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2006年3月2日


カナビスで 「非動機症候群」 にはならない
非精神活性カナビノイドが糖尿の失明に一筋の光
テキサスとフロリダの大学で 「マリファナ均等案」 が多数の支持を獲得



●カナビスで 「非動機症候群」 にはならない
2006年3月2日 - アメリカ・カリフォルニア州ロスアンジェルス発

薬物乱用・防止政策ジャーナルの最新号によれば、カナビスを毎日使ったとしてもモティベーションを低下させることはないことが示された。

カナビス常用者243人と非使用者244人の合計487人に対して、無気力評価スケール (AES) に基づいた調査が行われた。被験者には12の質問が与えられ、自分の感じた状態を4つ (全くない、僅かある、かなりある、非常にある) から選択するようになっている。研究者たちは、以前にもこの方法を利用して他のドラッグの乱用とモティベーションの調査を行い成功させている。

その結果、「毎日カナビスを使っているグループもモティベーションは、カナビスを使っていないグループと何ら違いは認められなかった」 と研究者たちは報告している。高度な統計処理で、ユーザーと非ユーザの間の僅かな相違でも見逃さないように被験者の答えを数量化したが、それでも、カナビス常用者のモティベーション低下は確認できなかった。

「これらの発見は、ヘビーなカナビス常用者のモティベーションが低下するという従来の仮説を覆すもので、」 「従って、ドラッグ防止策で、カナビスが無気力な状態(非動機症候群) を引き起こすと強調しても、それは実験に基づいたものではなく、かえって防止努力の信頼性を傷つけることになる」 と結論を下している。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at (202) 483-5500.

Full text of the study, "Cannabis, motivation, and life satisfaction in an internet sample," is available online at: http://www.substanceabusepolicy.com

Source:  http://norml.org/index.cfm?Group_ID=6824


●非精神活性カナビノイドが糖尿の失明に一筋の光
2006年3月 2日 - アメリカ・ジョージア州オーガスタ発

アメリカ病理学ジャーナル誌の最新号に掲載された臨床前実験によると、精神活性を持たないカナビノイドである
カナビジオール (CBD) を投与すると、糖尿病性網膜症による網膜細胞の死を防ぎ、いずれ糖尿病患者を失明から守ることができるようになりそうだ。

バージニア州立医科大学薬理・毒物学科の研究者たちは、ストレプトゾトシンをそれぞれ1週間、2週間、さらに4週間使って糖尿病を起こさせたラットでCBDの防御効果を調べた。

「実験の糖尿ラットには、酸素不足によるストレス、網膜の神経細胞の死亡数、血管透過性に関して顕著な増加が見られた。」 「これに対して、CBD療法は、酸素不足によるストレスを緩和し・・・血管内皮の成長を減らし・・・網膜細胞の死を防いだ・・・これらの結果は、CBD療法が、糖尿動物における神経毒症状や炎症を抑え、血液網膜関門 (BRB) の破壊を防いていることを示している。」 と研究者たちは報告している。

糖尿病性網膜症は、網膜の酸素を奪って網膜血管の防御機能を破壊するのが特徴で、アメリカでは約1600万人がこの病気の影響を受けており、成人中途失明の主要な原因になっている。

以前に行われた研究でも、脳梗塞局部脳梗塞 ,アルコール中毒性脳障害 などでCBDの神経毒症状防御効果が示されている。また、臨床研究でも、CBDには投与量に応じて、脳の神経膠腫細胞の成長を抑制する 抗腫瘍特性 があり、悪性細胞を選択的に自滅 (アポトーシス) させることが見出されている。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at (202) 483-5500.

Full text of the study, "Neuroprotective and blood-retinal barrier-preserving effects of cannabidiol in experimental diabetes," appears in the January issue the American Journal of Pathology.

Source:  http://norml.org/index.cfm?Group_ID=6825


●テキサスとフロリダの大学で 「マリファナ均等案」 が多数の支持を獲得
2006年3月 2日 - アメリカ・ワシントンDC発

テキサス州オースチンにあるテキサス大学(UT)と、フロリダ州のフロリダ大学(FSU)で、大学当局に抑圧的なマリファナ罰則の軽減を求めたキャンパス条例案(非拘束)が相次いで成立した。

テキサス大学では、大学がアルコール所持に科した罰則よりも重くならないようにマリファナ所持罰則を下げる 「アルコール・マリファナ均等処遇に関する学生投票」 を実施し、64%以上の学生が賛成した。先週、フロリダ大学の学生たちも同じような案を投票にかけて60%対40%で承認している。

「学生たちは明らかに、本人および社会にとってアルコールのほうがマリファナよりも害があるという真実の姿を認識している」 とテキサス・NORML代表のジュディー・ニスカラは語っている。

両校とも、NORMLの地域支部である 
テキサスNORML と  FSU・NORML の協力を得て、さらにコロラドを本拠に活動している SAFER (Safer Alternatives for Enjoyable Recreation) とも連携して活動を進めていた。

SAFERは、昨年の秋に デンバー市マリファナ罰則撤廃条例 案を通過させることに成功しているが、 昨日から、2006年コロラド州議会選挙に向けて同様の提案をするための署名運動を開始している。