Weekly News

2008年5月29日


最近のカナビスの効力が急増していることを裏付る証拠はない
アイドホ州ヘイリー市住民投票、再びカナビス3発議を承認
第3回NORMLアスペン法学セミナー、登録締切り迫る



●最近のカナビスの効力が急増していることを裏付る証拠はない
2008年5月29日 - オーストラリア・シドニー発

中毒ジャーナルの最新号に掲載されたレビューによると、現在入手可能な証拠を検証した結果、カナビスの効力が世界的に急激に強くなっているという主張には裏付けがないことが明らかになった。

オーストラリアのニューサウスウェールズ大学と国立ドラッグ&アルコール研究センターの研究チームは、カナビスの効力の世界的な傾向を調べるために、世界中で実施された9研究のデータをメタ分析した。これらの研究全体では、過去30年あまりにわたって押収された10万サンプル以上のカナビスの効力を分析している。

その結果、「確かに、一部の国では効力の上昇が見られるものの、サンプルの間には非常にばらつきがあり、カナビス・ユーザーが経験している効力のばらつきは、数年あるいは数十年の上昇傾向よりもその年々の幅のほうが大きい。…… 社会では、カナビスの効力が過去よりも20〜30倍も強力になって精神健康に悪影響を及ぼしているとする主張が叫ばれているが、今回調べた証拠はその主張を支持していない」 と結論づけている。

2006年に発表された国連の報告書では、「今日のカナビスの効力の特徴は、同じように植物がベースになっているコカインやヘロインなどとはもはや全く違うような増加の仕方をしている」 と指摘しているが、今回の研究はそれを否定するものにもなっている。

また、ヨーロッパ・ドラッグ監視センター (EMCDDA) がカナビスの効力の変化傾向を調べた以前の研究では、「効力が著しく増えていることを示す証拠はない。…… カナビスの効力は、ほぼすべてのヨーローパ諸国で何年にもわたってほとんど変化しておらず、THCは6〜8%前後になっている」 と報告している。

今月のはじめには、イギリスのゴードン・ブラウン首相が、現在のカナビスの効力が 「致死」 的レベルまで上昇していると主張して、カナビスの分類をアップグレードして所持の罰則を厳しくする決定を行い、議会に承認を求めている。



●アイドホ州ヘイリー市住民投票、再びカナビス3発議を承認
2008年5月29日 - アメリカ・アイドホ州ヘイリー発

アイダホ州ヘイリーの住民は、昨年の11月に引き続いて改めて実施された住民投票でも、市のカナビス執行政策をリベラルにすることを求めた3件の発議を賛成多数で承認した。

火曜日に認められた3発議では、医療カナビス使用の合法化、ヘンプ栽培の合法化、カナビス法執行の優先順位を最も低くする非優先化、を市に求めている。

ヘイリー市の住民は、昨年の11月にも同様な3発議を住民投票で承認したが、市議会の議員たちが1月にそれらの発議自体が違法であるとする訴訟を起こしている。裁判は現在までのところ未決着のままになっている。

NORMLのアレン・ピエェール事務局長は、「これから数週間は数ヶ月で、アイダホ州には、民主主義の概念として長く掲げられてきた 『人民による人民のための政治』 があるのかどうか、あるいは、政治家たちがカナビス禁止法という祭壇にひれ伏して民主主義を踏みにじるつもりなのかどうかが分かることになります」 と語っている。

For more information, please contact Allen St. Pierre, NORML Executive Director, or Keith Stroup, NORML Legal Counsel, at (202) 483-5500.

Nov ‘07 Election: medical marijuana = 53%, industrial hemp = 53%, lowest priority = 51%, tax and regulate = 47%, turnout = 1,288 votes

May ‘08 Election: medical marijuana = 58%, industrial hemp = 57%, lowest priority = 54%, tax and regulate = 46%, turnout = 713 votes

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7614


●第3回NORMLアスペン法学セミナー、登録締切り迫る
2008年5月29日 - アメリカ・ワシントンDC発

刑事事件弁護士や一般に人たちを対象に6月6日(金)と7日(土)に開催される 
第3回NORMLアスペン法学セミナー の登録受付の締切りが迫っている。会場は、アメリカでも最もカナビス・フレンドリーな都市の一つとして知られるアスペンの中心街にある ガント・ホテル になっている。

今年のセミナーの講演者には、次期アメリカ刑事弁護士協会の会長に決まっている ジョン・ウェスリー・ホール、MSNBCテレビの法律解説者で人気サイトのTalkLeft.comのホストとしても知られる ジェラリン・メリット、元アメリカ刑事弁護士協会の会長で故ハンター・トンプソンの法律顧問を務めた ジェラルド・ゴールドスタイン、NORML副事務局長の ポール・アルメンターノ、受刑者の権利に関する雑誌としてはアメリカで最も古い歴史を持つプリズン・リーガル・ニュースの編集者で共同設立者でもある ポール・ライト、をはじめとする各氏が名を連ねている。

今年のセミナーのソシャール・イベントとしては、オープニング・ナイト・レセプション、アスペンのキャシュ・キャシュの有名シェフ、クリス・ランター によるベネフィット・ディナー、最終日午後には、ハンター・トンプソンが晩年を過ごしたウッデー・クリークの自宅にある伝説のフクロウ・ファームでの野外パーティが予定されている。

NORMLの設立者で法律顧問を務めるキース・ストロープ氏は、「年に1回ですが、弁護士や一般の人たちを対象にこのような法学セミナーを開催できることをとても誇りに思っています。このめったにない機会を生かして、親密な環境の中で、NORMLのスタッフやアメリカでもトップクラスのカナビス弁護士たち、さらに有名な活動家たちと一緒にユニークなハイを味わっていただきたいと思っています」 と語っている。

Conference agenda and registration information (members of the general public may sign up at a reduced rate) for the 2008 Aspen Legal Seminar is now available online at: http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=6823.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7613