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2004年レビュー

Pub date: December 4, 2004
Subj: The Hempire News - Review of the Year
Web: http://www.thehempire.com/cafes/news_12_04.php


●2004年を振り返って

イギリスの2004年はカナビスにとっては非常によい年だった。カナビスをBクラスからCクラスに変更する再分類が提案され、あっさりと成功した。当然デイリー・メールの評価は辛口だったが、確かに期待する程大きな変化ではなく得られた成果も薄められたものだった。だがそうであっても、この30年間のドラッグ政策のことを思えば最も顕著な変化であり、逮捕者数が減少することになった。

また、カナビスに医学的な効用についての報告が溢れた年でもあった。 研究によればカナビスが、多発性硬化症やアルツハイマー病、パーキンソン氏病,HIV、各種の癌などの苦痛から人々を救うことが示された。さらに、起きがけの吐き気を和らげ、注意欠陥障害を軽減し、暗闇での漁民たちの視野を広げることも明らかにされた。

カナダでは処方箋で医療カナビスが利用できるようになり、アメリカではさらに多くの州が医学利用を許可する法律を通過させた。だが残念なことにイギリスにおいてはそのような進展はみられず、いまだ病気で苦しむ人たちが刑務所に送られる可能性も残っている。とは言っても2004年は生来の病気に苦しむ人たちが処罰されるのは際だって少なかった。2005年には一人でも逮捕されるようなことにでもなれば大騒ぎになるだろう。

良いニュースばかりでもなかった。コーヒーショップの閉鎖が相次いだ。子供たちはスカンクを吸っている。デンマークやスペイン、スイス、スエーデン、イタリア、アメリカなどでは逆行する措置が取られた。イギリスの労働党や保守党(トーリー党)も真実よりも恐怖を吹き込むことに余念がない。ブッシュ政権は世界のいかなる国においてもドラッグ法の自由化とも対抗しており、イギリスの政治指導者層のなかにもアメリカのドラッグ戦争の成果をまねすべきだという考える者もいる。

年末には、禁止論者たちを脅かす重要な事実がニュー・サイエンティストの連載で取り上げられた。そこでは、時おり酔ったりすることは全く正常なことだと明らかにされている。大多数の人間やほとんどのほ乳類、さらに少なからずの昆虫でさえ酔いを楽しんでいる。そのような欲求を根絶することはできないし、現在の合法的な薬物だけで完全に満足させることもできない。したがって禁止政策は決して成功することはない。そのような試みはもう終わりにしなければならない。

とは言ってももちろん終わったわけではない。そのためには今日からでも多くの働きかけをしなければならない。2005年にしなければならないのはカナビスについての真実を語ることだ。この植物に対する嘘の報道を指摘し誤解を正す必要がある。われわれが知っていることをより多くの人々も知ればそれだけ早く法律は変わるだろう。
http://www.thehempire.com/cafes/our_news.php


●イギリスの政治状況

合法化に向かっての留めようもない流れも、もし次の選挙で保守党が勝利すれば一時停滞という好ましくない状態になるかもしれないが、それも必要な神からの試練として受け止めるべきだろう。額面どおりには受け取れないが、保守党党首マイケル・ハワードは最重要課題としてカナビスの再再分類に取組み、議会開始早々から取り上げると約束している。

バカげた話に聞こえるかもしれないがそれが政治というものだ。前回も労働党の国務長官チャールス・クラークが最初にかわさなければならなかったのは移民問題や犯罪やテロリズムなどではなくカナビス問題だった。カナビス容認派で愛人スキャンダルに揺れる内務省のブランケットのところには当然のごとく保守党が攻撃対象にする問題が山積している。今までのところ、真っ先に攻撃対象になったのが再分類問題だった。

どうしてこのようなナンセンスが起ころのだろうか? 分別のあるはずの人間たちが、内務省の直面している最も緊急の課題を差し置いてまで何故カナビスを問題にしようとするのか? 労働党との違いを鮮明にして、97年に失った有権者の支持を取り戻そうとしているのか? いずれにしても彼らはのバカさ加減を軽々しく無視することはできないだろう。 http://www.thehempire.com/pm/more/P/3072_0_1_0_M

このように考える根拠は、政治家たち自分の選挙に大きな影響があると信じている新聞を見ればわかる。労働党にしても保守党にしても、デイリ・メール紙が浮動層の動向を追跡して掲げた政策には奴隷のように支持する。メ-ル紙によれば、最も明確なのは再分類はやめて元に戻せということになる。

