Weekly News

2008年1月31日


アメリカ大統領選のオバマ候補、カナビス法の非犯罪化を支持
アメリカの研究者がカナビノイドの癌治療可能性を強調
ネブラスカ州議会、軽微なカナビス所持違反の再犯罪化を検討



●アメリカ大統領選のオバマ候補、カナビス法の非犯罪化を支持
2008年1月31日 - アメリカ・ワシントンDC発

アメリカ大統領候補である民主党のバラク・オバマ上院議員が、2004年にノースウエスタン大学で、連邦のカナビス法を非犯罪化することを呼びかけた 
ビデオ が見つかり、ワシントン・タイムズがインターネットに公開した。この中でオバマ議員は、「私の認識では、ドラッグ戦争は失敗しています。われわれはこれまでの考え方を改めて、連邦のカンビス法を非犯罪化する必要があると思います」 と語っている。さらに続けて、非犯罪化は支持するが、カナビスの全面合法化までは支持しないとも加えている。

しかし、昨年行われた民主党予備選挙の討論会で、MSNBCの司会者のティム・ラッサルトが、非犯罪化への支持を表明したクリス・ダッド候補に反対の人は手を上げてくださいと問いかけたときに、オバマ候補は手を上げて非犯罪化には反対している。しかしビデオには、オバマ候補が、ためらうように半分まで手を上げて、すぐに下ろす仕草が映っている。

この相反する意志表示についてオバマ陣営の選挙対策本部は、オバマ議員は「常に」非犯罪化を支持しており、討論会での挙手は質問の意味を取り違えたものだと説明している。同時に対策本部は、完全合法化には反対しているとも繰り返している。しかし、オバマ政権では、「ドラッグ裁判のあり方を見直して、犯罪に適切に対応し、暴力をともなわない事犯に対する不明朗で非生産的な判決を減らす」 とも表明している。

NORMLのアレン・ピエール事務局長は、「有力な大統領候補の中でオバマ候補だけが勇気を持って、今こそ節度あるカナビス・スモーカーを犯罪者として扱うことをやめる時だ、という意志を明確にしたことになります。最近実施されたCNN・タイムワーナーの世論調査では、アメリカ人の78%がオバマ候補と同じ考えであることが示されています。また、昨年1年間にカナビスを使った人が4800万人だったことも示されています」 と話している。

民主党の対立候補であるヒラリークリントン議員の選挙陣営では、非犯罪化には反対であることを表明している。一方、共和党側では、マケイン候補が非犯罪化に反対、前マサチューセッツ州知事のミット・ロムニー候補は、非犯罪化とともに医師による医療カナビスの推薦処方にも反対している。

For more information, please contact NORML Executive Director Allen St. Pierre at (202) 483-5500.

The Washington Times story, along with video of the two appearances referenced above, are available online at: http://www.washingtontimes.com/apps/pbcs.dll/
article?AID=/20080131/NATION/896961936/-1/RSS_NATION_PO
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Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7499


●アメリカの研究者がカナビノイドの癌治療可能性を強調
2008年1月31日 - アメリカ・ミシガン州マジソン発

カナビノイドには癌細胞の増殖を抑制する機能があり、化学療法薬として臨床試験を実施すべきであるとするアメリカの研究者のレビューが癌研究ジャーナル1月号に発表された。

ウイスコンシン大学医学・公衆衛生学部の研究チームは、カナビノイドの投与で、
脳癌前立腺癌乳癌肺癌皮膚癌, 膵臓癌リンパ腫 などを始めとする幅広い癌の増殖を止めることができることが示されており、さらに、カナビノイドには、毒性がなく、しかも健康な正常細胞を避けて悪性細胞だけを標的にする特徴があり、従来の標準的な化学療法よりもはるかに優れた治療法をもたらす可能性がある、と結論づけている。

「カナビノイドの一部には……炎症や悪性細胞の増殖・生存を抑制する能力があり、制癌剤として応用できる可能性がある。癌治療の化学療法薬として研究する価値のあることを示すエビエンスには枚挙に暇がない。」

昨年の11月には、カリフォルニア・太平洋医学研究センターの研究者たちが、非精神活性カナビノイドであるカナビジオールが乳癌の転移遺伝子Id-1の活動を抑え、「攻撃的な癌の治療に際して、従来の化学療法の痛ましい副作用を全く伴もなわない無毒治療法を提供できる期待がもてる」 と 報告 している。

また、2006年には、スペイン・マドリッドのコンプルテンセ大学生物学科の研究チームが、脳の再発性多形神経膠芽腫の診断を受けた患者に対してTHCを投与したところ 腫瘍の成長を遅らせることができた とイギリス癌ジャーナルに報告している。

NORMLのポール・アルメンターノ副事務局長は、「以前はカナビスが癌を引き起こすと言われたりしていましたが、現在ではそれとは全く逆に、カナビノイドが将来、生命を脅かすような副作用なしに癌の拡がりを止める新奇の無毒癌治療薬になる可能性と指摘している」 としてこのウイスコンシン大学の研究を称讃している。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Deputy Director, at: paul@norml.org.

Full text of the study, "Cannabinoids for cancer treatment: progress and promise," appears in Cancer Research.
Additional information on the use of cannabinoids as potential anti-cancer agents is available in the online report "Cannabinoids as Cancer Hope" at: http://norml.org/index.cfm?Group_ID=6814.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7500


●ネブラスカ州議会、軽微なカナビス所持違反の再犯罪化を検討
2008年1月31日 - アメリカ・ネブラスカ州リンカーン発

ネブラスカ州議会は、
長年続いてきた州のカナビス非犯罪化法 を覆して、代わりに厳しい刑罰を適用する法案を検討している。

提案されている 下院844号法案 では、軽微なカナビス所持違反を現在の民事出頭命令(最高100ドルの罰金)から、最高90日の懲役または500ドルの罰金と薬物更生・教育プログラムへの参加が適用される第3種軽犯罪の引き上げることを求めている。

法案は、現在、司法委員会での審議を待っている。

NORMLのアレン・ピエール事務局長はこの法案を批判して、「844号法案が通過すれば、何千人もの軽微なカナビス事犯者がさまざまな深刻な罰を受けることになります。例えば、懲役や罰金だけではなく、保護観察、ドラッグテストの強制、失業、子供の親権剥奪、助成住宅からの撤去、財産の没収、連邦奨学金の停止、さらに食料スタンプのような連邦の福祉サービスの停止などの罰も科せられることになります」 と語っている。

今回と同様な再犯罪化法案は2003年にも提出されたが、そのときは否決されている。

ネブラスカ州は、現在、軽微なカナビス事犯に対する罰則を刑事罰則から罰金のみの罰則に非犯罪化する州法が運用されている12州の一つになっている。今年はそれに加えて、ハワイマサチュセッツニューハンプシャーバーモント の各州でも非犯罪化法の導入が検討されている。

For more information, please contact Allen St. Pierre, NORML Executive Director, or NORML Legal Counsel Keith Stroup at (202) 483-5500.

Additional information on LB 844 is available from NORML’s "Take Action" Center at: http://capwiz.com/norml2/issues/alert/?alertid=10850536http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7501