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2006年3月23日


学生ドラッグ事犯に対する奨学金禁止法の無効を訴える訴訟が開始
カナビス・スプレー、これまで治療効果の無かったMS患者の痙縮を緩和
カリフォルニア州当局、医療マリファナ法に反対する訴訟の却下を要求



●学生ドラッグ事犯に対する奨学金禁止法の無効を訴える訴訟が開始
2006年3月23日 - アメリカ・ワシントンDC発

ドラッグ法改革プロジェクトを掲げるアメリカ市民の自由ユニオン (ACLU、American Civil Liberties Union) は、学生のための理性あるドラッグ政策 (SDDP,Students for Sensible Drug Policy) と協力して、在学中に軽微なドラッグ犯罪を犯した程度の学生にまで奨学金支給を禁じた議会の禁止措置が憲法違反であるとして、アメリカ教育省相手に連邦での訴訟を起こした。

高等教育法の 「援助停止規定」 として知られる禁止措置が制定された1998年以来、連邦の奨学金支給を拒否された学生は20万人に上ると見積もられている。今年に入ってから議会はこの法を一部緩和して、現在では、入学以前にドラッグで有罪になった学生でも連邦奨学金を受けられるようにはなったが、在学中に少量のマリファナの所持といった暴力を伴わないドラッグ事犯を起こした場合に関しては引き続き支給資格を認めていない。

訴状では、すでに裁判で刑罰を科せられている学生をさらに罰するのは2重処罰に相当するので、この連邦法は憲法に違反すると訴えている。また、この法が学生の正当な法手続きの権利を侵害し、マイノリティに偏った悪影響をもたらしている、とも主張している。

「この訴訟では、軽微なドラッグ事犯であれば、連邦奨学金を失うという懸念を持たずに勉学を続けられるという状態を確実なものにすることを目指しています」 とクリス・クラーネSSDP事務局長は語っている。さらに加えて、SSDPとACLUは、関係者に対してこの連邦訴訟の原告に加わることを積極的に呼びかけていく、とも述べている。



●カナビス・スプレー、これまで治療効果の無かったMS患者の痙縮を緩和
2006年3月23日 - イギリス・ロンドン発

先週、イギルスのGW製薬が発表にした臨床試験の途中結果によると、現在利用可能な抗痙縮治療で効果のなかった多発性硬化症患者に対して天然のカナビス抽出液を成分とする経口スプレイ、サティベックスの投与したところ痙縮の病状に顕著な改善が見られた。

臨床試験は、14週間の無作為プラセボ対照試験方式で行われ、多発性硬化症関連の痙縮患者を含む335人が参加した。「事前に決めた研究プロトコルに適合したグループでは統計的に顕著な改善が見られた・・・痙縮の状態は1から10までの数字を使って評価を行い・・・」 「研究に加わったすべての患者には、臨床試験中にも、それまで最善だった抗痙縮治療薬の投与を継続してもらいながら行ったが・・・従来の効果に上積みする改善がみられた」 と会社はプレスに発表した。

臨床試験では、研究プロトコルに合致しなかった患者でもサティベックスの緩和効果が得られたが、統計的な優位性を示す程の結果には至らなかった。研究者たちは、この原因をプラセポ効果が予想以上に大きく、対照グループとの差が縮まってしまったためだ、という見方をしている。

会社の説明によれば、多発性硬化症関連の痙縮に関しては、現在までにサティベックスを使った個別の3つの臨床試験を実施しており、それらを総合した合計652人の患者の分析でも、プラセボよりも際だった成績を示している。

今年の初めには、癌の痛みの治療に対するサティベックスの効果を試験するために、アメリカでも初めて臨床試験が正式に認可されている。現在のところ、サティベックスは神経因性疼痛や多発性硬化症などに苦しむ患者に対してカナダで処方が認められており、制限つきながらスペインやイギリスでも利用できるようになっている。

サティベックスを使った末梢神経疼痛の第3フェーズ臨床追加試験も計画されており、今年の年末までには完了することになっている。



●カリフォルニア州当局、医療マリファナ法に反対する訴訟の却下を要求
2006年3月 23日 - アメリカ・カリフォルニア州サクラメント発

カリフォルニア州のビル・ロッカー司法長官は、州の最高裁に対して、今年の初めにサンディエゴ郡の執政部が起こした訴訟を取り下げるように求めた。郡の執政部は、2004年に州法で義務づけられた医療マリファナ患者の認可IDカードを発行をめぐり、それを阻止するために、10年来続くカリフォルニアの医療マリファナ法が連邦の規制薬物法で空文化されるはずだと訴えていた。

今週最高裁に提出した申し立ての中で州当局側は、サンディエゴ郡執政部がカリフォルニア医療マリファナ法を「嫌い」っているだけで訴える法的資格を持っていない、と主張している。「法廷は、対立者とのあいだで事実に基づく論争が行われる場合にのみ開くことが出来るが、このケースでは実際の論争は存在せず、そのような助言的意見に対しては訴訟を却下することが求められている」 と長官は述べた。

法廷は5月中に、州のこの申し立てを裁定することになっている。

サンディエゴ郡の有権者に対して実施された最近の電話による世論調査では、78%が郡執政部の訴訟に反対している。また、67%が州の医療マリファナ法を支持している。