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2008年6月4日


カナビス禁止法が、より効力の強いカナビスを選択させている
糾弾、恐怖を煽るカナビスと脳の最新研究
加州メンドチーノ郡、住民投票で医療カナビス栽培本数を制限



●カナビス禁止法が、より効力の強いカナビスを選択させている
2008年6月4日 - アメリカ・カリフォルニア州サンタクルズ発

国際ドラッグ政策ジャーナルの最新号に掲載された 
調査データ によると、カナビスが禁止されている地域に住んでいる人のほうが、合法的に販売されている地域の人に比べて、より効力の強い種類のカナビスを選ぶ傾向にあることが分かった。

カリフォルニア大学サンタクルズ校の研究者は、サンフランシスコとアムステルダムに住む400人以上の経験豊かなカナビス・ユーザーを無作為に選んで、カナビスの使用パターンについて調べた。その結果、コーヒーショップで合法的に少量のカナビスを購入できるアムステルダムの回答者は、サンフランシスコの回答者に比較して、「強い」 「非常に強い」 よりも「マイルド」 「ほどほど」 のカナビスを選ぶ傾向が顕著に示されたと報告している。

「カナビスが禁止されているサンフランシスコでは、ユーザーは自分の買おうとしているカナビスの効力について確信が持てないために、より強い種類のカナビスを選ぼうとするが、これに対して、アムステルダムでは30年間の寛容政策で、それなりに透明度のある安定したカナビス市場が育成されているために、ユーザーは自分に合った効力のカナビスを迷うことなく購入できるようになっている。」

また、どちらに都市でも3分の2以上のユーザーが、カナビスの効力に合わせて使う量を調整していると答えている。カナビスの価格で使う量を減らすという人はあまりなく、「カナビスの価格を高くすることでカナビスの需要を大幅に減らそうとする政策を採用しても、それほど大きなインパクトは得られそうもない。」

両市の回答者とも、カナビスを使っていることで逮捕されるリスクは 「全くと言ってよいほど感じない」 と答えている。また、カナビスは 「数時間以内」 に手に入れることが可能で、サンフランシスコのユーザーでは、友だちから入手するという回答が大半を占めている。

カナビスの使用開始の年齢、常用するようになった年齢、最も多く使いはじめた時期と期間については、どちらの都市のユーザーともほぼ同一になっている。一方、コカインやクラック、アンフェタミン、エクスタシー、ヘロインなどの違法ドラッグを使った経験のあるカナビス・ユーザーは、サンフランシスコに比べてアムステルダムのほうがはるかに少なくなっている。

「法的・政策的に異なる社会環境の中で回答パターンが違っていることは、それぞれの持っているカナビス特有の文化やその他のより広範な文化が複雑に絡み合ってドラッグ政策にさまざまな影響を与えていことを示している。」

「しかし、対照的なドラッグ政策ではありながらも、相違よりも類似点のほうが多いという事実は、カナビスの使用パターンが、文化的な実践経験に深く根ざしていることを示しており、ドラッグ政策だけで簡単に説明することはできない。」

For more information, please contact Allen St. Pierre, NORML Executive Director, at (202) 483-500 or Paul Armentano, NORML Deputy Director, at: paul@norml.org.

Full text of the study, "Cannabis policies and user practices: Markey separation, price, potency, and accessibility in Amsterdam and San Francisco," will appear in the International Journal of Drug Policy.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7617


●糾弾、恐怖を煽るカナビスと脳の最新研究
2008年6月4日 - アメリカ・ワシントンDC発

長期にわたってヘビーにカナビスを使っていると脳の海馬の容量が縮小するという 
研究 が最近発表されたが、NORMLのポール・アルメンターノ副事務局長は、この研究がたった15人の測定結果をもとにしたものであり、従来の研究とも矛盾していると指摘している。

今週、大手マスコミがこぞって取り上げたこの研究は、一般精神医学アーカイブ・ジャーナルに掲載されたもので、平均で毎日5本以上のジョイントを20年間にわたって吸っていた慢性のカナビス・スモーカーの脳を磁気共鳴映像法で測定したところ、ノン・ユーザーに比べて海馬と扁桃体が小さくなっていることが示されたとしている。

これに対してアルメンターノ氏は、カナビスの使用量が異様に多い点が非常に例外的なであるだけではなく、普通にカナビスを使っている大多数のユーザーに同じようなリスクが起こる可能性はほとんど考えられないと語っている。

また、被験者たちのカナビス使用前の脳の容量は測定されておらず、必ずしもカナビスによって縮んだともいえず、また、脳が多少小さいことが直ちに問題なわけではなく、実際に報告されている健康への害も僅かなものに過ぎないと指摘している。

「確かにここで示された結果は予備的という意味では懸念すべきことでしょうが、因果関係があるのかどうかや、普通に節度を持ってカナビスを使っている圧倒的大多数のユーザーに何らかの顕著な影響があるのかについて判断するには、もっと大規模な調査を行って追認する必要があります。」

海馬の容量に対するカナビスの長期使用の影響を調べた 研究 は過去にも行われているが、ネガティブな影響は見出されていない。また、神経認知能力へのカナビスの影響を調べた研究も多数実施されているが、カナビスを中断した後まで悪影響が残ることはいままで 示されたことはない

「アルコールの慢性使用については何十年も前から脳を害することが知られているわけですが、そのことで夕食にワインやビールを嗜んでいる何千万人ものアメリカ人を逮捕して投獄することが正当化されるわけではありません。それと同じで、例えこの研究結果を額面通り受け入れたとしても、カナビスを刑事罰で禁止するのではなく、合法化して教育で節度ある使用を呼びかけることのほうが好ましいという結論になります。」

For more information, please contact Allen St. Pierre, NORML Executive Director, at (202) 483-500 or Paul Armentano, NORML Deputy Director, at: paul@norml.org.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7618


●加州メンドチーノ郡、住民投票で医療カナビス栽培本数を制限
2008年6月4日 - アメリカ・カリフォルニア州ユキア発

北カリフォルニア州メンドチーノ郡では、8年前に医療カナビス患者がカナビスを25本まで栽培することを認める 
郡の法律 が制定されたが、今週火曜日に実施された住民投票で廃止されることに決まった。賛否の割合は、52%対48% だった。

今回通過した郡の法律 では、合法的に栽培できる本数は6本までに制限することを求めている。しかしながら、最近行われた州の控訴審では、市町村自治体が医療カナビス患者の栽培できる本数を制限することは州法で禁じられているという 判決 が出ており、活動家たちは、今回の発議の法的正当性をめぐって法廷で争う姿勢も見せている。

For more information, please contact Dale Gieringer, California NORML Coordinator, at (415) 563-5858.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7619