コロラド州修正44号住民条例案

明晰なドラッグ政策への第一歩

ガゼット・コロラドスプリングス社説

Source: Gazette, The (Colorado Springs, CO)
Pub date: November 03, 2006
Subj: Amend. 44 Step Toward Clear-Headed Drug Policy
Author: Editorial
http://cannabisnews.com/news/22/thread22351.shtml


より分別があり実際に機能する国のドラッグ政策の確立に向けて、長い道のりの第一歩が始まる。来週実施されるコロラド州修正44号住民条例案を支持するのはそのためだ。修正44号案の表現は、「21才未満の者が1オンス以下のカナビスを所持すれば2級軽犯罪とし、有罪になれば100ドル以下の罰金に処す」 というシンプルなものだ。

少し分かりにくいが、非常に複雑というわけでもない。しかしこの変更が実現すれば、司法制度でのドラッグ事犯の扱いが大きく変わる可能性がある。また、国に対して、コロラド州民がより現実的で理性的なドラッグ政策を求めていることを示す強いメッセージを送ることになる。

条文の意味するところは、成人のよる少量のカナビス所持を合法とし、未成年の所持や1オアンス以上の所持については従来通り違法で現行法で対処することになる。

今回の条例案は州だけにとどまらず、国家的影響も大きいことから、ホワイトハウスの麻薬撲滅長官も反対のためにコロラドを訪れている。修正44号案が認められれば、コロラドはカナビスを合法化した最初の州になり、州法は連邦法と衝突することになる。ドラッグ戦争当事者たちにとっては、そうなれば鎧に大きな亀裂が入ることが明白に分かっている。彼らは、そこから国中へ合法化の大洪水が起こることを恐れているのだ。

われわれは、これまで長い間、いわゆるドラッグ戦争の背景にある理由に疑問を投げかけ続けてきた。なぜ、あちこちで、多くの人を死に追いやり、刑務所を満杯にし、語られることのない苦しみを人々に与える行為を続けなければならないのか。

ドラッグの使用に対する現在の盲目的な禁止法は明らかに機能していない。それでも、一部の政治家たちや法執行当局、プロのドラッグ戦士たちは、少しでもドラッグの合法化へ含みのある選択肢については考えることさえ拒否する。しかし、修正44号案が通過すれば、少なくともこの問題に関する国家的議論の場が用意され、僅かでも解決に向けた道が開かれるに違いない。

修正案の賛成派は、カナビスの使用のほうが、合法的に飲めるアルコールよりも安全だと言う。また、飲酒と家庭内暴力との関連を指摘し、カナビスの場合は暴力の爆発は起こらないと主張する。一方、反対派は、提案が道を踏み外す理由として、カナビスの長期使用の危険性を指摘し、また、ドラッグの習慣を維持するために他の犯罪に走るとも主張する。

しかし、ここではその真偽についてを議論するつもりはない。どちらも本質的なポイントを外しているからだ。

自由意志論者のわれわれは、無責任な使用で他人の権利を脅かさない限りにおいて、大人が何を摂取しようとも政府が口出しすべきではないと考える。もちろん、このことは、違法ドラッグばかりではなく、合法医薬品やその他の合法製品であっても、見境がなく無責任な使用についてはこの限りではない。

政府はアルコールなどの使用を認めながら、一方でカナビスの使用を禁じている。これは、大人の選択に対する干渉だ。われわれには、このような行為が、恣意的で、筋が通らず、個人の自由を侵害していると映る。

一部の人に危険だからという理由でカナビスを禁ずることは、真の自由社会ではあってはならないことだ。政府の役割は、外部の敵からわれわれを守ることであり、相手はわれわれ自身ではない。確かに、カナビスの使用が全く無害ではないことは真実だ。しかし、生命を脅かすほどのリスクはほとんどなく、人々は自分で自由に選択することができなければならない。

数十年にわたってドラッグ戦争が続いているが、いまだドラッグは国中至るところで手に入れることができる状態は何ら変わっていない。このことは、現在の政策が機能していないことを証明している。今回の投票は、機能もしない政策を放棄するように政府に迫る最初の1歩としてよい機会になる。

われわれは、自由を愛する人々に、修正44号案に賛成投票することを要請する。