From Hempire Cafe

暮らしを支えるカナビス

モロッコ、多数の農家がカナビス栽培

Source: StopTheDrugWar.org
Pub date: 06 Jul, 05
Subj: Cultivation Feeds a Hundred Thousand Families in Morocco
Web: http://www.thehempire.com/pm/comments/P/3792_0_1_0/


6月24日にモロッコ政府が発表した報告書によると、長年ハシシの生産の中心地として有名なリフ山脈が今だ健在であることを物語っている。政府当局はカナビス栽培の面積が2003年から2004年にかけて少し減少したと強調しているが、報告書では、今だ9万6000軒余りの家族が生活をカナビス栽培に頼っているという現実には正面から触れていない。

リフ山脈は、モロッコ北部、地中海に面して東西にのびる標高3000メートルを越える嶮しい嶺が連なる地域で、住んでいるのは大半がベルベル人だが、そこで栽培されたカナビスはハシシに加工されて大消費地の西ヨーロッパへ密輸されている。

2003年にはモロッコ政府と国連薬物犯罪局(UNODC)の合意にもとづき、リフ地域の栽培状況について初めて空からの調査が実施された。その結果、栽培面積は13万5000ヘクタールだったが、昨年行われた同じ調査では12万ヘクタールに減少していることがわかった。

減少しているとは言っても、栽培面積は膨大であることには変わりない。12万ヘクタールということは、デンバーあるいはサンアントニオ、インディアナポリスといった都市の市街地全体がびっしりと緑のカナビスで覆いつくされているのに相当している。

リフ地域のベルベル人にとっては、違法なカナビス作物があるということは極貧状態に陥らないで済んでいるという幸運にもなっている。モロッコ政府の推計によると、この地域でカナビスが栽培されているのは耕作可能な土地の4分の1を占め、灌漑用水が利用できる農地でも12%に達している。また報告書には 「低年収層の半数、つまりこの地域の農村人口の3分の2がカナビスからの収入に頼っている。」 と書かれている。

UNODCも見積もりによると、2003年のリフ地域のカナビス農家の収入は総計で2億2000万ドル、1軒あたり2500ドルになっている。この額は国民の平均年収1320ドルよりも高い。それでもハシシ取引全体の利益12億ドルからすればごくわずかなものに過ぎず、利益の大半はヨーロッパ人の密輸業者や卸や小売業者が得ている。

モロッコ政府当局者は、昨年の栽培面積はハシシ密輸の摘発努力で減少したと強調しているが、リフ地域のハシシ農家が生計を立てられるような代替作物がない限りどんなに圧力をかけてもほとんど効果がないことも認めている。

参考:   モロッコ・リフの写真