聖パトリック・デーは

安全なマリファナで祝おう


デンバー・SAFER


Source: Cannabis Culture Magazine
Pub date: March 13, 2006
Subj: Have a SAFER St. Patrick's Day; Use Marijuana!
Web: http://www.cannabisculture.com/articles/4693.html


最もアルコールが消費される一日の一つといわれるお祭りを4日後に控え、アメリカでは最も有力なマリファナ政策改革団体の2つ、NORMLとSAFER (Safer Alternative for Enjoyable Recreation) がマスコミに対して、アルコールよりもマリファナのほうが害が少ない、という重要なメッセージを広げること支援するように要請書を出した。

聖パトリック・デーはアイルランドの文化を祝うお祭りとして有名だが、ビールなどの酒が大量に飲まれることでも知られている。もちろんアルコールは合法だが、だからと言って無害ではない。実際、マリファナに比較して、アルコールは飲んだ本人にも社会にも害がはるかに大きい。

従って、この聖パトリック・デーではアルコールの代わりにマリファナを使うという分別のある選択をするのを奨励し、また、メディアの各支局はこのメッセージを公共サービス情報の一環としてアメリカの読者や視聴者たちに伝える責任がある、とNORMLとSAFERは訴えている。

さらに、聖パトリック・デーの飲酒をマリファナに変える必要性を訴えるイベントとして、セントルイスNORMLでは、街の中心にあるバトワイザーの醸造所の周辺で 「安全な聖パトリック・デー(Safer St. Patrick’s Day)」 のデモを計画している。同様のイベントはアイルランドの首都ダブリンでも行われることになっており、アイルランド・カナビス政策改革センターというグループが 「セイファー・アイルランド」 というキャンペーンを開始することになっている。

研究では、マリファナよりもアルコールのほうが中毒性が高いことが示されている。中毒自体も問題だが、アルコールの本当の危険は長期間飲み続けるとそれが原因で死ぬ可能性があるということで、アメリカ保健省の疾病対策センターによれば、年間でおよそ2万人のアメリカ人がアルコールが直接原因で死亡している。これに比較して、マリファナの場合はゼロで、死んだ人はいない。

アルコールはまた、暴力的振る舞いを助長する。アメリカ司法省は国内犯罪について次のような統計を発表している。「暴力犯罪の犠牲者の3人に2人は、身近な配偶者やボーイフレンドやガールフレンドから受けたもので、アルコールがその要因になっている。また、配偶者による犠牲の4分3は加害者が飲酒中に行わている。」

今回の訴えでは、初めてグリーンビールの洗礼をうける大学生たちにマリファナとアルコールの害の比較について考えてもらうことに最も重点をおいている。アルコール乱用・中毒研究所の委員会が大学での飲酒実態を調査した2002年の研究によれば、18から24才の大学生の間では、毎年、1400人が死亡しており、50万人が傷害を受け、デート中のレイプによる性的暴力は7万件に達している。

この数も驚くべきものだが、数字を%比率に直してみるとさらに驚愕する。例えば、ハーバード大学公衆衛生学科の研究者たちは、女学生のレイプによる犠牲者のおよそ4分の3(72%)が飲酒中に被害に遭っていたことを見出している。

「安全な聖パトリック・デー・キャンペーンは、アルコール産業やアルコールのユーザーを標的にしたものではありません。」 とSAFERのキャンペーン責任者のメイソン・ツーバートは述べている。「私たちは、ただ、最もひろく使われているリクレーショナル・ドラッグの2つについて事実に基づく情報を社会に提供したいのです。そして、皆さんに飲酒する前に考えてもらえることを心から願っているのです。もしこのキャンペーンで、性暴力や酒場での喧嘩が1件でも防止できれば十分に価値があると思っています。」

「率直にいって、私たちは、比較的に害の少ないマリファナを禁じて、アルコールの使用を奨励し賞賛している現在の法や習慣に幻滅しているのです。」 とNORMALのアレン・ピエール事務局長は加えている。「どちらのドラッグも大人が合法的に利用できるようにして、どちらがいいかは本人に決めさせればいいのです。私たちは何年にもわたって、マリファナの使用はノーマルなことだと訴えてきましたが、もうアブノーマルだという妄想を取り払ってそのことを受け入れてもいい時期です。」

SAFERとNORMALからのメッセージ

もうすぐ聖パトリック・デーがやってきます。もう頭の中にグリーン・ビールが踊っている方もいると思いますが、別のグリーンであるマリファナのことを考えてみるのにもよい機会です。

マリファナは、アルコールに比較すれば、使う本人にも社会にも害の程度は低く、暴力的振舞いを引き起こしたり、健康を害して死亡したり、また吐いたり最悪な二日酔いに悩まされることも余りありません。今度の聖パトリック・デーで心のこもったパーティなどを計画されているのでしたら、ぜひSAFERなマリファナをお選びください。

もちろん、どのようなドラッグを使うにしても、酔っぱらい運転だけはしないようにしてください。もし、そのような状態で運転すれば決してセーフではありません。

NORML、アラン・ピエール
SAFER、メイソン・ツーバット

SAFER (Safer Alternative for Enjoyable Recreation)

SAFERは、昨年の秋にコロラド州デンバー市で成立したマリファナ合法化 (21才以上、1オンスまでの所持) の中心的な役割を果たしたグループとして知られている。

運動のやり方は、カナビスとアルコールの害比較を梃子に、カナビスとアルコールを同等に扱うように求める戦略を中心に据え、主に、これから大人になっていく学生に照準をあてている。


聖パトリック・デー

毎年3月17日(日本では19日)の聖パトリック・デーには、アイルランドを始め、アメリカではアイルランド系の人びとを中心に盛大な祭りやパレードが行われる。グリーンビールを飲んだり、緑色の衣装を身につけ緑で埋め尽くされる。

アイルランドの守護聖徒パトリックは、西暦385年にイギリスのウェールズに生まれた。少年の頃に誘拐されてアイルランドに連れてこられたが、後年、アイルランドに広がり始めたキリスト教を定着させることを使命として、迫害を受けながらも修道院や教会や学校を各地に建設した。

現在のアイルランドではカトリック教徒が90%を占める。聖パトリックの命日にあたる3月17日には、毎年、彼に感謝するために盛大なお祭りが行われるようになった。緑色はアイルランド草原のクローバーを表し、希望と自然、そして春の訪れを象徴している。

参考:  アイリッシュ・ネットワーク・ジャパン  セイント・パトリックス・デイ - 人物、パレード、歴史