学校のドラッグテストはゲートウエイ

生徒は探知期間の短いハードドラッグを選ぶ

Source: Chronicle Blog
Pub date: September 04, 2007
Title: Drug Testing Encourages Cocaine, Heroin, and Meth Use
Auther: Scott Morgan
http://stopthedrugwar.org/chronicle_blog/2007/sep/04/drug_testing_encourages_cocaine_


反ドラッグ活動家のデビー・フラワーさんは、自分の息子がヘロインのオーバードーズで亡くなってから、学校のドラッグテストを声高に求める支持者になった。
数週間前、フラワーさんは、ホワイトハウス麻薬撲滅対策室(ONDCP)の要請で議会の公聴会で証言を行った。

「私は、大統領の基金で学校のドラッグテストを助成することに賛成します。そのために多大な努力もしてきました。」 (トリビューン・デモクラット
彼女は息子さんの死がヘロインと関係していると理解しているようなので、確かに、活動の動機については非常によく理解できる。だが、不幸なことに、ドラッグテストが最も危険なドラッグであるヘロインの使用を促しているという事実には気づいていない。

学校で使っているドラッグテストはほぼ例外なく安価な尿テストで、コカイン、ヘロイン、アンフェタミンといったハードドラッグについては摂取後2〜3日しか 検知 することはできない。

実際、生徒たちは、そうしたドラッグを金曜の夕方にやれば月曜日にドラッグテストされても検知されないことを知っている。つまり、抜き打ちドラッグテストをやってもハードドラッグの使用を思いとどめさせるためには何の役にも立たっていないどころか、不幸にして、しばしば全く逆の作用を及ぼしている。

これに対して、最も広く使われている違法ドラッグであるカナビスの場合の探知期間は最大1ヵ月と長い。抜き打ちドラッグテストが実施されるようになると、生徒たちの間には、テストされてもどのドラッグなら「安全」なのかという情報が行き渡ることになる。その結果、カナビスからより検知されにくい危険なハードドラッグへと移行することになる。

ドラッグテスト支持者はこのことにいまだ気づいていないが、自分は、クラスメートがドラッグテストを恐れてカナビスよりもハードドラッグを求めている姿を直に目撃して、それが事実であることを知った。カナビスの代替品とすればアルコールが最もポピュラーだが、他のハードドラッグも負けていない。「ドラッグテストを無事済ませたいんだろ?」 という決め台詞がハードドラッグのセールスポイントになっている。

これがドラッグテストの真実の姿で、若者たちはそれに影響されて意思決定を行っている。もちろん私の意見をドラッグ擁護者の偏見に満ちた戯言だと決めつけて無視することもできる。

しかしドラッグテストは、非常に単純な客観的な理由によって、より検知されにくくより危険なドラッグを試してみようとするゲートウエイになっていることは間違いない。もし、ドラッグ防止運動に取り組んでいる人たちが、学校でドラッグテストを実施しても 実際には若者のドラッグ使用が減らない 理由を知りたいと思うのであれば、ドラッグテストがゲートウエイになっているという事実に目を向ける必要がある。