イギリス、カナビス使用者数が急減
リベラルな政策で過去10年の最低水準に
Source: The Independent
Pub date: 14 October 2006
Subj: Liberal approach pays off as use of cannabis drops to 10-year
Author: Jason Bennetto, Crime Correspondent
http://www.ukcia.org/news/shownewsarticle.php?articleid=11779
昨日、イギリス内務省が発表したデータによると、カナビスがB分類からC分類にダウングレードされた3年前から、イングランドとウエールズでカナビスの人気が急落しユーザーが60万人も減った。この数字は、リベラルなドラッグ政策がカナビスの使用を増加させる、とダウングレード時に盛んに叫ばれた批判とは逆の結果になっている。
ドラッグの使用は、A分類のコカインが上昇したのを除き、ヘロインが横ばいで、その他は全般で減少している。こうした減少の理由とすれば、カナビスには精神病を引き起こす危険性があるという認識が広まったことや、カナビスの乱用がアルコールの乱用に置き換わったことなどがあげられている。
イングランドとウエールズの16才から59才までの人が、2006年4月以前の1年間にカナビスを使ったのは277万5000人で、全体の8.7%だった。これらの数字は、10年前にイギリス犯罪調査が始まってから最も低いレベルになっている。
この減少が始まったのは、2002〜3年の10.9%(340万人)のピークからで、それ以前の1998年では10.3%(310万人)で横ばいを続けていた。
また、最もカナビスの使用が一般化している16才から24才に限っても著しい減少が見られ、1998年の28.2%から、昨年は21.4%(133万8000人)に下がっている。
カナビス所持に対する罰則が緩められたのは2004年1月で、当時のデビッド・ブランケット内務大臣がB分類からC分類にダウングレードし、それ以来、警察は大半のケースでカナビスの所持を逮捕しないで処理するようになった。
この規則の変更に対しては、多くの若者たちが合法化されたと誤解してカナビスを使うようになると非難があがった。また、ドラッグ・ディーラーたちもこれに乗じて活発化すると叫ばれ、内務省は、分類を元に戻すべきだという圧力に晒らされた。
ドラッグ法の改革に取り組むドラッグスコープのマーチン・バーネス代表は、「ここ10年近く横ばいだったカナビスの使用が最低レベルまで減少を続けているいう事実は、カナビスをC分類にダウングレードしたことが良かったことを示す大きな証拠です。一部の人たちは、いまだに、規則の変更がカナビスの使用の増大を招くと警告していますが、実際には逆のことが起こったのです」 と語っている。
「この減少の理由は、カナビスの害の可能性についての認識が高まったことによると思われます。カナビスが精神の状態を悪化させるトリガーになることもあるという事実を知って、人々のカナビスに対する態度が変わったことがあげられます。また、別の説明とすれば、アルコールの使用が増加して、その分、カナビスをやらなくなる人も増えたことが考えられます。」
しかしながら、カナビスが最も使われているドラッグであることには変わりなく、2005〜6年の8.7%に対して、2番目のコカインは2.4%(77万6000人)、次いで、エクスタシーが1.6%(50万2000人)、アンフェタミンが1.3%で続いている。それらに比較すれば、ヘロインは3万9000人ではるかに少なくなっている。
また、今回の報告書では、イングランドとウエールズの16才から59才までの人で、過去に違法ドラッグを使った経験のある人は1100万人と見込まれ、この1年間に限ると350万人以下となっている。
現在、アンフェタミンはB分類になっているが、政府は、最も危険とされるA分類にアップグレードする意向を示している。A分類になると、売買では最高で終身刑、所持で最高7年の懲役刑が科せられることになる。
|