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2006年2月23日


マリファナ尿検査の探知期間は以前の定説よりも短い
妊娠中のカナビス使用と小児性白血病とは無関係



●マリファナ尿検査の探知期間は以前の定説よりも短い
2006年2月23日 - アメリカ・ミズーリ州コロンビア発

法廷薬物ジャーナル誌の最新号に掲載された文献レビューによると、標準的な尿検査で平均的に測定されるカナビスの代謝期間は、一般に、長期常用者で10日以内、非常用者で3〜4日になっている。

高感度酵素免疫測定法(EMIT)を使って閾値を20ng/mlにした場合、「最近の科学文献を調べた結果、尿中のカナビノイド代謝物テストが陽性になるのは、非常用的な不定期のマリファナ・ユーザーでは7日以降は珍らしく、長期常用者の場合でも中断後21日以降も陽性になることはほとんどない」 と著者は書いている。

研究で明らかになったところによれば、閾値を50ng/mlにした場合、不定期ユーザーでは3〜4日以内でもたいていはマリファナ代謝物の存在は陰性を示し、ヘビー・ユーザーの場合でも中断10日以降ならほとんどは陰性になっている。

1980年代に行われたいくつかの臨床試験では、特にヘビー・ユーザーの場合、尿中には長期間にわたって低濃度のカナビス代謝物が残ることが 
示された が、著者は、最近のもっと発達したドラッグ・テスト法では検知範囲はもっと狭まることを示唆している。

「カナビノイドのスクリーン・テストが進化するに従って分析法が改良され、、マリファナ代謝物を検知するための方法がいろいろ選べるようになった。検知選択性の増加とともに、尿中から検知されるカナビノイドの期間は短くなってきた。・・・従って、1980年代に行われたカナビノイド消失実験の結果は、今日の検査方法での尿中のマリファナ関知範囲にはもはや適用できない。」

著者は、長期的常用者に関する最近の臨床実験のデータを調査した結果、「最低閾値を20ng/mlにした場合、尿中のカナビノイドの平均検知範囲はちょうど14日」 と報告している。しかしながら、さらに進歩した検査方法を使えば、28日以降も陽性反応を示し続ける人も若干いる、とも指摘している。

アメリカでは年間におよそ5500万回ドラッグ・スクリーンが実施されているが、その大半が職場で、ドラッグ代謝物の存在を調べるための尿検査が行われている。だが、検知対象はドラッグそのものではなく、体内で代謝された不活性の後生成物であるために、アメリカ司法省は、ドラッグ代謝物の存在が陽性を示しても、ただちに 「・・・最近の頻度や使用の度合い、さらには機能的に障害があるかどうかを示しているわけではない・・・」 と断言している。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at (202) 483-5500.

Full text of the study, "The marijuana detection window: Determining the length of time cannabinoids will remain detectable in urine following smoking," is available online at:
http://www.ncdi.org/ndcirpub.html

Source:  http://norml.org/index.cfm?Group_ID=6821


●妊娠中のカナビス使用と小児性白血病とは無関係
2006年2月 23日 - アメリカ・ノースカロライナ州チャペルヒル発

小児&出産の疫学誌3月号に掲載された患者対照研究によると、母親のカナビス使用と子供の急性骨髄性白血病(AML)との間には関連のないことがわかった。

チャペルヒルのノースカロライナ大学の研究者たちは、AMLの子供517人のグループと、この病気ではない610人のグループを対照して分析を行った。前者のグループは、子供のガン・グループ(小児クリニック共同グループ)に登録されている1989〜93年にAMLと診断されたことのある現在18才以下の子供で、対照グループは、病気とはかかわりのなかった子供が無作為に電話で選ばれた。

「総合的に見て、妊婦のカナビス使用とAMLの子供との間にポジティブな相関は見られず」 さらに、カナビスを使用したことを自己申告で認めた母親が 「妊娠3ヶ月前から妊娠中だった場合、子供がAMLになるリスクが減少関係にある」 ことも研究者たちは見い出している。

「使用量との相関結果では、妊娠前3ヶ月以内にカナビスを使っていたと報告した人では、週1回以上の場合のほうがそれ以下の場合よりもオッズ率がより少ないことがわかった。また、オッズ率の減少は、出産後の1年にカナビスを使用している場合にも見られた。」

しかしながら、研究者たちは、妊娠中のカナビス使用がAMLの予防になるとは結論しておらず、「思い出すことにバイアス」 がかかることが減少相関に現れてきたことを示唆している。こうしたバイアスは、妊娠前あるいは妊娠中のカナビス使用を認めた母親では、対照グループよりもAMLグループの人のほうが使ったことを認めたがらないために生じる。

今回の研究結果は、妊婦のカナビス使用と子供のAMLに間に相関が認めたとする1999年の研究とは全く逆の結論になっている。

「以前の研究で報告されたような、妊娠前および妊娠中のカナビス使用が子供のAMLとポジティブな相関関係は、この研究では確認できなかった。」 「親のカナビス使用が子供のAML発症の強いリスク・ファクターにはならない。」 と結論を出している。

このノースカロライナ大学の研究は、現在までにアメリカで行われた子供のAML疫学研究では最大規模のものになっている。また、急性骨髄性白血病は、15才以下の子供で白血病と診断された全体のうちで約16%を占めている。