メール紙は、カナビスが再分類された本当の理由として、「道理を無視して、秘密のエリート・ロビーがカナビスの緩和などという近年の政治史上ではまれにみる背信的政策を成立させた」などととても空想的な論説を掲げている。

論理的とは言い難いこうした結論が出てきたのは、ブレア首相の側近になったアンジ・ハンターが自宅でカナビスの喫煙を許していたことが発覚したからだ。このことは政権に影響力のある他の人たちも喫煙を許してきたか、さらに悪くすれば自分自身も吸っているのでは、という懸念を生み、 さらに、おそらく政権の意志決定者たちはテーンエイジャー時代にカナビスを吸っていただろうし、たぶん今は彼らの子供たちも吸っている、という憶測に発展する。

これらを総合すると、選挙民たちは「政治家たちの身勝手な行為が国益をないがしろにしてきたという結論を出しても当然」という主張になる。

そしてカナビス容認派のことを偏執的で妄想的だというのである。
http://www.thehempire.com/pm/more/P/3023_0_1_0_M


●医学の現況

主要な研究によれば、カナビスを使っている未成年は精神作用効果のより大きなものを試してみようとしようとする傾向にある。そうした傾向は周囲の影響を受けやすい性質の子供たちで最も大きいが、家族に精神障害歴もなく個人的にもそうした資質が認められない場合でもそのリスクは大きくなっている。

しかし、だからといってそれがカナビスが禁止する根拠にならない。そもそも未成年はカナビスを吸うべきではないが、現状ではそれを防止する手だてに乏しい。街にうろつくディーラー連中は相手が子供だろうが気にかけたりしない。ライセンスを持っているコーヒーショップのオーナーではない限りその務めを果たすことができない。

さらに、カナビスが違法である限りカナビスの害の可能性について教育することもできない。唯一頼りになるのが供給源が信頼できるかどうかという情報だけしかない。政府は、長年にわたり 「Just Say No」 にこだわり事実を恐怖で隠蔽しきたので、ドラッグに関しては彼らを単純に信用することはできなくなってしまっている。
http://www.thehempire.com/pm/more/P/3004_0_1_0_M (The Independent)
http://www.thehempire.com/pm/more/P/3037_0_1_0_M (review of other studies)

こうした問題では、薬物安全委員会(CSM)を政府の圧力から解放して政府にとらわれない行動ができるようにするという考えが妥当なのだが、さきごろ政府の意向を受けてCSMは、GW製薬から提出されていたスプレータイプの医療カナビス・サビテックスのライセンスを、効能の根拠がもっと必要だ、という理由で却下している。

昨年行われた2つの研究が不十分とされた。ケーススタディによる証拠が少な過ぎ、現在使われている医薬品よりもカナビスのほうが副作用が少ないという確たる証拠に欠けている、というのである。何千人もの人々が想像を絶するような苦しみにさらされているのに証拠が揃うまで待つという。

一方、、過去にいかなる医薬品も市場に性急に取込むことはなかったカナダは、カナビスに対しては際だった寛容な見方をしておりサビテックスの解放の関しては最後の許可を発効する段階になっている。残されいるのは、医薬品としてどのように周知徹底させるかという課題の解決だけだ。
http://www.thehempire.com/pm/more/P/3010_0_1_0_M (UK)
http://www.thehempire.com/pm/more/P/3073_0_1_0_M (Canada)

エンゲル・ライヒというアメリカ女性が、自分はカナビスがなしでは死んでしまうという理由で最高裁に使用許可を求めている。しかし許可はされそうにない。少なくとも裁判官たちはカナビスが処方薬品として再分類されない限りは難しいと考えている。

問題は、政府がカナビスの効用を適切に調査することを研究者たちに認めないことだ。DEAは長年の慣例に従い、先ごろ研究用カナビスの栽培許可を求めていたマサチュセッツ大学の申請を拒絶し必要な証拠を集めようとする医学的な研究を妨げた。

こうした決定は政治的な理由からでてきている。DEAはカナビスの娯楽利用に道を開くことを恐れるあまり医療利用に対する研究をさせないようにしている。しかしながら、アメリカ市民やメディアの反応を見ればそのような方針がどれほど逆効果を招いているかがわかる。

ライヒの裁判は国中の出版物や様々な政治シーンで取り上げられてきた。多くの人々がカナビスの医療使用を取り巻く議論について知っており、反対するのは少数に過ぎない。もし最高裁がライヒの希望に反する決定を下せばブッシュ大統領でさえ無視できないほどの世論に発展するだろう。
http://www.thehempire.com/pm/more/P/3051_0_1_0_M (Gordian Knot)
http://tinyurl.com/5fva4 (all the stories on Raich Vs Ashcroft here)


