From Hempire Cafe

カナビス栽培合法化に前向き

オランダ20大都市

Source: dw-world.de
Pub date: 28 Apr, 05
Subj: Germany Wary of Dutch Dope Debate
Web: http://www.thehempire.com/pm/comments/P/3548_0_1_0/


オランダでは、20の大都市がカナビスの栽培に前向きな姿勢を示している。新たなカナビス議論が沸き起こっているオランダで、水曜日、一部の大都市がカナビスの合法化を求める動きを見せ、近隣のドイツにとっては頭痛の種がさらに増えそうな情勢になってきた。

オランダでは、すでに30年ほど前からカナビスの使用と売買は非犯罪化されているが、ツルー・デイリー紙に掲載されたオランダ30大都市での電話調査によると、栽培についても、3分の2の都市が厳しい規制の下で合法化することに賛成している(キリスト教民主連盟系4市が明確に反対、6市が無回答)。

こうした地方自治体の声が大きくなっているにもかかわらず、政府はソフトドラッグに対してより厳格な政策をとり続けている。「リベラルなドラッグ政策のために問題が起っているのに、さらにリベラルな政策を取ることがどうして問題の解決になるというのでしょうか?」 と、水曜の議会運営委員会でピエト・ハイン・ドナー司法大臣は疑問を呈した。

委員会では、野党の労働党をはじめいつかの政党が政府にカナビスの栽培を合法化するように要求したが、連立政権を構成する自由民主党(VVD)でさえEU域内でのカナビス栽培の合法化に言及していた。


合法カナビス製品はドイツ人スモーカーたちへの餌 ?

議論が議会にまで及んだことで、合法ストーンを求めるだけのために国境を越えようとする自国民が絶えないドイツでは、当局のフラストレーションもいっそう高まる気配を見せている。

ドイツ内務省のオットー・シーリイ大臣は、店でカナビスやソフトドラッグの販売を認めたオランダのコーヒーショップ制度についてはこれまでも度々ドナーと衝突を起こしてきた。

オランダのソフトドラッグへの対応に猛烈に異議をとなえてきたシーリイは、いかなるドラッグの販売も使用を認めるられないとして、国境沿いのコーヒーショップを閉鎖し、その上で二国間に共同パトロール地域を設けてドラッグの流通を阻み、カナビスの販売をオランダ国民にのみ可能にするように強く要請してきたが、オランダ側の方針と結論とは隔たりがある。


オランダ側、ドイツ人の面倒はドイツがみるべき

だが、ドナーは、オランダのドラッグ政策とコーヒーショップの存在はオランダ当局がドラッグの使用を身近に監視できるようにするためであり、 「たとえドイツ側のコーヒショップ問題に対する意見は理解できるにしても、それはオランダの問題であり、近隣諸国の問題ではない」 と、2003年のベルリンでのシーリイとのトップ会談で激論を交わしている。

1976年以降、オランダでは、いわゆるコーヒーショップでカナビスの販売と使用が非犯罪化され、このオランダ特有のシステムでは18才以上の成人一人に対して5グラムまでのカナビスを販売することが認められている。しかし、カナビスの栽培についてはコカインやヘロインなどのハードドラッグと同様に違法のままになっている。

オランダでドラッグを使えることがドイツ人のドラッグ・ツーリズムを促し、さらに大きくはヨーロッパにおける違法ドラッグの取引の温床になっている、という考えを堅持するシーリイに対しては、オランダ側のカナビス栽培の非犯罪化に向けてのいかなる動きもさらなる摩擦に発展することは間違いない。


市長たち、栽培規制が違法問題を解決する

マーストリヒトやアムステルダムといったオランダの主要都市の市長たちは、地下取引の最大の供給源になっている違法カナビス栽培から生じる問題の多くが、栽培を規制下におくことで解決すると主張している。

「ドラッグ政策は分裂しています。一方ではコーヒーショップでの販売を合法としながら、他方で栽培を違法としているのです。これではパン屋にパンを売ってもよいが小麦を仕入れてはダメと言っているようなものです。」 マーストリヒト市長でキリスト教民主連盟のジェラード・リーアスはAFPに対して最近このように語っている。

マーストリヒトやヘーレンのようなオランダ国境地帯の街には毎年百万人以上のドラッグ・ツーリストが訪れるが、大半がフランスやベルギーやドイツからカナビスを買うためににオランダにやってくる。市長は、住民の家の屋根裏や地下室での違法栽培に対処するために、コーヒーショップ販売用のカナビス栽培を規制下におきコントロールできるようにすべきだと要求している。


ドナー、合法栽培が問題を解決するわけではない

だが、ドナーは、カナビス栽培の合法化がドラッグ・ツーリズムや違法栽培の問題を解決するわけではない、としてそうした主張を退け、「コーヒーショップ販売用の栽培を規制したからといってドラッグ・ツーリストが減るとでもいうのですか ?」 と議会に問いかけている。

さらに、ドナーは水曜に議会に送付した書簡の中で、マースリヒトの違法カナビス栽培だけでも市内のコーヒーショップの需要を上回っており、「コーヒーショップ用の栽培規制をしても違法栽培の存在にほとんど効果はない」 と書いている。

政府とすれば、健康へのリスクが少ないカナビスなどのソフトドラッグと 「受け入れがたいリスク」 のあるハードドラッグを区別するオランダ方式を堅持し、一方ではドラッグ・ツーリズムは押さえ込みたい、と望んでいることになる。

ドナーは、また、コーヒーショップの数が1997年の1179軒から2003年には754軒に減少したことに好感を示し、オランダ司法省の科学的な調査を引用して、コーヒーショップの存在がカナビスの消費の拡大を導いていない、と指摘している。15才から65才までのカナビスの消費ではオランダはフランスやイギリス、アメリカを下回っている。