ドイツ、カナビスの室内栽培が急増

主にオランダ向け、ドイツは消費国から生産国へ

Source: DW-World.de
Pub date: March 30, 2008
Subj: Secret Cannabis Crop on the Rise in Germany http://www.dw-world.de/dw/article/0,2144,3223813,00.html


最近ドイツでは、主にオランダ向けのカナビス生産が増加しており、もはや単なる消費国ではなく生産国になっている。

ドイツ連邦犯罪事務所のヨーガン・マウラー組織犯罪対策部長は、先週の金曜日に年次レポートを発表し、カナビス関連のビジネスが急成長していることを明らかにした。

昨年1年間で警察が押収したカナビス草が13万5000本に達し、その多くが室内で栽培されていた。捜索した現場は83ヵ所で、347棟のグリーンハウスや小屋の中でひそかにカナビスが栽培されていた。室内栽培されるのは、活性成分のTHCが12%以上の植物を育てることができるからだ。

カナビス製品にはバッズの他にもハシシがあるが、昨年のハシシの押収量は前年の34%減の3.68トンだったが、バッズの押収量は28%増えて3.77トンになっている。

ハシシはその大部分が外国から密輸されたものだが、報告書は、バッズが増えたことでドイツはもはや単なる経由地や消費国ではなく、生産国にもなったと指摘している。

マウラー部長は、オランダのギャングがドイツで栽培場を始めるためにカナビス栽培者に資金を貸し出しているという。そうした栽培場では、仕掛け地雷や自動発砲銃などで防御を固めているところもあると言う。

オランダでは、数年前よりカナビス栽培の取り締まりが厳しくなり、ギャングたちは近隣諸国に栽培場を移動していると伝えられてきたが、今回の報告書でそれがはっきり表れたことになる。

現在では、オランダのコーヒーショップのカナビスも東欧産が多くなってきていると言われており、結局のところ、オランダで栽培の取り締まりを厳しくした分だけ外国に新しい栽培法がもたらされるという結果になっている。

ベルギーはコーヒーショップを開くべき、カナビス栽培のコントロールをめぐるカンファレンス  (2007.12.4)

3月の始めには、オランダのヒルシバリン法務大臣が グローショップの閉鎖を検討している と伝えられたが、今回の記事を見れば、この政策はほとんど意味がなく、むしろ栽培場所を分散させて増やすだけだろう。

カナビスの室内栽培においては照明が最も重要だが、現在では低電力で発熱の少ないLEDやアルゴンガスを使ったフルスペクトル・プラズマ電球などの開発が進んでいるので、多大な電力を消費して熱を発生する現在の大げさ光源はすぐに置き換わって、ことさらグローショップでなくともどこでも入手できるようになると思われる。

また、たとえオランダで種の販売を規制しても、現在シードバンクが存在しないアメリカをみてもわかるように、実質的にカナビス栽培にはほとんど何も影響しないだろう。EU全体では種の販売を規制していないし、カナビスは種がなくてもクローニングで増やすことも簡単にできるからだ。

この記事では、ハシシの押収量が減ったと書かれているが、これは、最大の生産国であるモロッコの取り締まりが厳しくなったことを反映していると思われる。しかし、その分だけ逆にアフガンでの生産が増えているので、今年の押収量はまた増えてくる可能性もある。