Weekly News

2006年10月19日


イギリス、カナビスのダウングレードで使用率が急降下
多発性硬化症患者の調査、カナビスで症状の緩和を自覚
不定期カナビス使用の毛髪検査検知率は低い


●イギリス、カナビスのダウングレードで使用率が急降下
2006年10月19日 - イギリス・ロンドン発

今週、イギリス政府が発表した 「
2005-2006犯罪調査報告書」 によると、2004年に内務省の決定で カナビスの所持がダウングレード されて逮捕の対象にならなくなって以降、イギリス人のカナビス使用(自己報告にもとずく)が格段に減少している。

報告書では、一般市民のカナビス使用がここ10年の最低のレベルに下がっているが、減少が顕著になったのはダウングレードされた2003年からであることが示されている。また、16才から24才までの若者に限ると、1990年代末からカナビスの使用は目立って減り続けており、過去1年間にカナビスを使った割合は21%となっている。

これに対して、アメリカ保健社会福祉省が2006年に発行した 統計 によると、18才から25才までのアメリカの若者が過去1年間にカナビスを使った割合は28%になっている。

今回の報告書について、イギリスのシンクタンクである ドラッグ・スコープ のマーティン・バーネス代表は、「カナビスの使用がこの10年で最低レベルに下がり続けているという事実は、C分類にダウングレードするとうい決定が正しかったことを証明しています。一部の人たちは、ダウングレードでカナビスの使用が増えるといまだに叫んでいますが、実際にはその逆になっています。減った原因は、カナビスに対する害の認識が広まったからだと思われます」 と述べている。

イギリスでは、2004年のカナビスの分類見直しが行われてから、個人使用目的でのカナビス所持は 通常は警察のよる注意 だけで、逮捕されなくなっている。

For more information, please contact Allen St. Pierre, NORML Executive Director, or Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at (202) 483-5500.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7073


●多発性硬化症患者の調査、カナビスで症状の緩和を自覚
2006年10月19日 - イギリス・ロンドン発

近刊予定の多発性硬化症ジャーナルに掲載された調査データによると、イギリスの多発性硬化症患者のおよそ半数がカナビスを試した経験している。また、8人に一人が現在も症状の緩和にカナビスを使っていることが分かった。

この調査では、多発性硬化症患者250人以上が回答を寄せているが、全体の43%の人がカナビスを使ったことがあり、その半数以上は、多発性硬化症と診断された後にカナビスを使い始めている。

また、調査時点では、回答者の12%が治療のためにカナビスを使っていた。その80%は、カナビスが多発性硬化症にともなう痙縮や睡眠障害や目まいに有効だと答えている。

以前実施された調査 でも、多発性硬化症患者の14〜16%がカナビスを治療に使っていると報告している。

また、多発性硬化症ジャーナルに掲載された別の長期研究では、カナビスをベースにしたスプレーである サティベックス を最高で80週間使った実験で、多発性硬化症にともなう痛み、痙縮、膀胱失禁を緩和することが報告されている。さらに治療の延長を希望する患者に投与を続けたところ、薬に対する耐性が上昇したり、中毒症状を起こすことなく治療効果が継続して得られることも示されている。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at (202) 483-5500.

Full text of both studies, "Cannabis use in patients with multiple sclerosis" and "Long-term use of a cannabis-based medicine in the treatment of spasticity and other symptoms of multiple sclerosis," will appear in the forthcoming issue of Multiple Sclerosis.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7074


●不定期カナビス使用の毛髪検査検知率は低い
2006年10月19日 - アメリカ・メリーランド州・バルチモア発

国際法医学ジャーナルの先行オンライン版に掲載された調査データによると、毛髪を使ったカナビノイドやその代謝物のドラッグ・テストでは、たまにカナビスを使う人の場合は検知されにくいことがわかった。

調査では、カナビスを使った経歴が文書で残っている38人の男性が参加しているが、このうち毎日使っている人の85%は、THCまたはTHC代謝物のいずれかが毛髪テストで陽性になったが、これに対して、1週間に1〜5回の人では52%が陽性になっただけだった。

また、調査期間に経口投与でカナビスを摂取した被験者の毛髪テストでは、カナビノイド代謝物で陽性を示すことはなかった、と書かれている。

以前の研究では、特にコカインなどのドラッグでは、髪の毛の色が濃い人の方が毛髪テストに反応しやすいとされてきたが、今回のカナビスの検知率に関しては、白人とアフリカ系の人との間には差は認められなかった。

毛髪テスト は、毛包に血液から僅かに侵入してきたドラッグの代謝物の存在を検知するもので、唾液や尿テストに比較すると、かなり以前の代謝物でも検知できると言われている。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at (202) 483-5500.

Full text of the study, "Cannabinoid concentrations in hair from documented cannabis users," appears online on the Forensic Science International website.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7075