Weekly News
2007年1月18日
●サティベックス、臨床試験で神経性疼痛の治療効果を確認
2007年1月18日 - イギリス・ソールズベリー発
イギリスのバイオ企業GW製薬が今週発表した2組の臨床試験の結果によると、カナビスの抽出医薬品を使うと、従来の標準的な鎮痛薬に比較して神経障害性の痛みのより対処しやすくなることが明らかにされた。
臨床試験には、神経システムが損傷を受けて末梢神経障害になった250人以上の患者が参加して、2種類のプラセボ対照実験が行われた。参加者には、カナビスの抽出カナビノイドであるTHCとCBDを正確な量で摂取できる経口スプレー・サティベックス、あるいはプラセボのいずれかが与えられた。
最初の実験では、通常の無痛覚刺激で痛みに反応を引き起こす異痛症で厳しい痛みを抱える患者に対して、「痛みのコントロールで臨床的に顕著な改善と、睡眠の質の向上が得られた。」
2番目の実験では、糖尿病性神経障害患者がサティベックスの投与後、疼痛スコアが平均で30%改善され、痛み直後に投与した場合、50%以上の改善を記録した患者が3分の1に達した。
これらの結果について、GW製薬は、「このような対処の最も困難な人たちに対しても、サティベックスは従来から行われている治療よりはるかに大きな改善をもたらした」 とプレスリリースで述べている。
以前に行われたサティベックスの臨床試験では、多発性硬化症と ガン に関連した神経性疼痛の発生を減らすことが示されている。現在、サティベックスは、多発性硬化症の神経障害の治療に処方医薬品としてカナダで利用できる ようになっている他、輸入のみという制限内でスペイン とイギリスでも使えるようになっている。
神経障害に喫煙カナビスを使ったアメリカの臨床研究結果についても、この春に出版されることが予定されている。2004年にサンフランシスコで開催された第11回レトロウイルス・カンファレンスで発表された 予備実験の結果 では、HIVに伴う神経障害に痛みに苦しむ患者の30%に緩和効果が得られている。
神経性疼痛に苦しむ人は世界人口の1%と推計されており、一般に、従来から利用されているオピオイドやイブプロフェンのような非ステロイド系抗炎症剤では十分な効果が得られない。
●連邦当局、ロスの医療カナビス・ディスペンサリーを一斉手入れ
2007年1月18日 - アメリカ・カリフォルニア州ロスアンジェルス発
最近、1996年にカリフォルニアで医療カナビス条例215が成立して以来、連邦麻薬局(DEA)は最も高圧的な取締りを始めたが、
、昨日その一環として、連邦の捜査官がロソアンジェルス郡にある11件の医療カナビス・ディスペンサリーを家宅捜査した。
ロスアンジェルス・タイムス紙のよると、連邦捜査官は、西ハリウッドにある5軒のディスペンサリーを同時に急襲し、続いてベニス、ハリウッド、シャマン・オーク、ウッドランド・ヒルでも手入れを行った。政府当局者がタイム紙に語ったところによると、尋問のために20人以上が拘留されているが、まだ起訴までは至っていない。DEAの広報官は、この捜査で、数百本の植物と数千ポンドのカナビスを押収したと述べている。
昨日の家宅捜査について、NORML法務委員会 のブルース・マーゴリン委員(ロスアンジェルス)は、NORMLオーディオスタッシュ のインタビューで、「政府は平静を失って権力を振り回し、ディスペンサリーを閉鎖した。彼らは、カリフォリニアやその他の州の医療カナビスの供給を本気でストップしようとしているのだろうか? 私にはそのようには思えないが、いずれにしても患者さんが安全に薬を買うことのできる場所がつぶされたこととで、薬を求める患者さんたちはブラック・マーケットに行かなければならなくなってしまった。」
家宅捜査が行われたのは、西ハリウッド市とロスアンジェルス市が市内で開業できる医療カナビス・ディスペンサリーの店舗数を決めた法案を承認してから、数時間も経っていなかった。
●エンドカナビノイドが胃潰瘍を抑制する
2007年1月18日 - ポーランド・クラフク発
生理薬理学ジャーナルの最新号に掲載された臨床前データによると、体内で自然生成されるカナビノイドの一種である アナンダミド を投与したところ、ストレス性の胃潰瘍の進行を抑制することが分かった。
ポーランドのヤギロエ大学医学部とドイツのエアランゲン・ニュルンベルグ大学の研究チームは、ラットにアナンダミドを投与したところ、投与量に比例して潰瘍が目立って減少し、さらにアナンダミドの投与に伴って、胃の粘膜の血流が増加したと報告している。胃の血流は、胃に内壁を保護し修復する最も根本的な役割を担っている。
研究者たちは、カナビノイド・レセプターの合成アンタゴニスト(ブロッカー)を投与したところ、胃の損傷が促進され、アナンダミドの保護効果が阻害されることも見出している。また、急性の膵臓炎のラットにアナンダミトを投与した場合も、病気の症状が悪化すると報告している。アナンダミドは、病気でなっていないラットに対しては、膵臓組織の形態に変化を与えることなく、炎症性の血漿レベルを増加させた、としている。
以前に行われた臨床前研究では、消化器の 理想的な治療ターゲット としてエンドカナビノイド・システムを使えそうな疾患として、過敏性腸症候群などの各種腸疾患、クローン病、大腸炎があげられている。エンドカナビノイド・システムを利用した動物実験では、胃腸の運動が抑制され、胃酸の逆流が減って、炎症が抑えられている。また人間の組織を使った実験でも組織の修復が促進されることが示されている。
さらに最近の研究では、ミネソタ州のメイヨ・クリニックの研究者たちが、人間にTHCを単回投与したところ、プラセボの比較して著しく胃けいれんが減ったと報告 している。
|
or visit: http://www.gwpharm.com
Source: http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7154