From Hempire Cafe
カナビス・スプレー不許可
イギリス、サティベックスの効果認めず
Source: The Guardian
Pub date: 11 Jun, 05
Subj: Cannabis spray for MS patients refused licence
Autor: Sarah Boseley
Web: http://www.thehempire.com/pm/comments/P/3711_0_1_0/
多くの多発性硬化症患者が待ち望んでいたカナビス配合薬がライセンス認可を受けることができなかった。
深刻で厄介な病気を抱える多数の人々が、これまで、痙縮や神経性の痛みなどの症状の緩和にカナビスを違法に利用してきたが、そうしたこともあって、ここ何年かにわたり治験が続けられてきたサティベックスと呼ばれる舌禍スプレイ型医薬品の製造に大きな期待が寄せられていた。
しかし、医薬ケア製品監視委員会(MHRA)は、GW製薬が開発した痙縮治療薬の製造ライセンス申請を却下すると発表した。委員会はその理由として、薬の効果を示す十分な証明がないことをあげている。
「委員会としては、この決定が多発性硬化症患者に失望を与えることは分かっています。しかし、リスクと利益の評価バランスに好意的な証拠は十分にはありませんでした。」 とケント・ウッド委員長は述べている。委員会は薬の安全性や品質に関しては認めているが、第三のハードルである効力という点で採用を見送った。
この決定に対して、患者グループは落胆を示し、製造会社のゲオフェリー・ガイ社長も 「非常に腹立たしいが」 と語り、委員たちがライセンス認証に納得できるようなデータを得るためのさらなる治験を行っている、と加えた。
ガイ博士によれば、会社は争点となっている臨床規模でどのような効果があるかという評価よりも、患者自身からの改善報告に重点をおいて効果を確認してきたので、今後は別の治験でさらに多くの患者からデータを得るようにする、という。
多発性硬化症協会のマイク・オドノバン会長は、「このニュースには、麻痺やひきつけや痛みなど苦痛に喘ぐイギリス8万5千人の多発性硬化症患者の多くが失望しています。あとどれだけ待てというのでしょうか? 委員会の公聴会で協会が強調してきたのは、治療に利用できる医薬品の選択肢は非常に限られている上に、多くの人が効果がないと感じている、ということです。」
「多発性硬化症は症状が多様に変化するのですが、これまでは、こうした病気に対して新しい治療法を評価するに際して、患者自身が目立った効果を感じているかが評価対象になっていなかったのです。そもそも、このこと自体がとても問題なのです。」 「この点で、カナビスから誘導した薬は、人生の質をすばらしく改善する可能性を持っていると確信しています。」 と語っている。
多発性硬化症基金のクリスティーヌ・ジョーンズ会長もこれに同調して、「カナビスから誘導された医薬品がライセンスされずに見通しがたたないことは極めて苛立たしいことです。」「残念ながら、医薬品委員会もMHRAにしても、患者自身から痛みが緩和したという統計的にも際立った報告があるのに、それを前向きに捉えようとする意欲が感じられません。」 と述べている。
サティベックスは、治験がもっと必要という条件付きながら、カナダでは、神経性の痛みの緩和薬としてすでにライセンスを受けている。ガイ博士によれば、会社は、薬が痛みの緩和に効果があるという証拠をたくさん持っているが、MHRAへのライセンス申請では効果を示すデータが十分ではないとされてしまった、という。
「治験では一部の人には非常に役に立っており、研究者たちは、患者の生活全体が委員会の認識よりはるかに改善していることを見ています。」 「こうした患者さんにとってこのような医薬品は他にないのです。私たちが試験を行ってきたのは、可能性のある他のすべての治療で効果が得られず疲れ果てた患者さんたちなのです。」
現在でも400人の患者が、治験という理由でサティベックスを使っているが、博士は「他の患者さんたちはカナダから入手する方法を考えるでしょう。ですが、MHRAから認められ、薬の効果を確信している医師からの処方箋を取得することが必要で、さらに、カナビスは医薬価値のないスケジュールI類に分類されているので内務省からは輸入許可を取らなければなりません。」 と述べている。
彼はまた、「医学効果があることはカナダとイギリスの治験で証明されているので、カナビスのスケジュール分類を変更するように働きかけています。」 と加えた。
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