From Hempire Cafe

ドラッグ政策が組織犯罪の暗躍を助長

イギリス北ウエールズの警察本部長

Source: BBC News
Pub date: 20th March 2006
Subj: Police chief demands drugs debate
Web: http://www.thehempire.com/index.php/
cannabis/news/police_chief_demands_drugs_debate


ノース・ウエールズの警察本部長の語ったところによると、ドラッグを犯罪として取り締まっているイギリスの法律が 「組織犯罪の爆発的な暗躍を助長している」 という。

BBCウェールズの番組(Week In Week Out)で、リチャード・ブルンストーム本部長は、「ドラッグを違法にすることは、そのコントロールと供給源を犯罪組織に渡たしてしまうことを意味する」 と語り、イギリスのドラッグ政策を緊急に見直すように訴えた。

これに対して、イギリス・ドラッグ防止アライアンスのデビット・レイネス氏は、大半の人がドラッグの合法化などを望んでいない、と反論している。


慄然とするほどの損害

番組の中でブルンストーム氏は、現在のドラッグ法が警察の業務執行にとって障害になったりすることはないが、それでもドラッグ戦争には勝てない、と述べた。

「今のドラッグ政策が組織犯罪に食い物にされてしまうような社会を作ってしまったのです。犯罪者たちはまさにそのとおりに振る舞っています。」

「文字どおり、イギリスだけで年に何十億ポンドものお金が組織化された犯罪集団の手で集められています。彼らのお金は最後の1ペニーに至るまですべて違法行為によるものです。荒稼ぎのカモは哀れなドラッグ中毒者たちです。」

「組織犯罪と銃犯罪の爆発を招いてしまった結果、社会の隅々にまで行き渡ってしまったのです。もう慄然としてしまうほどの損害をもたらす政策を推し進めてきたのです。」

彼は、さらに加えて、社会がドラッグ中毒者たちを「最低の最低」の人間と烙印を押してしまったために、イギリスのドラッグ問題という火種に油を注いでしまった、とも述べている。

「中毒の連中は、人間以下だ。1ペンスの価値もない。社会から、遠ざけ、排除し、駆逐すべし。避けて軽蔑する。こんな犯罪ベースの政治形態をとれば、おのずと彼らの生息地は決まってしまいます。」

「窃盗の半分がドラッグを続けることのために起こっているのです。」

「こうした巨大で壊滅的な津波を引き起こしたのは、明らかに、ドラッグそのものではなくて、違法という事実が原因なのです。ナンセンスの上にナンセンスを重ねてきたのです。」

続けて、彼は、解決策を見出すためには政府の高官たちがリーダーシップを取って議論することが必要だ、と指摘している。

「私は、これまでやってきたことが全然効果を上げていないと思う人が着実に増えてきている、と考えています。」

「さらに、われわれはドラッグ・カルテルの手の内で踊らされてお金を献上してきた・・・それほど間抜けだった、という認識も広まって来ていると思います。」


悲嘆すべき状況

別の取り組みには、毒は毒で制すべしというブルンストーム氏の意見に対しては、ニューポートで中毒患者の救済援助をしているカレイドスコープ・プロジェクトのマーチン・ブレイクボロー氏が賛意を示している。

彼は番組のなかで、「現在の悲嘆すべき状況は、ドラッグ問題を刑事犯罪として扱い、健康問題として扱ってこなかった結果だと思います」 と語っている。

一方、これに異を唱えているのが反ドラッグ政策キャンペーン組織であるイギリス・ドラッグ防止アライアンスのデビッド・レイネス氏で、ドラッグ法を緩和するのは 「全くのナンセンス」 で 「大半の人びとがドラッグの合法化など望んでいない」 と述べている。

「ドラッグの所持が刑事犯罪でなくなってしまえば、それを制止する手だてが何もなくなってしまう。伝染病が社会中に瞬く間に広がってしまう。」

「ドラッグに対処する全体のシステム一部として機能している刑事裁判システムを外してしまうことは不可能です。なぜなら、刑事裁判システムこそ中毒者を最初に説得し、治療へと導くことができるからです。」

「彼らを捕まえるのはその目的以外にありません。」


参考: アイルランド世論調査、カナビス合法化支持が半数を超える