EU世論調査
26%がカナビス個人使用合法化に賛成
Angus Reid Global Monitor : Polls & Research
Pub date: December 23, 2006
先日発表されたEUの世論調査結果によると、EU全域でカナビスの個人使用の合法化に賛成の人が26%だった。大多数が反対しているものの、EUの主要国では支持が高くなっている。
調査は、2006年9月から10月に、EU全域25ヵ国に住むの15才以上の約3万人を対象にインタビューして実施された。調査項目は、今後のEUのあり方についての全般的なもので、その中で、同性婚や宗教や個人自由などとともに、カナビスの個人の使用を合法化すべきかどうかについても賛否を求めている。
結果は、オランダが賛成49%で最も支持が高く、次いでスペイン、イギリス、チェコが続いている。一方、カナビスに厳しい対応を取っているスエーデンやフィンランドでは賛成が少なかった。ここでは、EUに加盟していないスイスの統計が示されていないが、スイスの状況はスペインと似ているので、同じ程度だと思われる。
この調査の資料では、カナビス合法化が、規制してコントロールすることを意味しているのか、非犯罪化を対象としているのか、あるいは医療カナビスはどうかについては具体的に触れておらず、質問も、EU全域に関するもので自国に限定したものにもなっていない。
しかし、実際には、合法化のとらえ方は各国で大きく異なっている。例えば、現在、オランダでは少量の所持やコーヒーショップでの販売が容認され、医療カナビスも合法化されているので、オランダでの合法化は実質的には商用栽培が対象となっている。また、ドイツでは、この調査の数字は低かったものの、6月の医療カナビスに対する世論調査の際には 70%以上の人が支持 している。従って、調査の質問のオプションによって今回の数字はかなり変化することも予想される。
いずれにしても、このような調査が行われるようになったことが、ヨーロッパでカナビスに対する関心が急激に増えてきたことを示している。今年の夏に発表された国連薬物犯罪局(United Nations Office on Drugs and Crime)の報告書でも、世界中でカナビスの使用が増加傾向にあることが明らかになっている。(地図中の「変化なし」は、実質的に高どまり)
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World Drug Report 2006 (国連薬物犯罪局)