Weekly News

2006年8月31日


コロラド・カナビス条例、DEAの反対キャンペーン支出に非難の声
サウスダコタ裁判所、反対派司法長官の住民投票サマリーの書直しを命令
モンタナ州ミズーラ、カナビス「非優先化」市条例案が住民投票へ
カナビノイドがガンの痛みの治療に新境地を拓く



●コロラド・カナビス条例、DEAの反対キャンペーン支出に非難の声
2006年8月31日 - アメリカ・コロラド州・デンバー発

コロラド州では、11月に、州法修正44号案「
アルコール、マリファナ均等法案」の住民投票が予定されているが、連邦麻薬取締局(DEA)が税金と職員を使って反対する活動を行こなっている。これに対してコロラドのメディアは一斉に批判している。

DEA当局が住民投票案に反対するためにキャンペーンのプロを雇い入れようと画策している文章が、月曜に、ボルダー・デイリーカメラとAPなどを含む、いくつかのコロラド・メディアに掲載された。

早速,デンバー・ポストやロッキーマウンテン・ニュース、オーロラ・デイリーなどを含む各紙は、DEAのやり方を非難して、納税者の税金を使って州レベルの選挙にまで介入すべきではないという論評を掲げた。

ロッキーマウンテン・ニュースは 「州の住民投票に対して影響力を行使することは、連邦当局のすべき仕事ではない。DEAはキャンペーンをやめるべきだ。さらに来年には、連邦議会が、こうした類の妨害を当局に行こなわせない法を制定することを望む」 と書いている。

連邦法では、州の党派活動に影響するような公金の支出は禁じられているが、アメリカ政府当局が非党派問題に対してキャンペーンを行うことまでは禁じていない。これに対して、コロラドの州法では、いかなる政治活動に対しても州職員が州財源を使うことを禁じている。

今回の住民投票案は、SAFER(Safer Alternatives For Enjoyable Recreation)が提案しているもので、州の条項を修正して、21才以上の成人が合法的に1オンス以下のカナビスを所持できるようにすることを求めている。デンバー市では、昨年、同様の 市条例案 が54%で通過している。

For more information, please visit: saferchoice.org.

To listen to an interview with SAFER Campaign Director Mason Tvert, please download the August 14, 2006 edition of the NORML Audiostash.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=6998


●サウスダコタ裁判所、反対派司法長官の住民投票サマリーの書直しを命令
2006年8月31日 - アメリカ・サウスダコタ州ピア発

サウスダコト州では、医師の勧めでカナビスを利用することを合法化することを求めた住民条例案が提出されていたが、巡回裁判所は、州の司法長官のサマリー記述には偏見を抱かせる部分があるので書き直すように裁定を下した。

マックス・ゴルス裁判官は、州側で当初まとめた 
新規条例案4号 のサマリーの中に、暗に「司法長官が有権者に法案を拒絶するように望んでいる」 ことをほのめかす記述が含まれていると認定し、「司法長官は自分の政治信条を前面に出すことは控えるべきで、条例の文案にバイアスをかけず客観的なものにすべきだ」 と言い渡した。

住民投票を提案したのは サウスダコタ・セーフアクセス で、州の認定した患者が医療目的のためにカナビス6本と1オンスまで所持するできるようにすることを求めている。また、患者が認定を受けるためにはカナビスの利用を認めた医師の推薦と州保健局への登録が必要だが、未認定の患者や制限以上のカナビスを所持している認定患者の場合は、裁判で医療の必要性にもとずいた「肯定的な弁護」のオプションを使えることも求めている。

条例案の推進者たちは、司法長官の条例案に関する説明の中には、州法に従って推薦した医師が連邦から告発される可能性について言及した誤った記述もあると非難している。

現在までのとこる、アラスカ、カリフォルニア、コロラド、ハワイ、メイン、モンタナ、ネバダ、オレゴン、ロードアイランド、バーモント、ワシントンの 11州 で同様の条例が制定されている。そのうち、8州が住民投票で成立している。

Full text of the decision is available online at: sodaksafeaccess.org.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=6999


●モンタナ州ミズーラ、カナビス「非優先化」市条例案が住民投票へ
2006年8月31日 - アメリカ・モンタナ州ミズーラ発

先週、モンタナ州ミズーラ郡の選挙事務所は、カナビスに対する法執行の優先順位を最も低くする市条例案を11月の住民投票にかけることを承認した。

市条例案2号を提案したのは「
責任ある犯罪政策を求める市民の会 」で、成人のカナビス・ユーザーに対する捜査や召喚、逮捕などに関連した市警察の活動の最下位優先にすることを求めている。さらに、警察の活動でカナビスの執行が最下位に維持されているかをチェックするコミュニュティ監視委員会の設置も求めている。

シアトルでは、2003年に 同様な条例案 が通過し、市全体でカナビスの逮捕者数は75%減少している。

この秋には、カリフォルニア州の、サンタバーバラサンタモニカサンタクルズ でも同様の「非優先化(deprioitization)」条例案の住民投票が行われることになっている。

For more information, please visit: responsiblecrimepolicy.org.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7000


●カナビノイドがガンの痛みの治療に新境地を拓く
2006年8月31日 - アメリカ・フロリダ州ゲーンズビル

今月号のペイン・ケア薬物療法ジャーナルに掲載された研究レビューによると、天然のカナビノイドおよび内因性のカナビノイドには、ガンの痛みに対して現在使われている医薬品よりもはるかに高い治療可能性のあることが示された。

レビューの著者は、「カナビノイドのアゴニストには、侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、炎症性疼痛、に対して効果あることが確かめられており、ガン患者に共通して見られる痛みのすべてに対応している。現在の薬剤でこれら3つのすべてに確実な効果のあるものはなく、その点で、カナビノイドには他に見られない治療可能性がある」 と書いている。

ガン患者の25〜40%は神経障害性の痛みを経験しているが、現在利用できる鎮痛剤で一貫した効果を持っているものはない。

2005年に 
GW製薬 が発表した臨床研究データ によると、178人の進行ガン患者の痛みに対して、天然カナビス抽出経口スプレー(サティベックス)には、プラセボに比べて著しい痛みの緩和効果が見られたと報告している。

カナダ保険省でも、多発性効果症にともなう神経障害性疼痛の治療にサティベックスを処方することを 認可 している。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at (202) 483-5500.

Full text of the study, "Cannabinoids in cancer pain management," appears in the August issue of the Journal of Pain & Palliative Care Pharmacotherapy.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7001