アメリカ連邦政府当局

バポライザー研究の許可申請を拒絶

Source: NORML
Pub date: September 1, 2005
Title: NIDA Rejects MAPS/Cal NORML Cannabis Vaporizer Study
http://norml.org/index.cfm?Group_ID=6658


アメリカでは、カナビスを使った研究はすべて国立ドラッグ乱用研究所(NIDA)の許可が必要とされているが、バポライザーによって気化 されたカナビス蒸気の成分を調べる実験計画が許可申請から18月後に拒絶された。

この実験計画は、2004年2月にマサチュセーツ大学化学薬品研究所での実験用に代理人がNIDAに許可申請していたもので、バポライザーによるカナビスの気化過程を化学的に調べるために、オランダ政府公認の医療カナビス10グラムの輸入を求めていた。

以前の研究 では、バポライザーを使うとカナビスを燃焼させることなくカナビノイド成分を取り出せることが示されている。カナビスは230℃以上で加熱すると発癌性の炭化水素を伴った有害な煙を発生させるが、その温度より低い180〜190℃で加熱すると、燃焼による呼吸毒が発生させずにカナビノイドを蒸気にすることができる。

政府の依頼を受けてアメリカ科学アカデミー医学研究所(IOM)がカナビスと健康について評価した1999年の 報告書 では、煙をともなわずに迅速に摂取できるカナビスの搬送システムの研究を政府が主導することを強く求めている。

NIDAは拒絶理由について、この研究が 「科学的な知識の本質にほとんど貢献しない」 と 書簡 の中で述べている。これに対して、申請者たちはNIDAの決定を不服として裁判に訴えることにしている。

これについて、MAPS (サイケデリックス多分野研究連盟)とともに研究計画の共同スポンサーになっている カリフォルニアNORML の デール・ギーリンガー代表 は、 「政府が医療カナビス問題のジレンマの板挟みになって、またもや不誠実な決定を行ったことが露呈した格好になっている」 と語っている。

「これまでの申請では、最初の時には、カナビスの安全性と効果についてのFDA(食品医薬品局)の研究が不十分でカナビスを医療利用することができないと主張してカナビスの研究することを拒んできましたが、次には、そもそもカナビスの喫煙自体が危険でFDAの認証対象にはならないと強調して拒んできました。そして、今回は、IOMが呼びかけていた喫煙の代替になる方法を研究することまで拒んできたのです。」

先週、ギーリンガー代表とMAPSの リック・ドブリン代表 は連邦麻薬局(DEA)で 証言 を行い、カナビスをFDAによる認証薬にするには臨床実験が必要とされており、そのためには独立した民間の供給源が不可欠だと主張している。

現在、連邦の認可を得たすべてのカナビス研究は、NIDAとの契約のもとで栽培されたカナビスの供給を受けて使うことが義務付けられている。しかしながら、NIDAの責任者の書簡には、「カナビスの医療利用について研究することはNIDAの任務ではない」 と書かれている。

NIDA Blocks Marijuana Vaporization Study  California NORML Press Release, 2005.8.25