From Hempire Cafe

カナビス喫煙、ガンの危険なし

カルフォルニアの患者対照研究

Source: bbsnews.net
Pub date: 11 Jul, 05
Subj: Smoking Marijuana Does Not Cause Cancer
According to a Case-control Study
Web: http://www.thehempire.com/pm/comments/P/3807_0_1_0/


6月26日に国際カナビノイド研究学会(ICRS)の年次カンファレンスで報告されたカリフォルニア大学ロスアンジェルス校のドナルド・タシュキン教授らのチームの患者対照研究によると、たとえ長期間ヘビーにカナビスを吸ったとしても肺ガンや各種上皮がんの原因にはならないという結果が示された。

この研究では、ロスアンジェルス在住の18〜59才のガン患者1209人(肺ガン611人、経口ガン403人、咽頭ガン90人、食道ガン108人)を対象に聞き取り調査が実施され、カナビスやタバコ、アルコール、その他のドラッグの生涯経歴に加え、ダイエットや職場環境、家族のガン経歴などのガンのリスク要因についてもデータが収集された。

カナビスの総使用量については 「ジョイント年」(1ジョイント年=365ジョイント) という単位が採用された。ガン患者のデータはガンには無関係の対照グループ1040人と比較された。対照グループのカナビス経験構成は46%が未経験、31%が1ジョイント年以下、12%が10〜30ジョイント年、2%が30〜60ジョイント年、3%が60ジョイント年以上だった。

1ジョイント年以下同士で比較した結果を基準として示された肺ガンのリスク係数は、それぞれ、1〜10ジョイント年で0.78、10〜30ジョイント年で0.74、30〜60ジョイント年で0.85、60ジョイント年以上で0.81だった。リスク係数が1以下はリスクが少ないことを示しており、カナビス・ユーザーのリスクは非カナビス・ユーザーよりも若干低いことになる。

同様な結果は他のガン研究でも得られている。カナビスの使用量とガンのリスクとの間に関係がないということは、多量ユーザーの場合でもリスクが増えることはないことを意味している。これに対してタバコの場合は、係数は最大21.0で、予想通り非常に大きな影響があり使用量とリスクには明白な関係が明らかにされている。

出典:
Morgenstern H, et al. Marijuana use and cancers of the lung and upper aerodigestive tract: results of a case-control study. Presentation at the ICRS Conference on Cannabinoids, 24-27 June, Clearwater, USA

この研究を行ったドナルド・タシュキンは、これまで何年にもわたりマリファナの煙が気管支の組織に損傷をもたらす証拠を求め、マリファナの煙には発がん性の物質が含まれており、細胞の分子構造に変化をもたらすことを確認してきた。

この結果は政府の反マリファナ・キャンペーンで、カナビスは肺癌をおこすという根拠として使われてきた。タシュキン自身もそれを信じていた。

しかし、一方ではステファン・シドニーが6万4000人の患者を調査したころ、マリファナ・ユーザーには肺癌が極めて少ないという報告も出ていた。この結果に疑問を抱いたタシュキンは、前提として、ヘビーで長期的なカナビス使用が肺や気管支の癌のリスクを高める、という仮説をたてて自分でも大規模な調査を行った。

その結果が今回発表されたもので、「使用量がリスクを高めることを示すものは何もなかった。」

http://www.counterpunch.org/gardner07022005.html


2005年ICRSカンファレンスの他のニュース

今年の国際カナビノイド研究学会(ICRS)カンファレンスは、6月24〜27日にフロリダ州クリアウォーターで開催され、約300人の科学者が出席した。以下では、発表されたいくつかの研究の概要を短く紹介する。

(1) 神経因性疼痛   カリフォルニア大学で行われたプラセボ対照研究で、エイズに関連した末梢神経障害患者50人を無作為にカナビスを喫煙するグループと偽カナビスを喫煙するグループに分けて比較したところ、カナビスには痛みを緩和する効果があることが認められ、エイズ患者の30%が苦しむ疼痛の治療で現在最も広く使用されている医薬品ガバペンチンと同等の効力を持つことが確認された。(Abstract by D. Abrams et al.)

(2) 精神分裂症   ケルン大学で行われた4週間の二重盲検法による臨床研究で、カナビジオールと精神分裂症治療薬アミスルプライドを急性精神分裂症患者に投与して比較した結果、カナビジオールには2週および4週間後の双方で投与前に比較して顕著な精神分裂症状の緩和効果が認められた。カナビジオールとアミスルプライドの間では効力に目立った違いはなかったが、副作用の点ではカナビジオールは他の薬剤に比べて極めて少なかった。(Abstract by M. Leweke et al.)

(3) 禁断症状   カナビス治療薬サティベックスでの治療を1年間受けていた多発性硬化症患者25人について、突然投与を中断しても禁断症候群や深刻な禁断症状は認められなかった。半数の患者については、以前、通常のカナビスを日常的に使っていたときに禁断症状を経験していた。(Abstract by E. Russo & P. Robson)

(4) 脳内のCB2レセプター   マウスを使った研究で、マウスの脳内にもCB2レセプターが存在することが実験で確かめられた。その数は長期的に軽いストレス(CMS)を加えると増える。このことは哺乳類の脳内にはCB2レセプターが作られ、うつ病の要因になっていることを示唆している。(Abstract by E. Onaivi et al.)

(5) 筋萎縮性側索硬化症(ALS)   合成カナビノイド(AM1241)は選択的にCB2レセプターと結合し、ASLマウスで病状の進行が遅くなることが示された。運動機能の喪失時期は通常よりもオスのマウスで12.5日、メスのマウスで3日遅くなった。(Abstract by M. Abood et al.)

出典:
Reader of the 2005 ICRS meeting, www.cannabinoidsociety.org.