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2008年6月19日


カナビスの効力問題、NORMLの批判にONDCPが二枚舌反論
医療カナビスを認めた州では、ティーンのカナビス使用も減少している
カナビスの医療使用では深刻な副作用は起こらない



●カナビスの効力問題、NORMLの批判にONDCPが二枚舌反論
2008年6月19日 - アメリカ・ワシントンDC発

ホワイトハウス麻薬撲滅対策室(ONDCP)は先日、2007年のカナビスのTHCの平均効力が過去最高の9.6%にまで上昇し、健康への危険が著しく高くなっているという報告書を 
発表 したが、NORMLはすぐに、効力が増えているのは見せかけだけで、効力とともに危険が増えるという証拠もないという反論を展開した。この批判については ハフィングトン・ポスト などを始とする 新聞 でも取り上げられているが、これがホワイトハウスの対策室長官の怒りに満ちた反応を引き起こしている。

批判記事の中で、NORMLのポール・アルメンターノ副事務局長は、「この研究を行っているミシシッピー大学の研究者でさえ、アメリカのカナビス市場の大部分を構成している国内産のカナビスについてはTHCの平均が5%を上回ることはなく、その状態はここ10年間近く何も変わっていないと認めている。全体の平均が増えているのは、調査対象となった外国産のサンプル数が市場構成とは全く異なっておよそ70%もの多数を占めているからで、結果は市場の平均効力を示しているわけではない」 と指摘している。

「また、THCの含有量がどうであれ、THC自体には毒性がないために、オーバードズで死亡するようなこともない。現在では、THC100%のピルが食品医薬品局(FDA)からも認証されており、医師は合法的にそれを処方することができるようになっているが、不思議なことに、ミシシッピー大学やホワイトハウス対策室の誰一人としてそれに懸念を示している人はいない。」

さらに結論として、「もし、政治家たちが、カナビスの効力の強くなれば健康リスクも大きくなると本当に考えているならば、カナビスを規制管理する政策を支持する他はなくなる。きちんと管理されたカナビスならば、アルコールなどと同様に、ユーザーがその効力を知って自分に合ったものを選べぶことができるようになるからだ」 と書いている。

ホワイトハウス対策室は、このNORMLの批判に対して、プッシング・バック というウエブサイトで反論を返してきた。しかしそこでは、NORMLを「あらゆるドラッグの合法化を求めている」組織だ決め付けて嘘を言っているばかりではなく、自分たちの 報告書 を引用しながらも、押収した国内産のカナビスの平均効力が不正確である可能性が高いなどとも平然と述べている。

これに対して、ポール・アルメンターノ副事務局長は、「記事を書いた私をカナビスの合法化ではなく、すべてのドラッグの合法化を主張している他の機関の人間と偽ったり、自分自身が問題に掲げている自分のデータの正当性を否定してみたり。このようなぞんざいな研究では高校の進級試験も通らないでしょう。アメリカで最も資金にめぐまれたドラッグ政策機関が平気で二枚舌を使う体たらくには本当に困惑させられます」 と語っている。

この問題については、ドクター・ドリュウー・ピンスキーの全国ラジオショーでもホワイトハウス麻薬撲滅対策のジョン・ウォルターズ長官とポール・アルメンターノ副事務局長を招いて 対談 を行っているが、今度の水曜日には二人のデベートも予定されている。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Deputy Director, at: paul@norml.org.

Full text of NORML's essay, "Don't buy the potent pot hype," is available at: http://www.huffingtonpost.com/paul-armentano/dont-buy-the-potent-pot-h_b_107458.html.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7628


●医療カナビスを認めた州では、ティーンのカナビス使用も減少している
2008年6月19日 - アメリカ・ワシントンDC発

マリファナ・ポリシー・プロジェクト (
MPP) と NORMLの諮問委員会のメンバーである ミッチ・アーリーワイン教授 が共著者になって今週発表された 報告書 によると、認定患者に医療カナビスの使用を認める州法を持っている州では、それが原因で一般のカナビス使用が増えていないことが明らかにされた。

現在では 12の州 で医療カナビスの使用と栽培が認められているが、昨年仲間入りしたニューメキシコではまだデータが揃っていないものの、その他のがすべての州では医療カナビス法が施行されて以来、ティーンのカナビス使用が減少している。アメリカ全体でも若者のカナビス使用は減ってきているが、12州のうち7州ではその平均を上回る率で減少している。

この結果についてミッチ・アーリワイン教授は、「医療カナビスに反対する人たちは、そのような法律を導入すれば子供たちに誤ったメッセージを送ることになると主張するのが常ですが、データはそのような影響がないことを物語っています。どの州でも、医療カナビス法ができて以降、ティーンのカナビス使用は下がってきています。国全体の減少率よりも大きく減っている州も半数を越えています」 と語っている。

医療カナビス法について検証した2005年の レビュー でも、若者のカナビス使用への影響については同じような結果を報告している。特に、1996年にはじめて医療カナビス法が成立したカリフォルニア州では、それ以降のティーンのカナビス使用はおよそ50%も下がったと指摘している。

また。2002年の連邦会計検査院(GAO)の報告 でも、州の医療カナビス法は有権者や議会が当初意図したとおりに機能しており、一般のカナビス乱用が広がるような様子はみられない、と結論づけている。

For more information, please contact Allen St. Pierre, NORML Executive Director, at (202) 483-5500 or Paul Armentano, NORML Deputy Director, at: paul@norml.org.

Full text of the study, "Marijuana use by young people: the impact of state medical marijuana laws," is available online at: http://www.mpp.org/assets/pdfs/pdf/TeenUseReport_0608.pdf.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7629


●カナビスの医療使用では深刻な副作用は起こらない
2008年6月19日 - カナダ・モントリオール発

カナダ医師会ジャーナルに今週発表された 
メタ分析 によると、カナビスの医療使用では深刻な副作用が起こっていないことが確認された。

モントリオールのマックギル大学健康センターとバンクバーのブリティシュ・コロンビア大学の研究チームは、1966年から2007年までに発表された23件の医療用カナビノイドの臨床研究 (大半がマリノールなどの合成THCかサティベックスなどのカナビスの抽出液) と8件の観察研究を検証している。

その結果、医療カナビスを与えられた被験者では、プラセボの被験者に比べて、特にめまいなどの 「軽度の有害事象」 に見舞われるリスクが若干高くなると結論を書いている。しかし一方では、「医療用カナビノイドの使用に関連した重度の有害事象の発生率が高くなる証拠は見られなかった」 とも書いている。

この研究について、NORMLのポール・アルメンターノ副事務局長は、「カナビノイドには、実際上、アスピリンなども含めて他のどの処方医薬品や売薬にも類例がないほとの安全性が備わっています。今回の調査で過去40年間に深刻な副作用がほとんど見られなかったという事実は、考えてみれば驚くべきことです。このようなことが言える医薬品は他にあるでしょうか?」 と語っている。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Deputy Director, at: paul@norml.org.

Full text of the study, "Adverse effects of medical cannabinoids: a systematic review," appears in the Canadian Medical Association Journal.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7630