ノル緊急報告
From Nol van Schaik
司法相と自治相、カナビスで衝突
オランダ、栽培の合法化をめぐり
Title: Dutch Ministers clash over coffeeshops and weed.
Pub date: Apr 26, 2005
オランダの司法大臣ピエト・ハイン・ドナー(キリスト教民主連盟、与党第一党)がコーヒーショップとソフトドラッグ・ユーザーを嫌っていて、全部をやめさせたいと考えていることはよく知られている。昨日、彼は個人的にオランダ南部のリンブルグ州を訪れたが、それは、マースリヒト市長のリールスとヘーレン市長のサム・フォン・カーク(二人ともキリスト教民主連盟)が掲げる政府に反抗的なカナビス栽培合法化計画を認めないという意志を伝えるためだった。
市長たちは、コーヒーショップで販売するカナビスの栽培を規制の上で認めることを求めており、ドラッグ戦争は時間と資金と人材の浪費にしかならないと考えている。
リンブルグを訪れたドナーは、カナビス栽培者やドラッグ・ディラーとの全面戦争を宣言し、カナビスとコーヒーショップに好意的なスタンスを取る裏切的な市長たちとは絶対に同意しないことを明確にした。かくして、ドナーは、ドイツやフランス、ベルギー、さらにはイタリアからのドラッグ・ツーリストを締め出し、たとえ住民からの不満の声はなくても、コーヒーショップを閉鎖する権限を南部の市長たちに与えることを目論んでいる。
一方、自治大臣ペチトールド(民主66党、与党第三党)は、マースリヒトのリールス市長の考えに支持を表明し、ドイツ国境にカナビス・ツーリスト向けのウイード通りをつくり、街の内部にまで入り来まないようにすることを提案している。リールス市長は、コーヒーショップへのカナビスの供給を合法化することで財政や人材を節約することを望んでいる。ペチトールド大臣は全面的にリールス市長に賛同しており、ドナーにとっては怒り寸前の状態になっている。
こうした攻防が、今日も国会の場で続いている。
Cannabis Clash in Cabinet!
From Hempire Cafe
ドナー司法相、衝突を否定
カナビス栽培合法化をめぐる自治相との意見相違
Source: expatica.com
Pub date: 27 Apr, 05
Subj: Donner denies conflict over soft drugs
Web: http://www.thehempire.com/pm/comments/P/3544_0_1_0/
オランダの司法大臣ピエト・ハイン・ドナー(キリスト教民主連盟CDA、与党第一党)は、政府のソフト・ドラッグ政策を閣内協力をめぐり、自治大臣アレクサンダー・ペチトールド(民主66党D66、与党第三党)との間に意見の対立があることを否定した。
国のカナビス政策をめぐり異なった声明が発表され混乱を招いたため、火曜日の朝あらためて両大臣は意見を交わすために会合を開いた。
ペチトールドは、ヨーロッパ中でカナビス栽培が合法化されることが望ましいが、そうなるまでの間は、自治体は自分の抱えるドラッグ問題を最小化するために、自らの裁量でマリファナ販売コーヒーショップに対応できるようにすべきだ、と述べた。
しかし、ドナーはコーヒーショップに対する強行な政策を実施することを強く求め、コーヒーショップの迅速な閉鎖と市の混乱を収拾するための国の立法措置を準備している。
こうした意見の対立について、ドナーは 「騒ぎ過ぎです。本質的な部分では意見に相違はありません。」 と述べ、ヨーロッパにおいてソフトドラッグを合法化するというのは、民主66党の政策なので、ペチトールド(前任のトム・デ・フラーフの辞任で最近指名されたばかり)の月曜の発言は将来のソフトドラッグ政策について語ったものだ、と指摘している。また、現時点での課題は犯罪行為やドラッグ問題と闘い、カナビス栽培を禁止している政府の政策を維持することだ、とも言っている。
同じ火曜日には、民主66党の党首ボリス・ディテリヒは近隣諸国がソフトドラッグに対するオランダの寛容政策に理解を深めてきていることを強調し、ペチトールドの発言を擁護した。
彼は、また、ペチトールドが「新任ゆえの発言ミス」を犯したというキリスト教民主連盟の釈明を非難し、大臣が社会の問題に対して発言することが許されないなどというのはバカげており、ドナーとペチトールドは協力して事にあたるべきだ、とも述べた。
野党の労働党(PvdA)とグリーン左派党(GL)はペチトールドの声明を前向きに歓迎しており、「思い切った考えの大臣が現れた」と労働党党首ウォルター・ボスも評価した。グリーン左派党党首ヘムケ・ハルセマも、ペチトールドの声明で、連立政権にも「希望がもてる」ような気がする、と述べている。
社会党(SP)は、現在の寛容政策の存続そのものに反対しており、カナビスの栽培や輸送も合法化することを掲げている。
水曜にはドナー大臣を含めて、国家のソフトドラッグ政策について緊急理事会で議論されることになっている。この理事会には、グリーン左派党党首ヘムケ・ハルセマの強い要請でペチトールドも加わることになった。
現在オランダでは、コーヒーショップでのカナビスの販売には寛容政策がとられているが、カナビスの商用目的での栽培は違法であり、起訴の対象になっている。
オランダ第二議会(衆院)政党構成 |
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与党 |
CDA(キリスト教民主連盟) |
44 |
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VVD(自由民主党) |
28 |
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D66(民主66党) |
6 |
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野党 |
PvdA(労働党) |
42 |
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SP(社会党) |
9 |
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GL(グリーン左派党) |
8 |
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LPF(ピム・フォルテウン党) |
8 |
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その他 |
5 |
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合計 |
150 |
参考 オランダの政治情勢 http://home.planet.nl/~naokonet/mame/mame.htm
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