From Hempire Cafe

ドラッグ・ツーリスト締出し計画

今夏、オランダでパイロットプランが実施へ

Source: Wendel Broere, Reuters
Pub date: 21 May, 05
Subj: Dutch to ban drug tourists from coffee shops
Web: http://www.thehempire.com/pm/comments/P/3638_0_1_0/


マリファナを買いにオランダのコーヒーショップを訪れるツーリストたちにとって、今年は、ドラッグ・ツーリズムを抑え込もうとするパイロット・プランにがっかりさせられることになるかもしれない。

現在、オランダでも法的にはソフト・ドラッグも禁止されてはいるが、政府の寛容政策のもとで個人一人あたり5グラム以下の所持は許され、コーヒーショップに対しては500グラムまでの在庫が認められている。

「オランダで登録を受けた人しかコーヒーショップに入れないようにする計画を進めています。」と司法省の報道官イボ・ホメスは語っている。「われわれはドラッグ・ツーリズムをなくしたいのです。そのためにこの夏にもテストを実行することになります。」 パイロット・プランはオランダ南端のマースリヒトで行われることになっている。

マースリヒトはドイツとベルギーの国境にあり、オランダではアムステルダムに次いで多くのツーリストが訪れている。大半がフランスとドイツ、ベルギーからの日帰り客だが、リールス市長が金曜日の国境地帯ドラッグ問題カンファレンスで述べたところによると、そのうちの150万人がドラッグを目的としたツーリストだと見られている。

オランダの人口1600万人のうち40万人余りがカナビス使用者で公然とドラッグを買い吸うことができるが、それが近隣諸国の憤慨のもとにもなっている。現在、右よりの中央政府はヨーロッパ諸国からの圧力でドラッグ・ツーリズムを抑制したいと望んでおり、同時に、カナビスの違法栽培と犯罪組織によるソフトドラッグの販売を一掃したいとも考えている。

しかし、、マーストリヒトのリールス市長は 「私は市長になる前は国会議員でしたが、その当時は、強硬路線でカナビスを排除することも可能だと考えていました。しかし、この3年間の市長としての経験からすればうまく行かないのは明らかです。」 と述べている。「ウォーターベッドのようなもので、問題のどこかを押し込むと別のところから他の問題が持上がってくるのです。」

市長は、1920年代のアメリカの禁酒法を引き合いに出し、強硬路線は機能しないと述べている。「禁酒法は社会運営における実験の失敗見本です。」

マースリヒトには12軒あまりの公認コーヒーショップがあり、司法省を交えて、ユーザーの登録や認証がどのようにしたら可能なのか計画の詳細を議論しているが、コーヒーショップ側はこうした規制がさらに混乱を生み、ユーザーを違法な取引に追いやるのではないかと懸念している。

マースリヒトのコーヒーショップ組合長マロク・ジョセマンはカンファレンスで、「もしコーヒーショップがコントロールを始めなければならなくなれば、登録したくない人は違法な業者のところに行くことになってしまいます。厄介が増えるだけだと思います。」 と語り、「どこの国も合法化すればいいのです。」 と提案している。