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2007年11月15日


サティベックスの長期投与試験、耐性なしで痛みの治療効果を確認
連邦の報告書、カナビス市場は供給過剰気味で価格は低下傾向
今月末、第24回NORMLキーウエスト法学セミナー開催



●サティベックスの長期投与試験、耐性なしで痛みの治療効果を確認
2007年11月15日 - イギリス・リバプール発

臨床治療学ジャーナルに掲載された臨床試験データによると、天然のカナビス抽出液を含んだ経口スプレー、 
サティベックス の多発性硬化症患者への長期間投与で、耐性上昇を起こすことなく神経因性疼痛が緩和されることが示された。

この研究は、対照臨床試験後に2年間延長して行われた非盲検試験で、28人の患者が最後まで参加している。その結果、毎日のサティベックスの要求服用量は減少していき、痛みの中央スコアが低くなればなるほど、長期間にわたって服用を続ける傾向が見られたと報告している。

また、研究者たちは、サティベックスの投与によって他の鎮痛薬の使用が以前より増えることはなく、参加者の一部では、サティベックスを使っている間はそれまで使用していた鎮痛医薬品の使用量を減らすか中止する患者もいたと報告している。多発性硬化症にともなう神経因性疼痛には、患者の4人に1人以上が苦しんでいるとされている。

「中枢神経系の痛みを持つ多発性硬化症患者の2年間にわたる治療を終えた結果では、サティベックには耐性上昇を伴わずに治療効果があることが認められた。……少なくともこの2年間の実験では、サティベックスの使用自体が、他の鎮痛薬の使用の増加の原因になるようなことはなく、……さらに、患者の間には、効果が持続していることを示す間接的な調査結果も残されている。」

以前にサティベックスの長期使用の効果を調べた 研究データ では、多発性硬化症患者の痙縮と膀胱の機能障害が軽減したことも示されている。

今回の延長臨床実験について、NORMLのポール・アルメンターノ・シニアアナリストは、特別に注目すべき結果が出ていると指摘して、次のように語っている。

「多発性硬化症は、慢性的な変性疾患で症状は時間とともに悪化していきます。したがって、当初の痛みのレベルを維持するためには、薬の毎日の服用量を増やさなければならないと考えられています。しかし、この実験の患者さんたちは、耐性が上昇して量を増やすこともなく治療効果を得ています。この結果で重要なことは、カナビノイドには実際に病気の進行を阻止する働きを示すエビデンスが得られたことです。」

この8月には、カナダの保健当局が、癌の痛みに苦しむ成人の患者の補助療薬の一つとして、サティベックスを 認可 している。カナダ当局は、それ以前にも、サティベックスを多発性硬化症の神経障害用の処方医薬品として 認可 している。また、サティベックスを製造しているイギリスのGW製薬では、イギリス、EU、アメリカでも医薬品の認可申請をしている。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at: paul@norml.org.

Full text of the study, "Oralmucosal delta-9-tetrahydrocannabinol/cannabidiol for neuropathic pain associated with multiple sclerosis: an uncontrolled, open-label, two-year extension trial," appears in the September issue of Clinical Therapeutics.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7426


●連邦の報告書、カナビス市場は供給過剰気味で価格は低下傾向
2007年11月15日 - アメリカ・ワシントンDC発

アメリカ麻薬情報局(NDIC)が発表した2008年の「ドラッグの脅威評価」レポートによると、ここ数年で国内のカナビス生産が劇的に上昇し、今後小売価格が下がってくることが予想されている。

報告書では、「最近では、アメリカ国内でのカナビスの栽培とカナビス製品の生産が増加しているのに加えて、これまでと同様に外国からのカナビスの流入も続いていることから、主要な市場での供給が過剰気味になっており、カナビスの価格が大幅に低下する可能性がある」 と指摘している。

また、報告書によると、2000年以降、警察当局の押収した国内のカナビス植物の本数は280万本から520万本に増加している。これらの結果について報告書では、カナビス生産が著しく増加しているのは売買目的の栽培が室内に移行して1年間の収穫本数が増えているためではないかと書いている。

さらに、室内栽培による品質の上昇で、「カナビスの需要についてはあまり変化していないが、今では、ユーザーは大量生産された通常のものよりも効力の強いカナビスを好むようになってきている」 と指摘している。しかしながら、報告書では、現在アメリカで入手できる大半のカナビスは、依然として、メキシコで大規模生産された低品質のカナビスが主流になっていると結論づけている。

2006年の集計結果では、アメリカの南西国境地帯で押収されたカナビスは1100トンになっているのに対して、カナダ国境での押収量は4.2トン以下にとどまっている。

国内のカナビス生産では生産では、相変わらずカリフォルニア州は他の州を圧倒しており、今年に入ってから警察が除去したカナビスは 
290万本 と見積もられている。この本数は、2005年に除去された全本数の4倍以上で過去最高になっている。

カリフォルニア州では、レイク郡、ハンボルト郡、シャスタ郡の押収量が上位を占めている。

For more information, please contact Allen St. Pierre, NORML Executive Director, at (202) 483-5500, or Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at: paul@norml.org.

Full text of the NDIC report, "National Drug Threat Assessment 2008" is available online at: http://www.usdoj.gov/ndic/.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7427


●今月末、第24回NORMLキーウエスト法学セミナー開催
2007年11月15日 - アメリカ・ワシントンDC発

今月の終わりの29日(木)から12月1日(土)の3日間にわたってフロリダ州キーウエスト中心にあろピア・ハウス・リゾート&カリビアン・スパにおいて、開業弁護士を対象に 
第24回NORMLキーウエスト法学セミナー が開催される。(参加登録は現在でも可能)

今年のカンファレンスで取り上げられるトピックには、警察のロードサイド検問での憲法上の制約、ドラッグ事犯での陪審への特別注意事項、医療カナビスの合法供給をめぐる現在の動向、など盛り沢山の話題が用意されている。カンファレンスの議題と講演者の略歴については、NORMLのサイト で見ることができる。

NORMLの定例法学セミナーは、弁護士資格保持にために新しい法律への知識や技能についてアップデートすることを求めている各州の連続法律教育(CLE)に完全に対応したものになっている。

For more details, or to register for the conference online, please visit: http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=5341.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7428