Weekly News

2006年3月30日


シンシナティ市議会、「応急」再犯罪化条例を可決
カナビスが多発性硬化症患者の失禁を救済
合成THC、認知症患者の夜行性活動症を軽減
来週、第4回カナビス治療全国臨床カンファレンスが開催



●シンシナティ市議会、「応急」再犯罪化条例を可決
2006年3月30日 - アメリカ・オハイオ州シンシナティ発

昨日、シンシナティ市議会は、市内での少量なマリファナ所持を再犯罪化する 「応急条例」 を6対2で可決し、新しい法律が直ちに発効した。

セシール・トーマス市議によって起草されたこの条例では、少量のマリファナ所持を4級軽犯罪に格上げして再犯罪化している。「応急条令」 に違反した者は逮捕され、罰金250ドルから最高30日間の懲役が科せられる恐れがある。また、再犯の場合は、最高6ヶ月の懲役と1000ドルの罰金となっている。

これとは対照的なのが 
オハイオの州法 で、100グラムまでの所持は軽犯罪と定められており、違反金は最高100ドルで逮捕や懲役はない。

元警察官であるトーマス市議は、この条例が 「公共の平和、健康、安全、福祉全般の確保に必須」 だと主張しているが、連邦のデータによると州のマリファナ使用はそれほど大きくはなく、シンシナティ市 においては周辺地域に比較してもむしろ目立っていない。

この法案の公聴会では、数十人の住民が反対の意見を述べ、賛成した人は一人もいなかった。最後には市議たちも妥協せざるをえなくなり、有効期間1年で継続には市議会の更新が必要とされる 「サンセット条項」 を盛り込むことで合意した。

「30年以上にわたって、オハイオ州の非犯罪化法は他の州のモデルとなってきましたが、シンシナティ市議会のこのような支持されてもいない無理強いで、長年続いてきた市民たちのための防護が外されるのは不幸としか言いようもありません」 とアレン・ピエールNORML事務局長は語っている。

For more information, please contact Allen St. Pierre, NORML Executive Director, or Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at (202) 483-5500.

Additional online information is available at: http://capwiz.com/norml2/issues/alert/?alertid=8500156

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=6864


●カナビスが多発性硬化症患者の失禁を救済
2006年3月30日 - イギリス・プリモス発

今月発行された国際泌尿婦人科ジャーナルに掲載された臨床試験データによると、カナビノイドとカナビス抽出液が多発性硬化症患者の失禁に際だった防止効果があることがわかった。

無作為プラセボ対照研究には630人が参加した。被験者には、カナビス抽出液、経口THC、プラセボのいずれかが無作為に投与され、研究者たちは、患者の失禁日報でその経過を評価している。

カナビス抽出液を投与した被験者では治療開始から終了時には失禁症状が38%減少し、経口THCでも33%減少した。「この結果は、多発性硬化症患者の失禁にカナビスが臨床効果のあることを示唆している」 と研究者たちは結論づけている。

昨年発行された泌尿器科ジャーナルの 
臨床研究 でも,天然のカナビス抽出液が重度の多発性硬化症患者の尿の機能障害を緩和することが見出されている。治療8週間で患者たちの 「尿意逼迫、失禁症状の回数や量、頻尿、夜間頻尿などすべてについて著しく減少した」 としている。

以前行われた 別の臨床研究 でも、多発性硬化症や脊髄損傷の患者において同様の結果が報告されている。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at (202) 483-5500

Full text of the study, "The effect of cannabis on urge incontinence in patients with multiple sclerosis," appears in the March issue of The International Urogynecology Journal.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=6863


●合成THC、認知症患者の夜行性活動症を軽減
2006年3月 30日 - ドイツ・ベルリン発

今月発行された精神薬理学ジャーナルに掲載された臨床研究データによると、経口投与型合成THC (
ドロナビノール) が深刻な認知症やアルツハイマー病に苦しむ患者の徘徊などの夜行性活動を軽減することがわかった。

非盲検法による予備研究には12人の重度認知症患者が参加し、2週間にわたり1日あたり2.5mgの合成THCの処方を受けたところ、夜間の活動や興奮が際だって減少した。副作用は見られなかった。

ドロナビノールはアメリカ医薬品局の認証をうけた指定薬物第3表 (Schedule III) の薬物で、エイズ患者の体重減少の治療や、従来の制吐剤の効かない癌の化学療法患者の吐き気や嘔吐の治療に処方されている。

以前に行われた認知症患者への合成THCの 臨床研究 では、アルツハイマー患者において、興奮が緩和され、ネガティブな感情が減り、体重増進効果が示されている。

カナビノイドには、こうした症状の緩和作用の可能性の他にも、アルツハイマー病や筋萎縮性側索硬化症(ルーゲーリック病)などで 神経変性病の進行を遅らせる働き があることを示す証拠も出てきている。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at (202) 483-5500

Full text of the study, "Delat-9-tetrahydrocannabinol for nighttime agitation in severe dementia," appears in the March issue of Psychopharmacology.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=6862


●来週、第4回カナビス治療全国臨床カンファレンスが開催
2006年3月 30日 - アメリカ・カリフォルニア州サンタバーバラ発

患者支援の会 (
Patients Out of Time) とサンタバーバラ市立カレッジは、来週4月6〜8日にカリフォルニア州サンタバーバラで、第4回カナビス治療全国臨床カンファレンスを開催する。

カンファレンスの講演者には、トークショーのホストで医療マリファナ患者でもあるモンテル・ウイリアムス、ジョアン・ダンガーフィールド(ロドニー・ダンガーフィールド未亡人)、NORLM顧問委員の ミッチ・アーリーワイン 、アイオワ大学看護学科学部長のメラニー・ドレハーなどの各氏が名を連ね、世界中から臨床医や医療関係者も参加する。

今年のカンファレンスは、カリフォルニア大学・医療関係生涯教育サンフランシスコ事務所の公認も受けている。

Conference agenda and registration information is available online at: http://www.medicalcannabis.com/

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=6861