 | カテゴリ: 「大麻汚染」を食い止めろ

NHKクローズアップ現代の「大麻汚染を食い止めろ」を担当した広川ディレクターへの電話取材の続編です。
(上)でカットした箇所にも大切なポイントがあったので拾い直したため、ちょっとダブリがあります。改めて聞き直しながら書き起こしていますが、私たちの主張を理解してもらうための今後の各方面への働きかけで、広川ディレクターの誠実な対応から多くの示唆を頂いたと思っています。
近いうちにNHKと水谷氏宛に「抗議と質問」の書面をお送りする予定ですが、立場は違うものの、改めて広川ディレクターの真摯なご対応に感謝の念を覚えました。


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Q.最近の大麻についてのトピックスになっていたような話で言えば、統合失調症の要因を抱えている、特に若者が大麻を使うと、それが契機になって発症してしまうという研究もあるんですよね。

A.例えばそういう研究があるとしますよね、そういう方たちが大麻を使ったときにですね、そういう方たちは今たくさんいらっしゃるじゃないですか、そいういう方たちがですね、簡単にいま大麻に手を出せる状況になってしまっている、それはそれで問題だと私は思うんですけど、そいうふうには思われないですか?

Q.思います。だからこそ、きちんと社会的に管理するべきだと私たちは主張してるのであって、野放しにしていいじゃないかっていう話をしているわけではないんですね。

A.じゃあ、管理をどうされれば、例えば統合失調の気質を持っている方が、大麻を使わないで済むというふうにできるんですかね?自分では気付いていなくても大麻を使うと発症する可能性があるというお話ですよね?例えば合法化してですね、合法的に手に入るということで、大麻に手を出す方がもっとたくさん出てくると思いますけれども、そういったことをどういう仕組みのなかで規制することが可能だと考えてますか?

Q.規制のあり方としては、いろいろ方法があるでしょうけれども、私個人は、ベルギーだとか、ヨーロッパの一部で行われているような、協同組合的な仕組みで栽培から流通までを管理するのが良いだろうと思っています。そのようななかでも統合失調の要素を抱えている方が大麻を使う可能性は起きるでしょうけれども、今の日本の現状は、そうではない方たち、全然問題なく日常生活を送っている学生もたくさんいるわけですよね、それを大麻をちょっと持っていたということで逮捕して、本名は出るし、顔写真まで出るし、それで大学に知られて退学になるという、大麻で受けているダメージよりも、逮捕とか報道で受けているダメージのほうが遥かに大きいんですよ。少なくともそういった状況を解消することはできますよね。
(※広川ディレクターからのまっとうな問いかけに、白坂はちゃんと答えてないですね。反省。これは「正しい情報」に基づく薬物教育の問題です。この件は別途改めて書きます。)

例えばプロレスラーとか、プロテニスプレイヤーとか、お相撲さんとか、スポーツ選手たちが大麻で逮捕されるという事件がありますけれども、彼らの脳がおかしくなっていたら、そんな活躍ができるわけがないと思いませんか?

A.それはもちろん個人差もあるし、使っている量もあるし、長期的に何年も使っているとかがあると思いますよ。覚せい剤とは全然違うものだとは思いますから。実際私はやったことはないので何とも言えないんですけれども。

Q.いやー、一度アムスでも行ってやってみたらどうです?(笑)例えば、水谷さんの、脳が壊れるというお話をされるんでしたら、水谷さんのそういう体験だけを報道するというのは、公平性に欠けるんじゃありませんか?海外では公的な研究機関が大麻にはそういった害はないと報告しているわけですから。そういった研究を基にして、ヨーロッパでもアメリカでも非犯罪化が流れになっているわけですから。もしそいういった弊害があるんだったら非犯罪化なんかするわけがありませんよね、政府が。

A.今回の番組を我々が作った趣旨としては、今の若い大学生たちとか、20代30代の大麻を使った人たちに話を聞くと、大麻には害はありませんよと、同じように仰るんですよね。アルコールやタバコよりは害はないからって聞いてるから始めたという人が本当にたくさんいて、実際に初期の頃は使っていても何の悪影響もなくてですね、友達と仲良くなれたりとか、その場が楽しくなったりとかいう感覚で、どんどんのめり込んでいったという子たちを今回は取材したんですけれども、先ほど仰ったように、それだけで大学を退学処分になったりとか、スポーツ界を追われたりとか、職を失ったりとか、そういう彼らには同情するし、それだけで将来を失ってしまという今の現状は、それはそれで、通っていた学校とか、更正に向けてというか、今の現状自体がいいのかどうかというのは悩ましいことだと思いますし、問題意識も聞いていますし、専門家の方とか、法学系の方たちにお話を聞いたりすることは他の取材であったりするんですけど、ただ根底にあるのは、現状としては、日本ではそれだけ厳しく違法行為として取り締られるという現状が、みなさんのご意見からは残念ながらだと思いますが、あるわけですね。

Q.人権侵害だと思いますね。

A.現状としては、日本ではそうなっているわけですね。そのなかで、私たちは大麻が本当に深刻な害につながるものがあると思っているし、そういう取材実感があって、そういう番組を出しましたけれども、そういう歯止めがなくて大麻がアルコールやタバコよりも害がなくて、害がないとは仰っていないと思いますけれども、害がないと受け取っているわけですよ、彼らは。そういう情報がネットも含め、先輩や後輩も含め、広く世間で流れているわけですよね。そのことが今すごくきっかけになっていると私たちは思ったんですね。

