ニューヨーク

カナビス宅配が人気

Source: Associated Press
Pub date: November 06, 2006
Subj: Pot Users Relying on Home Delivery
Auther: Tom Hays
Web: http://cannabisnews.com/news/22/thread22361.shtml


ニューヨーク市内では、雑貨品からドライ・クリーニング、チャイニーズ・フードまで何から何まで宅配してくれる。カナビスもその例外ではなく、注文が増え続けている。供給を受け持つドラッグ・サークルは非常に協同的に運営されおり、その顧客の満足度の高さが注目を集めている。

そんな顧客のひとりであるクリスは、37才のマンハッタンのセールスマン。自宅から携帯の番号に電話をしていったん切ると、明るい声の係の女性が折り返し電話をしてくる。そこで、お気に入りの強力なカナビスの銘柄を注文するという仕組みだ。

「とても親切で配慮の行き届いた人たちだよ」 とクリスは言う。「暗黙の信頼性があって、ストリートで脅されて身ぐるみ剥されるような目を見るよりもずっといいよ。」

専門家によれば、カナビス宅配の人気が伸びているのは、他のドラッグのようなこんがらかった縄張り争いに巻き込まれることなく、簡単に手に入るように協同的なスタイルのサークルで上手に運営されているからだと言う。

こうした協同モデルとその収益性の高さは、昨年末にDEA(連邦麻薬局)が、カートゥーン・ネットワークという名前で呼ばれていた非常に洗練された組織を手入れして壊滅させたことで知られるようになった。DEAのエージェントは、盗聴と監視や囮の売買を使って12人の関係者を逮捕した。

捜査官によれば、ディラーたちはコール・センターをあちこち移動しながら、毎日600人の顧客に対応していたと言う。その中には、医者や弁護士、ウォールストリートのトレーダーなども含まれ、年中無休でクリスマスでさえ営業していた。当局は顧客たちの名前は公表しなかったが、先月行われた裁判の証言の中で、運び屋が上流階級の得意先もいたと豪語して、その一端が明るみに出てきた。

かつて、有線テレビのエンターティメント企業に勤めていたルシア(30)も顧客の一人だった。彼女は、マンハッタンにある本社で行われていた開けっぴろげな取引の様子を思いだしながら、重役や従業員たちが、ランチを注文するみたいにオーダーをまとめてから電話して、運び屋の到着を待っていたと言う。

「とってもいいバッズだったわ。よだれが出ちゃうほどよ。」

組織の黒幕といわれているジョン・ネベルは、弁護士のスティーブ・ジッソウのよれば、「フォーチュン誌500社にランクされる会社のCEO並の収入」 だったとされる。

ネブルの逮捕で、ルシアの会社の従業員たちは、会社も捜索されるのではないかと戦々恐々としていたが、いつのまにかそんなことは忘れて、他のディーラーに頼むようになったと言う。「品質はカートゥーンほどじゃなかったけどね。」

捜査官たちは、顧客の名前や住所をコンピュータのログから割り出しているが、当局は、そうした人が起訴されるケースはほとんどないと明かす。

当局では、カナビスの需要の高さと違反に伴う刑罰の低さのせいで、宅配取引はなくならないだろうと認めている。

ニューヨークの州法によれば、カナビス事犯は 「重大な犯罪とは見なされていません」と市の特別麻薬担当検事であるブリジット・ブレネンは語っている。「それが、カナビス宅配サービスが増える理由です。摘発されるのはごく僅かでしかありません。」