カナダ

中年のカナビス・ユーザーが急増

Source: Globe & Mail
Pub date: 15 April 2008
Title: Midlife Toking On The Rise in Canada
Author: Carly Weeks
http://drugpolicycentral.com/bot/article/theglobeandmail8719.htm


カナダ・オンタリオ州全域を対象に実施されたアルコール等のドラッグ中毒とメンタル・ヘルスの動向調査報告によると、特に、30代〜40代の成人によるカナビス使用が増加していることが明らかになった。

この報告書は、昨日、中毒およびメンタル・ヘルス・センター(Centre for Addiction and Mental Health, CAMH)から発表されたもので、オンタリオ州全域の約2500人の成人に電話インタビューして、アルコール、タバコ、カナビス、コカイン、エクスタシーの使用状況とメンタル・ヘルスの状態について聞き取り調査している。

カナビス使用については、従来、10代後半から20代前半が最も顕著なユーザー層と見られてきたが、今回の調査でオンタリオのカナビス・ユーザーの2005年の平均年齢が31才になっていることがわかった。1977年の調査の平均年齢は26才だったので、この28年間に5才ほど高くなったことになる。

また、30才〜49才の人で過去1年間にカナビスを吸ったことのある割合いは、1977年が15.4%だったものが2005年には40%に増えている。

CAMHのシニア・サイエンティストのヨーガン・レーム氏は、「全体的には、カナビス使用が大人のライフスタイルの一環としてますます受け入れられるようになってきていると言えます。オンタリオでは、次第にカナビスを使う人が増えてきているとともに、年齢も高くなってきているわけです」 と話している。

また、これまでカナビス・ユーザーと言えば、昼間からソファのうずくまってレッド・ゼッペリンの聞いているようなステレオタイプで見られることが多かったが、今回の調査では、そのようにはなっていないことも示されている。過去1年にカナビスを使ったことのある人のおよそ3分の1が少なくとも何らかの高等教育を最後までやり遂げており、年収5万ドル以上を稼いでいる人は32%にもなっている。

現在、カナダはカナビス使用の世界的なホット・スポットになっていることはよく知られている。昨年の国連ドラッグ・ワールド・レポートによれは、15才〜64才のカナダ人で過去1年間にカナビスを吸ったことのある人の割合いは16.8%で、世界で最も高い国の一つになっている。同じような数字は、2005年に発表されたカナダ薬物乱用センターの報告書でも示されている。

しかし、今回の報告書で特徴的なのは、過去30年間にドラッグやアルコールの使用パターンがどのように変化してきたかが年ごとの数字で示されている点にある。

例えば、30才〜39才で過去1年にカナビスを使ったこともある人の場合、1977年が3.9%だっとものが、2005年には17%に跳ね上がっている。同様に40才〜49才の人の場合にも、2.3%から10.8%に増えている。18才以上全体では、1977年の8%から2005年には14%になっている。また、性別では、女性よりも男性のほうがかなり高い傾向も示されている。

カナビス・ユーザーの健康への影響については、14%が月に1回以下のオケイジョナル・ユーザーで健康への懸念は全くみられない。依存症など評価基準で問題のある害ユーザーとされた人は2% (range: 1.1% to 3.7%) ほどで、頻繁に長時間にわたって酔っ払い続けるような使い方をしている。

30才代から40才代のカナビス・ユーザー数については、圧倒的に高くなっているとまでは言えないが,オンタリオ州のカナビス人口構成とすれば、急速に大きくなりつつあり若者層に迫りつつある。。

1977年のオンタリオのカナビス人口では、18才〜29才で全体の82%を占めていたが、2005年には54%の減っている。これに対して、30才〜49才では1977年が15.4%でしかなかったのもが、現在では40%になっている。

また、今回の報告では、全体的なタバコやアルコールの使用率や飲酒運転の率についても、ここ数十年間に著しく減少していることも示されている。しかし、ムチャ飲み(binge drinking)の率は依然として高いままにとどまっている。