サティベックス

期待裏切るGW製薬の臨床結果

Source: Reuters
Pub date: 18th March 2006
Subj: GW Pharma drug trial disappoints
Web: http://www.thehempire.com/index.php/
cannabis/news/gw_pharma_drug_trial_disappoints/


昨日、GW製薬は、カナビスから作った革新的な医薬品・サティベックスの臨床最終段階の結果を発表したが、期待通りの成果が得られず、株価は25%値を下げた。

サティベックスは痙縮をともなう多発性硬化症患者用の舌下型スプレーで、臨床プロトコルにもとずいて効果試験が続けられていた。しかしながら、研究に参加した全患者に対する「治療の意図」による分析では、プラセボに比較して目立った統計的優位性は見い出せなかった。

この結果で、GW製薬が予定していたヨーロッパでの医薬品認証申請が遅れる可能性も出てきた。

「全面的にこの結果のまま進むか、あるいは申請前に、神経障害性の痛みに関する研究結果を待ってもっと統計的に意味のあるものにしてから提出すべきかどうかを、よく考えて決める必要があるということです」 とジャステイン・ガバー管理部長は語っている。

12時20分現在のGW製薬の株価は、アメリカでの治験開始許可を得た3ヵ月前から25%下落し95ペンスとなった。会社の評価額は1億1400万ポンドになっている。

会社は、別に行われている治験第3段階のサティベックスの神経障害性疼痛の緩和成績を待つ公算が高いと見られている。

「神経障害性の痛みに関しては、これまでも一貫して最大限のポジティブな結果が出ていますので、今回の件でも、われわれは非常に楽観的な受け止めかたをしています」 とステハン・ウエイト研究開発部長は語っている。

神経障害性疼痛の臨床試験は、2件が治験の第3段階にあり、1件は今年中に、もう1件は来年の中頃までには結果が発表される見込みになっている。

また、カナコード・アダムス社のアナリストは、今回のニュースが大きな痛手となって、証券筋では「買い」から「待ち」の状態に格下げされたとの見方をしている。

「われわれとすれば、この臨床結果で、多発性硬化症分野でのサティベックスの潜在価値が弱くなったと考えている」 とカール・キーガン、マイク・ブース両アナリストは書いている。

サティベックスは、当初、2003年末にはイギリスで認可されると期待されていたが、臨床試験の幾多の遅れが出て、認可審査当局からは、メリットを示すデータがもっと必要だと求められている。

GW製薬は、医学研究に使うカナビスの栽培について政府から認可を受けて、イギリスの田舎の秘密の場所で数千本のカナビスを育てている。

また、サティベックスは、2005年4月にカナダで神経障害性疼痛の治療薬として、世界で初めて認可を受けている。