スペイン健康相

医師のカナビス処方を認める



Source: The Independent
Pub date: February 6, 2005
Subj: Spain's Health Ministry to allow doctors to prescribe cannabis
Author:Elizabeth Nash in Madrid
http://www.independent.co.uk/news/world/europe/
spains-health-ministry-to-allow-doctors-to-prescribe-cannabis-485623.html


ヨーロッパでは、カナビスを医療目的で使うことを目指してスペインが最前線で果敢な挑戦を行っている。

バルセロナを中心とするカタロニア地方の薬局60箇所と4つの病院は、他の治療に失敗した患者に対して医療用にカナビスを処方することになっているが、この野心的な計画は、この分野で指導的立場にあるオランダをも上回るものになっている。

また、イギリスの会社が製造したカナビス医薬品の臨床試験申請も関心が得られず拒否されている。(この拒否については、政治的な働きかけを欠いたことが原因だという指摘もある。)

カタロニアの医師たちは、エイズ患者の食欲不振、癌の化学治療にともなう吐き気、他の治療では効果が得られない恒常的な痛み(偏頭痛も含む)、多発性硬化症による筋肉萎縮の4種類のケースについて、カナビスをカプセルまたは注入して処方することができるようになる。この治療で恩恵を受けることにできる患者は15万人と見込まれている。

エレナ・サルガド健康相は、「カナビスが治療価値を持っている」 という事実を受け入れ、「特定のケースについて医師の監督下で錠剤によるコントロール使用」 を認めると述べている。一方では、ドラッグ中毒と闘う必要性についても強調している。スペインの保健政策は地方自治体が独自に決めることになっているが、マドリッドの中央政府の承認を得る必要もある。

カタロニアの医師たちも、カナビスの使用を注意深くコントロールできるようにすることを前提にこの計画に賛成している。バルセロナ医師会のギエルモ・シエラ会長は、「処方は、極端なケースについてだけ医師の監督下で行えるようにしなければなりません。… 人生の質を改善したいという要求は人間として十分に理解できます」 と話している。

「カナビスの医療使用が若者の間で安直に思われないようにすべきです。私たちは、ジョイントの喫煙を支持しているとか、カナビスが健康によいといった印象を与えたくないのです。」

来月から開始される予定になっている今回のパイロット・プロジェクトは、バルセロナ薬科大学の提案を受けて、当初のは1年間は8000人を対象にして、2003年に行われたオランダの実験と同じ内容を繰り返すことになっている。

この計画については、保健相への1年におよぶ強力なロビー活動の結果が認められたもので、カタロニア地方の社会党、グリーン党、独立共和党の左翼系連合政権も賛同している。今後は、スペインの他の地方自治体においても同じ計画が促進されることが期待されている。