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2006年2月2日


カナビスと攻撃性の関連情報に証拠で論駁
アラスカ、長年のポット政策を覆そうとする州知事の企てにストップ
ニューメキシコ州上院が医療マリファナ条例を可決



●カナビスと攻撃性の関連情報に証拠で論駁
2006年2月2日 - アメリカ・ワシントンDC発

イギリス精神医学誌の最新号で、「カナビスの使用は非行や攻撃的な振る舞いに深く結びついている」とした主張が掲載されたが、これに対して、NORMLの事務局長アレン・ピエールは、マリファナが暴力行為の原因になっているという誤解に満ちた冷笑的試みで科学的な裏付けはない、と非難している。

「これまでに、信頼できる研究で、カナビスが暴力や攻撃性、非行などの主因になっていることを示したものはありません。古くは1972年にアメリカ政府が諮問した「マリファナとドラッグ乱用に関する連邦委員会」で、「要約すれば、刑事裁判関係者のあいだでは、一般に、マリファナは非行や犯罪行為の主要な要因としては考えられていない」 と結論を出しています。」

「最近の科学研究でもこの結論を踏襲しています。例えば、2002年のカナダ上院の調査では、「カナビスの使用は、その使用自体を犯罪とみなければ、別の犯罪を引き起こすことはなく、攻撃性や反社会的な行動も増やすこともない」 としています。」

「また、2002年のイギリスのドラッグ乱用諮問委員会も、「カナビスにはアルコールとは大きく異なった重要な側面があり、リスクを犯すような行動を取らないようにする性質があると思われる。これは、アルコールの使用が自虐的な行動や家庭内の事故・暴力の主因になるのに対して、カナビスの場合は他人や自分自身に滅多に暴力的になることはないということを意味している。」 と同様な結論を出しています。」

最も新しい研究では、論理回帰分析を用いて約900人のトラウマ患者を調査しているが(Journal of TRAUMA Injury, Infection, and Critical Care)、カナビスの使用は、入院を必要とするような暴力または非暴力による傷害のどちらにも単独では関連していない、と判定されている。これに対して、アルコールやコカインの場合は暴力傷害に密接に関連していることが明らかになっている。

また、臨床研究でも、競争的なセッティングの下で被験者にマリファナを投与して、酔いが敵対心を増加させるか調べているが、そのような兆候は見い出されていない。

「マリファナを理解する:科学的証拠の新検証」 という本の著者で、NORMLの顧問の一人であるミッチ・アーリワインによれば、近々公表される研究では、大人4700人に及ぶ長期マリファナ・ユーザーと長期アルコールユーザーの調査で、「頻繁かつ長期にマリファナを使っていても攻撃的な行動を引き起こすことはない。」 ことが見い出されていると言う。この研究は、現在、アグレッシブ・ビヘイビア誌に発表するために検証中。
For more information, please contact Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at (202) 483-5500.

Source:  http://norml.org/index.cfm?Group_ID=6804


●アラスカ、長年のポット政策を覆そうとする州知事の企てにストップ
2006年2月2日 - アメリカ・アラスカ州ジュノー発

今週、アラスカ州下院は、個人の自宅で4オンスまでのマリファナ所持を市民の権利と認めた1975年以来続くアラスカ最高裁の裁定を覆そうとする上院の条項を否決した。

上院は、もともとは覚醒剤の製造に関して規定した下院法案149号を修正し、マリファナも加えて、4オンス以下の所持を軽犯罪、それ以上を重罪するという追加条項を承認していた。

しかしながら、下院は23対15で法案から修正部分を取除くように要求して上院に再審査するように送り返した。もし上院がこれを拒否すれば、両院の協議委員会が妥協案を探ることになる。 2005年にも同じような内容のマリファナ法案が単独で提出されたが、このときは上下両院とも支持を獲得することはできなかった。

NORMLの法律顧問キース・ストロープは、上院の反マリファナ条項を否決した下院を高く評価して、「これらの条項は知事の要求で導入されたもので、下院議員たちの正式な議論を経ていないのです。上院のやり方は、下院がすでに認めた通常の反覚醒剤法案に条項を忍び込ませたもので、実際的な法審議を行わないでカナビスを再犯罪化しようというひねくれた試みなのです。」 と述べている。

もし両院の協議委員会がマリファナ条項を認めたとしても、1975年の裁定を再審議するために裁判所に委ねられることになる。

しかし、もしそのようになったとしても、裁判所は議会の申し入れを拒絶するだろう、とストロープは予想している。「裁判所や大半のアラスカ州民にとって、プライバシーの権利は、知事のマリファナ戦争から出てきたおかしなアドバイスよりももっと重要だからです。」

アラスカ最高裁は、2004年にも、自宅内での大人のマリファナ所持は憲法に保障された行為だとした2003年9月の控訴裁判所の裁定を再考するように求めた州法務長官事務所の訴えを棄却している。
For more information, please contact Keith Stroup, NORML Legal Counsel, at (202) 483-5500. Source:  http://norml.org/index.cfm?Group_ID=6805


●ニューメキシコ州上院が医療マリファナ条例を可決
2006年2月2日 - アメリカ・ニューメキシコ州サンタフェ発

今週、ニューメキシコ州上院は、深刻な病気に苦しむ患者が医師の監督下で医療マリファナを利用しても州から刑事訴追を受けないという法案を圧倒的多数で可決した。評決は34対6で、現在は下院での審議に移っている。

もし下院でも通過すれば、上院法案258号では、認可された患者には州保健局からIDカードが発行され、医療カナビスを所持・使用しても起訴を免れることになる。また、法案は保健局に、カナビスの生産拠点をライセンスして医療マリファナの配布システムを整えるようにも促している。

州知事のビル・リチャードソン(民主党)は法案に署名する意向を示している。同様の法案は昨年も州上院を通過したが、下院で審議未了で廃案になっている。

現在までのところ、アラスカ、カリフォルニア、コロラド、ハワイ、メイン、モンタナ、ネバダ、オレゴン、ロードアイランド、バーモント、ワシントンの11州で、医師の監督下の医療マリファナ患者が刑事訴追を免れる法が成立している。
For more information, please contact Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at (202) 483-5500
or visit:  http://capwiz.com/norml2/issues/bills/?bill=8407996

Source:  http://norml.org/index.cfm?Group_ID=6806