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Source: AlterNet 今月の始め、５００人の先端経済学者の指導的立場にある保守派の重鎮ミルトン・フリードマンが、カナビスの禁止がコストに見合うものなのかどうかについて、国家的な議論をするように呼びかけた。 きっかけはハーバード大学の経済学者ジェフリー・ミロン博士の新しい論文で、禁止を通常の規制システムに置き換えた場合を見積もっっている。それによると、現在国家が費している費用のうち年間１００〜１５０億ドルの歳費を削減できる、という。 「カナビスを合法化して、アルコールやタバコのように規制して課税するという制度のほうが好ましいという議論になると考えていますが、少なくともこうした議論で、現在のカナビス禁止政策がはたして納税者や過去の税収や関連するさまざま活動のコストに十分見合ったものなのかどうか見直す契機になるはずです。」 とフリードマンらは総括している。 論文では、カナビスの禁止が多大なコストを伴うばかりではなく、国民の人生を破壊し社会に害を与えていることがよく示されているが、金銭面から見ると次のようになる。 ミロン博士が連邦政府や州政府のさまざまな統計使用を使って見積もったところによると、禁止を規制に置き換えることで政府が年間に支出している法執行に伴う経費のうち７７億ドルが節約でき、さらに規制したカナビス販売で日常品並に課税すれば２４億ドルの税収が得られる。もしアルコールやタバコ並に課税すれば税収は６２億ドルになり、さらに税率を変えればもっと多くなることも考えられる。 当然、こうした見積もりを完璧に行うことはできない。利用可能なデータも不完全なので、経済学者が前提として仮定するのは大目に見積もるか少な目に見積もるかのどちらかになることが多い。ミロン博士の場合の見積もりは控えめな方で、節約可能なすべてを検討しているわけではない。その主要な一つが州刑務所の経費で、カナビスで収監されている受刑者数は、博士が仮定したよりも連邦麻薬局が最近発表したばかりの数のほうが６０％も多い。 こうした違いは些細なことではない。エベレット・ダークセン元上院議員の言葉を借りれば「１０億ドルがここそこにあって、すぐ現金が手に入るとすれば」、それを使って学校を修復し、社会の安全を強化し、テロからアメリカを守ることができる。 例えば、セキュリティ専門家が懸念するように、ソビエト時代に作られ放置されている何千発の核兵器がテロリストに渡る恐れがあるが、その処理には３００億ドルかかるとされている。しかし、この金額はカナビスの規制によって得られ節約と税収の３年分にも満たない。また、２００２年の海運安全法に基づいて、沿岸警備隊が３１５０の港と９２００隻の船舶を守るために必要とされる７３億ドルが、たった１年の節約で全べてを賄うことができる。 一方、カナビス禁止に何百億ドルもの費用をつぎこんで何が得られたのだろうか？ カナビスが街からいっこうに無くなっていないことだけは確かだ。昨年の政府の調査関係者の話では、高校生上学年の８５.８％がカナビスが簡単に手に入る、と答えており、この数字は実際上ここ３０年間変わっていない。また、２００３年のカナビスの逮捕者数は１９９１年の３倍のもなっており、ティーンエイジャーの時にカナビスを始めた吸った人の数も５０％を越えた。 連邦政府によると、およそ１５００万のアメリカ人が月に一回はカナビスを使っている。この数は、オレゴンとネブラスカ、インディアナ、オクラホマの各州の子供を含めた人口の合計に匹敵している。また、今年になってから乗用車やトラックの新車を購入したアメリカ人の数にも近く、カナビスは巨大な市場規模になっている。 カナビスの禁止でこの市場を無くすことはできない。禁止は単に犯罪と暴力のギャングに特権を与えているに過ぎず、社会がその費用を毎日支払っていることになる。売人たちは子供だからといって遠慮するわけではない。禁止することで必然的に、国立公園内での秘密栽培、カモを狙った罠、流血抗争などが起きる。これは１９２０年代にアメリカが禁酒法で苛まれた時期に起こったことそのものだ。 ５００人の経済学者たちが言っていることは正しい。より良い方向を求めて、今こそ議論を開始すべき時だ。 |
ミロン・レポートThe Budgetary Implications of Marijuana Prohibition
署名リスト：
An Open Letter to the President, Congress, Governors, and State Legislatures
ブルース・ミルケン カナビス・ポリシー・プロジェクト広報主任。