●その他の話題

クリスマスは許しと3人の賢者の季節だ。明らかに下で取り上げる3人は賢者とは言い難いが、しかしいずれも現在は刑務所には入れられてはいない。彼らの使った言い訳を研究して見よう。

まずハリー・ミューレン。ハリーは地下室で何だか分からない種を見つけ、少し植物実験をやってみることにした。ただ何が生えてくるか知りたかっただけだ。だが幸運なことに種は素晴らしい緑のマリファナに育った。あきれた裁判官は彼の話を信用しなかったが、裁判を差し戻したために時間的な猶予ができて現在かれは自由の身になっている。
http://www.thehempire.com/pm/more/P/3013_0_1_0_M

マーチン・プリカードの言い訳は、彼のカナビスが観用植物以外の何者でもないというもの。シンプルで良い香りがして、観用植物として葉のかたちがおもしろい。所持品の中から樹脂生産物の見つかったが、それはたまた持っていただけで栽培とは無関係。マーチンは罰金を受けたが、その主な理由は法廷を侮辱したかららしい。
http://www.thehempire.com/pm/more/P/3079_0_1_0_M

ベン・オリスにはトップ賞。ガスの集金人が彼の植物を見つけたとき、次に彼は何が起こるかわかっていた。実際、警察が来たときには「カナビスがどこにあるか知りたいんでしょう?」と言いながら喜んでドアを開けた。植物の一本はクリスマス・ツリーを装っていたので警察には見つからなかった。マーチンよりも本数は多く持っていたが、少ない罰金で済んだ。
http://www.thehempire.com/pm/more/P/3080_0_1_0_M

最近では自分で栽培したカナビスを売る人の話はほとんど聞かなくなった。ある男は秘密警察を集めてパーティを満杯にしたかったからと言い訳した。他の男は駅で売っていた時、相手は「私服」ですらなかったと主張した。

いずれもおもしろいが、アメリカのフロリダの少年たちにはチャンピオンを譲らなければなるまい。サンシャイン・ステーツの二人の少年は盗まれたカナビスを取り戻してくれるように警察に頼んだ。売るために取り戻す必要があるから助けてほしいと説明した。
http://www.thehempire.com/pm/more/P/3027_0_1_0_M

マリファナ・ドット・コムというウェブのドメイン名がオークションにかけられた。最初の言い値は150万ドル。たぶんこの額はラップスターのスヌープ・ドッグが全部買ってくれたときにはこのぐらいの商品価値があると見込んだものらしい。でもどういう算段なのだろう。

もし誰かがサイトで違法な商売を意図してそんな大金を払ったとすればすぐにギャングのビジネスに巻き込まれる。いずれにしてもすぐに状況は変わってしまう。論理で政治家は説得できないが、金が絡むといつも頭がおかしくなる。
http://www.thehempire.com/pm/more/P/3081_0_1_0_M

ロビー・ウイリアムズは、エンターテイメント界がドラッグを楽しんでいると非難されたときに飛び出した一言に唖然とさせられた。パーティライン番組で見事なまで脱線した中で、ウイリアムズは自身のドラッグ経験を否定や後悔や過ちとして反省することを拒んだ。アンチ・ドラッグ運動家たちはすぐさま非難を浴びせたが、その一人曰く「みんながドラッグで楽しくやっているのは知っているけど、秘密にしておいて欲しいんだ。」
http://www.thehempire.com/pm/more/P/3085_0_1_0_M

ハワイに住む二人には早いクリスマスがやってきた。誤って逮捕、告訴された謝罪として3万ドルの現金を受け取った。ジョンとロンダ・ロビンソンはカナビス栽培のライセンスを持っていたのに家宅捜査された。裁判の間も栽培を続けたが以後の嫌がらせはなくなった。金額は畑の広さで決められた。今後はこのようなプレセントはありそうもない。
http://www.thehempire.com/pm/more/P/3000_0_1_0_M

クリスマスはブリー・スローソンにもやってきた。ブリーが感心にもフロリダの海岸でゴミを掃除しているときに20ポンド(約10K)のカナビスの入った容器を見つけた。良い子の彼女は警察に届けた。もっとも仲間のティーンエイジャーは彼女のプレセントには全く感謝していなかったが。もちろんみんなもそうだろう。
http://www.thehempire.com/pm/more/P/3042_0_1_0_M

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