From Hempire Cafe
カナビスの規制・合法化に賛成
統合失調症患者の母親の訴え
Source: Rethink
Pub date: 27 Jul, 05
Subj: Cannabis should be regulated
http://www.thehempire.com/index.php/cannabis/news/cannabis_should_be_regulated
私には23才になる息子がいます。統合失調症で、ティーンのころからヘビーなカナビス・ユーザーでした。7年間メンタル・ヘルス・サービスのお世話になり、カナビスを止めるように強く説得していただきましたが、今も使い続けています。
私は、カナビスのリスクについての知識を全く持っていませんでした。特に、リスクの高いティーンエイジャーは使うべきではないということも知りませんでした。息子が病気を発症したときには、あちこちに書いてある恐ろしい記事を目にして愕然としました。しかし、実際にどうしたらよいのか書いた情報は見当たりませんでした。
調べていくうちに二つの違った世界があることがわかりました。一方の人たちは、カナビスがクールで害などない、そんなの常識だ、と言います。ですが、別に人たちは、カナビスが統合失調症の毒になることも知らないの? そんなの常識だ、そんな歳でヘビーに使っていたの? どうなると思っていたの? と責め立てます。
議論が役に立った
1年ほど前、カナビスの合法化を掲げるウエブサイト(UK Cannabis Internet Activists、http://www.ukcia.org)で精神病についてのフォーラムを見つけました。それ以来、インターネットでカナビスと精神病についての討論に加わり、多くの時間を過ごしました。
サイトは合法化運動に焦点を当てていましたが、知らないこともたくさん学びました。カナビスを使っている人と語り合ったり、研究論文も読みました。昨年は、ロンドンで開催されたカナビスと精神病カンファレンスにも参加しました。また、イギリス最大の精神病慈善団体であるリシンク(Rethink、http://www.rethink.org/index.html)を通じて、特に若者に対するカナビスのリスクについて多くの情報をいただきました。
息子の病気の発覚で受けた衝撃は未だに消え去っていませんが、しかし少なくとも現在は、こうして情報を得られたことに大変感謝しています。カナビスは非常に多面的で、害と益の範囲がさまざまに交錯しています。単純な善悪や賛成反対といったスタンスでは通用しませんし、どちらも説得力がありません。
合法化を求めてキャンペーンをやっている人たちのほとんども18才以下の若者がカナビスを使うことには反対しています。私は、みんなが力をあわせて、子供がカナビスを使わないように働きかけることが出来ると思っています。また、現在の法律が子供たちの助けにならず、リスクに押しやっているとも感じています。
私は、全体とすれば、一部の人たちだけのリスクを軽減しょうと目論むどのような非犯罪化論議にも反対です。でも、規制管理し、使い方に関する情報を提供することを前提に合法化を唱えている人たちのことは支持しています。
処罰しても何も伝わらない
インターネットでの議論でわかったのは、カナビスのリスク研究を取り上げているメディアの報道内容が、貧弱な上にただカナビスに対立的でなんにも役に立たないことです。賢明なカナビスの使い方を伝えなければならないのに、実際には、逆効果になるメッセージを発しています。
当然のことながら、どのような新しい見方に対しても防衛的になることはわかります。ですが、法律はぐちゃぐちゃですし、大半の人たちは若者に起こっていることについて何も知りません。いずれにしても、社会は、精神病を語り合う上で困難な状況を抱えています。
処罰することでは何も伝わりません。情報を求めている人たちを遠ざけるだけです。すべてが無意味になってしまいます。たとえ医療用にカナビスを必要とする人でも許されなくなってしまいます。不適切な使用のリスクを根拠に医療使用までやめさせようとすることには決して同意できません。イギリスでいまだに医療使用が認められていないという現実は、政府の信頼を損なう状況になっています。
私は、こうした結論に達しましたが、ここまで来るには決して容易ではありませんでした。カナビスを使っている文化が、現実としてここにあるのです。カナビスに関する法律は支離滅裂のままです。これは、カナビスに賛成か、あるいは反対かという単純な問題ではありません。カナビスは、はるかに複雑なのです。
知識で武装
カナビスは法律のもとに引き戻さなければなりません。自由にするのではありません。カナビスの品種や効力、THCとCBDの含有バランスなど、賢明な使用法を促す明確な情報を提供しながら、規制してコントロールすべきなのです。
そして特に、ティーンエイジャーなどの子供、さらに家族に精神病歴がある人たちにとっては、カナビスの使用が健康リスクになるという事実を情報として提供すべきです。大人が情報にもとずいた決定をできるように、知識で武装しなければなりません。
こうした法律のもとで、皆が力を合わせて、子供たちがカナビスを使わないように働きかけるのです。子供たちからカナビスを取り上げることはできないのはわかっています。しかし、現在のように子供たちが危険を認識していない状況を受け入れることはできません。現状では、子供たちは、効力も品質もわからないカナビスを密売人から買わなければならず、結果的にリスクへ押しやっているのです。
賛成と反対と
カナビス合法化運動には、害削減というコンセプトを持った動きもあります。最近行われた、ロンドン・カナビス教育ラリーでは精神病の問題も積極的に取り上げ、「カナビスをリスペクトしよう、法はリスペクトしていない」 という新しいスローガンを掲げています。
私はロンドンのラリーで次のように訴えました。
「カナビスに関する過去の議論は2極化し過ぎています。片方が無害で有益だと言えば、もう片方はカナビスが悪魔だと叫び、ユーザーを処罰すべきだと言います。」
「では、私は賛成なのか反対なのか? 私は賛成です。きちんとした情報にもとづき、規制でカナビスを合法化することに賛成です。ですが、私は反対です。
リスクを無視してマイナス面を考慮しないどのような非犯罪化議論にも反対です。そして、私の息子のように、多くの人たちが苦しむのに反対です。」
「私は、お互いの話に耳を傾け、情報にもとずいた成熟した理性的な議論に賛成します。」
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Rethink: Your Voice (この記事が掲載されたリシンクの発行する雑誌)
ukcia-mhsubscribe@ukcia.org (UKCIA カナビスと精神病・メーリングリスト)
UKCIA's Research forum (UKCIA リサーチ・フォーラム)