From Hempire Cafe

カナビスの危険性に警告

Source: The Times
Pub date: 02 Jun, 05
Subj: Warnings go up in smoke
Author: Dr Thomas Stuttaford
Web: http://www.thehempire.com/pm/comments/P/3679_0_1_0/


おそらく医者の進言もあったのだろうが、政府・行政の鈍感な対応のせいで、過去30〜40年に渡り、どれほど多くの生命が犠牲を強いられてきたことか。

例えば、なぜイギリスは他の国に比べて、かくも長く高血圧の対処に失敗してしまったのだろうか? 胸部検査の導入がどうして遅々として進まなかったのか?

どうして汚染された血液を、多くの血友病の患者に処方することを許してしまったのか? 何故、C型肝炎の危険を理解することができなかったのか? 何故、BSDが人間にまで広まってしまったのか? 挙げればきりがない。

医者で元議員の私が常に困惑されられてきたことの一つは、カナビスの喫煙が精神病が誘発するという膨大な証拠があるにもかかわらず、医学や政府機関の怠慢で長年にわたってそれが無視されてきたことだ。カナビスの喫煙が、遺伝的に精神分裂病や類似の精神病に陥りやすい人のリスクをさらに高めるという事実を、現在に至ってもなお受け入れようとしない人達がいるのだ。

ここ30年余りの間に、世界中の信頼のおける研究機関から、カナビスを吸っている人達が他のグループよりも精神障害になりやすい傾向のあることが示されてきた。この傾向の程度は、摂取量に要因の一部があり、より多くジョイントを吸ったり、あるいは同じ本数でも効力の強いカナビスほど大きく、また、一回あたりの摂取量が多くなくても常習している場合に目立っている。

いくつかの調査では、精神障害に陥る傾向がカナビスの摂取量に結び付いており、いかなる量であってもリスクがあることが明確に示されている。こうしたリスクの増大は、以前の精神病を患って医薬品で改善した人であっても顕著に表れる。

1960年代以降、世界中の普通の現場の医者たちからも、本当の精神病に苦しむ人の割合は1%であっても、似た症状に苦しんでいる人の割合は格段に多いと指摘されてきた。 こうした人達は、精神分裂病や同種の病気の症状とは完全に合致するわけではなく、やや症状の少ない心身症と分類されてきたが、実際には前者と同様な素因を持っているにもかかわらず、なんらかの理由で完全に発病までには至っていないとも考えられてきた。

最近、ロンドン王立大学の精神医学研究所の行った調査でも、4人に1人がカナビスで精神病になる危険が増える遺伝子を持っていることが明らかにされている。これまでの精神障害はおよそ人口の1%だっが、政治家や彼らの医学アドバイサー達が自由放任主義を続けてこの危機を認識しなければ、危険が全人口の4分の一に拡大するのも時間の問題でしかない。

カナビス喫煙の危険を認めようとしない原因としてはさまざまな社会学的な解釈がなされている。最もわかりやすい説明とすれば、カナビスが60〜70年代の若者に受け入れられるようになって、大人達は若者から、時代の変化に適用できない恐竜と見なされるのを恐れたからだ。

さらに、イギリスに移民してきた人たちはもともと「ガンジャ」を吸っていることが多く、イギリスで生まれた自分の子供たちにも増してカナビスを批判されることを嫌がり、その結果として、移民に敏感なイギリスの政治家が2世代にわたってカナビスに目をつむってしまったのだ。

1960年代以降、科学者たちはカナビスのさまざまな副作用について注意を促してきた。発がん性はタバコよりも大きく、致命的な心筋梗塞や不整脈、胎児や生殖への影響、精神病への影響・・・。しかし、どれも無視され続けてきた。

先週には、科学記者協会のジョン・フォン・ラドウッツが、カナビス喫煙で別の副作用が起こることを詳細にレポートしている。政府がカナビスの分類をCからBにダウングレードして以降、アメリカ・アバディーン大学のスタウト・ラルストン教授が、カナビスが骨の再生と吸収のバランスを崩すことを動物実験で突き止めた。骨の密度や強度はこの正確なバランスに依存いるので、もし崩れれば骨粗鬆症を引き起こす可能性もある。

成人の振舞いや知的能力に対するカナビスの影響のエキスパートとして知られ、ドクター・チャロナー・グラマー・スクールで健康教育の主任だったメリー・ブレットは、長年の研究の結果、カナビス喫煙の悪影響はすぐには表面化しないが、最初に表れる予兆のひとつは、明らかに知的探求心が不可解な退行を示すことだとしている。

すでに知られたカナビスのこうした危険のリストにベルギーの研究も追加された。それによると、遺伝的に素因のある人では、カナビスの喫煙で精神分裂病になるリスクが2倍になる。また、ベルファストのクイーン大学の科学者たちはカナビスが精子にダメージを与えると忠告しており、ニュージーランドの研究者たちはカナビスのヘビーユーザーは深刻な交通事故を通常の10倍も起こしやすいことを立証している。