Q.ですから、本当は正しい、薬学的に正しい知識を教育しなくちゃいけませんよね。それが基本ですよね、本来。

A.そうだと思いますよ。それは、私たちは、一時的に使ってすぐ完全に廃人になるとかいうものではないかもしれないけれども、使う量とか、個人差はあるにしても、人によってはすごく深刻なケースに陥ってしまう現状もあるということは確かだと思っているんです。ですからそのことをちゃんと伝えないと、本当に気軽に手を出して、常習性はないかもしれないけれども、大学を退学になってしまったりとか、そういう子を生み出してしまっているというのは、すごく問題があると思っているんです。

Q.でもそれを生み出しているのは、大麻ではなくて、逮捕するっていう薬物乱用防止政策のあり方と、報道ですよ。

A.だから、そこは今、みなさんは変えようと思っていらっしゃるんだと思いますけど、私たちは少なくとも大麻を合法化して好きなときにタバコを吸えるように吸えるっていう状況を生み出してしまったらですね、それは未成年とか成年とか関係なくですよ、そういう状況になってしまったら、違法ではなくても、少なくとも今より大麻で深刻な害、それこそ廃人のようにまで陥ってしまう人が、今よりもどっと増えるということは確かだと思うんです。

Q.そんなことはないと思いますよ。例えばイギリスでは2004年に大麻の少量所持については非犯罪化しましたけれども、それ以降、使用者が減ってるというデータが出ていますよ。

A.大麻の使用者がですか?

Q.そうです。非犯罪化することによって使用者が減ってるんですよね。むしろ大麻の弾圧をやっているアメリカの連邦政府の政策のほうが、大麻だけじゃなくて、ハードドラッグにも手を出す人たちが増えてしまっているという社会学的な研究レポートもありますよ。

A.それはみなさんが仰られてるように密売人との接点も増えてしまうからということもあるでしょうね。

Q.そうですね。合法化して管理することによって、正しい知識を子どもたち、若者たちに伝えることができると思うんですよね。今の薬物情報は、ダメゼッタイホームページってありますけど、厚生労働省の外郭団体ですよね、天下りの方が代わる代わる専務理事をやってて、渡って歩いてるような状況ですけど、そこで出してる大麻に関する情報、だけじゃなくて他もそうなんですけど、15年も前にアメリカから輸入していた薬物標本の説明書の翻訳にしか過ぎないんですよ。で、そこに書かれていることは、とっくにもう海外の研究者たちが否定しているような、インポになるとかですねえ、精子の数が減るとかですねえ、脅しでしかないような文言がずらずら並んでるわけですよね。そういった全く誤った知識を教育することによって混乱を生んでるんじゃないですか?あまりにもデタラメな情報なので、大麻がこれくらいなんだから覚せい剤もたいしたことないんだろうということにもなっていくだろうし。必要なのは正しい知識をきちんと教育して、自分で選択することができる状態を作ることが必要なんじゃないでしょうか。

A.逆に、なぜ大麻を認めるべきだと思ってらっしゃるんでしょうか?

Q.少量の大麻を所持していただけで逮捕するなどというのは明らかに不当な人権侵害だと思うからです。

A.大麻は、タバコなんかと同じ感覚ということですか?大麻はなくてはならないものだということではないですよね、ご飯なんかと違いまして。

Q.タバコもアルコールも同じですよね。嗜好品のひとつですよね。

A.大麻は欠かせないものなんですか?

Q.大麻が欠かせないかどうかではなくて、大麻を今ほどの厳罰で、ちょっと持ってただけで逮捕して、前科者にして、学籍を奪って、職を奪って、社会的に抹殺するような取り締りのあり方っていうのは本当に適切なのかどうかっていうことです。かつてカーター大統領の有名な言葉がありますけど、大麻がもたらす害よりも大きい害を取り締りで与えるべきじゃないって話をされたことがありますけど、そういうことだと思うんですよ。

A.あのー、私は海外でも大麻をやったことがないものですから(笑)、見聞きしたことしか感覚というのは分からないですけれども、認めてほしいという感覚がどこにあるのかなあ、と個人的には気になるんですよ。(笑)

Q.そーゆー個人的なことで言えばですねえ、大麻の酔いはアルコールなんかと全然違うんですよね。これもイギリスのアイバーセン博士っていう、非犯罪化のときに科学者の立場で関わった方ですけど、アルコールは人を暴力的にすることがあるけど、大麻は人をリラックスさせて、落ち着かせるって研究レポートで書いてるんですよ。あと、ミュージシャンの方とかは音がすごくきれいに聴こえるとか、映像とか画像、絵がすごくきれいに見えたり、内的な、精神的な気づきがあったりとか、アーティストに大麻好きが多いのはそういうことなんだろうと思いますけど。ただそのこととは別に、大麻で逮捕する必要があるのかっていうことです。大麻がどのくらいいいものかっていう以前に、なんで大麻をちょっと持ってただけで逮捕までされなきゃいけないの?っていうことです。人権問題だっていうことです。

(下に続く)





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