From Hempire Cafe

カナビスが糖尿病の失明を防ぐ

Source: FemaleFirst.co.uk
Pub date: 28th February 2006
Subj: Marijuana compound could prevent eye damage in diabetics
Web: http://www.thehempire.com/index.php/
cannabis/news/marijuana_compound_could_prevent_eye_damage_in_diabetics


カナビスの化合物が糖尿病患者の眼の障害を防ぐことが発見された。

糖尿病網膜症は働き盛りの大人の失明の主要な原因となっているが、アメリカではおよそ1600万人がこの病気に影響を受けている。糖尿病は、光を感じる組織である眼底の網膜の毛細血管を破壊してしまう。適切な治療を受けていない糖尿病患者では、ブドウ糖のレベルが高くなり過ぎて網膜の酸素を過剰に消費して血管が押し広げられ、もろく漏れやすくなって最後には視力が失われてしまう。

科学の最新動向を伝えるオンライン・ニュース、ユリーカ・アラートによると、ジョージア州立医科大学で分子生化学を研究しているグレゴリー・I・リュー博士らのグループが、カナビノイド・レセプターの役割を調べ、糖尿病マウスをモデルにして実験したところ、カナビスの化合物 (カナビジオールCBD) が糖尿病患者の失明の原因を根本的に取り除き、糖尿病網膜症を防ぐことを見出した。

カナビノイド・レセプターは体内のあらゆる場所に存在し、体内で生成されるエンドカナビノイドの活動に影響を与えている。リュー博士によれば、「その機能は臓器や場所によって非常に異なっていますが、中枢神経系のカビノイド・レセプターは、神経インパルスが通過した後で元の中立な状態に戻す役割を担っています。」

神経はシノプスとよばれる結節点でインパルスを交信し合う。グルタミン酸塩は神経を刺激する神経伝達物質だが、反対にGABAのように神経伝達を抑制する物質もある。エンドカナビノイドは、酸素が十分に補給されている限り、刺激と抑制のバランスを取る働きがある。

酸素が不足して局所貧血が起こるとグルタミン酸塩が過剰に生成され末端神経に信号が伝わらなくなり、細胞の内側と外側を正常に保とうとするポンプの機能が故障してしまう。

その結果、過剰な酸化窒素や超酸化物が生成されて細胞が悪影響を受け、さらには、網膜の酸素要求を増大させてしまう。「われわれは、これを神経細胞の死と呼んでいますが、網膜で多量の神経細胞が死んでしまうと視力は直接影響を受けます。」

神経の集中した網膜に悪影響を与えるのはそれだけではない。この過程では、神経細胞に養分や酸素を供給しているグリア細胞が密接に絡んでおり、何かを勘違いすると、グリア細胞の一種であるマイクロ・グリア細胞が神経細胞を食べて殺してしまう。「マイクロ・グリア細胞がむさぼり始めるようになると、神経細胞を食い殺してしまい、取り返しのつかない状態になってしまいます。」

しかし興味深いことに、体は、それを阻止するためにより多くのエンドカナビノイドを生成し始め、次に過剰となったカナビノイドを破壊する酵素を作り出す。同じような現象は脳梗塞の場合でも起こっているという。

「すべての血管が傷んでしまうはるか前から、グリア細胞と神経細胞の協調関係が壊れ始めています。」 しかし、「カナビジオールを投与すると、第一に、悪玉の超酸化物の酸化防止剤として働き、次に、自己破壊的なシステムを抑制するように働くと考えられます。エンドカナビノイドの自己生成を促す一方で、それらを破壊しようとする酵素を抑制して、エンドカナビノイドが長く存命するように助けるわけです。」

カナビジオールは、また、細胞を守るよりもむしろ破壊する能力の一端を担ってしまったマイクロ・グリア細胞を囲むカナビノイド・レセプターの働きを弱めることで、エンドカナビノイドの働きを促進し、マイクロ・グリア細胞が神経細胞をむさぼり食うようになるを防いでいる。

「カナビノイドは、神経細胞を守る一方で、マイクロ・グリア細胞が本来の姿でとどまるように作用するのです。双方の状況を改善しようとするのです。誰だって、医薬品として有望だと思うはずです。」

リュー博士は、糖尿病患者の視力を守るために、ダメージが出ていない初期の段階でインシュリンと一緒にカナビス化合物を使うようになる日がくることを願っている。