カナダ保健省

医療カナビス処方削減を医師に要請

Source: Canoe Cnews (Canada)
Pub date: June 19, 2007
Subj: Health Canada moves to keep
daily medical marijuana consumption low
Author: Dean Beeby
http://cnews.canoe.ca/CNEWS/Canada/2007/06/16/4266002-cp.html


カナダ保健省は、医師に対して、政府認定の医療カナビス患者にカナビスの処方を場合に摂取量を低く保つように指導するように要請していたことがわかった。

これに対して、一部のユーザーから、医師と患者間の信頼性を犯すばかりではなく、実際には会ったこともない人々の医療の必要性の判断について官僚が介入するのは間違っているという非難の声が上がっている。

ビクトリア州の医療カナビス患者トニー・アダムスさん(60)は、「個人の医療は、患者と医師の問題であって、自分の会ったこともない中央政府の官僚が口出しすべきことではありません。人それぞれで必要な薬の量は違うのです」 と言う。

激しい関節炎と椎間板ヘルニアに苦しむアダムスさんは、これまで1日に7グラムのカナビスを吸っていたが、最近、医師の承認を添えて10グラムに増やすように保健省に申請した。保健省では、1日1グラムに必要な植物の本数を5本と定めているが、アダムスさんが10グラム相当の本数を合法的に栽培するためには、中央政府の認可が必要とされている。

しかし、当局から、アダムスさんの医師に、大半の患者は5グラム以上は必要ないはずだという電話があり、結局、1日5グラムだけ認めるという新しいライセンスが送られてきた。

「連中のやることには本当に頭に来ます・・・蹴飛ばしてやりたい。」

オンタリオ州のバーリントンに住むアリソン・メイダン(43)さんも同様で、1日20〜28グラムの申請に対して、彼女の医師は保健省から文句をつけられた。

「1度ならず何度も減らすように言ってきましたが、主治医と私は拒絶しています」 とメイダンさんは語っている。彼女は、多発性硬化症や痛みの症状にカナビスを使っている。保健省に言いたいことはと尋ねると、「保健省は医師に口出しするな」 という答が返ってきた。

保健省では、最近、1日の摂取量を5グラグ以下に留めるように呼びかけるキャンペーンも始めた。ウエブサイトでは、外部の調査や研究で、大半のユーザーが、 「食べるか吸うか、あるいはその双方であっても」 1日1〜3グラムで足りているとする記事を掲載している。

また、別の記事でも、カナダの認定患者の85%以上の人は1日5グラム以下しか使っていないと書いている。

さらに、医師に送られてきたファクト・シートでは、「摂取量を1日5グラム以上に増やすと、心臓血管や肺、免疫システム、精神運動機能に悪影響を与えるリスクが高まり、依存性に陥る可能性もある」 と警告している。

保健省は、カナダ医師会にも書簡を送り、医師たちに1日の使用量の適正化について指導するように要請している。

また、保健省のレニー・ベルシェロン広報官も、摂取量の最終的な決定権は医師にあるとしながらも、「保健省では、医療カナビス・プログラムに関する情報を確認したり明確にしたりできるように、機会を見て医師に連絡を取っています」 と述べている。

「こうしたやりとりの一環として、医師以外の医療関係者たちもより多くの情報を得られるように、ウエブサイトでも1日の摂取量に関する情報を掲載しています。」

摂取量を下げるように求めた最近のキャンペーンは、犯罪活動を促しているのではないかという懸念から始まった。例えば、昨年の秋に、チャック・スラール農務大臣の選挙区のあるブリティシュコロンビス州のチリワック・フレイザー・キャニオンに住む人物から保健省に苦情の手紙が届いた。

情報入手法によって明らかにされたトニー・クレメント保健大臣に当てた11月20日付けのメモには、「情報主は、近所の人が医療目的で多量のカナビスを栽培しているために自分の家族や近隣住民が危険にさらされている、と繰り返し訴えている」 と書かれている。

続けてメモでは、摂取量を減らすための保健省の取組みに言及して、「当初の医師たちからの反応が前向きであれば・・・栽培するカナビスの本数に間接的に影響を与えることができると思われる」 と指摘している。

また、認定患者や栽培者をモニターするために、保健省が全国8地域に監視指導官を配置することにも触れている。ベルシェロン広報官によれば、すでに5地域には配置が完了しており、残りのオンタリオ州とアルバータ州でも近々に決まることになっている。係官には栽培現場を調べる権限が与えられ、問題があれば警察に知らせることになっていると言う。

先月の時点では、1774人が医療カナビスを使うためのライセンスを取得しているが、そのうち約1000人が自分で栽培している。その他に、患者に代わって栽培するライセンスを持っている人が166人いる。残りの538人は、政府が契約しているマニトバ州フリン・フロンの会社で栽培された政府製の医療カナビスを購入している。

カナダ保健省が医療カナビス・プログラムに取り組んだのは、やむなく裁判所の命令に従わざるを得なかったからだが、保健省では、2007年以降のある時点で、患者自身での栽培は終わらせ、すべての患者が政府のカナビスを使わなければならないようにプログラムを変更し、薬局で購入してもらう計画を立てている。