Weekly News

2008年7月24日


カナビスの成分が抗癌剤の効果を促進させる
カリフォルニア州、非暴力事犯リハビリ発議の住民投票が承認される
ニューオリンズ新検事、軽微なカナビス所持の再犯者多数を重罪扱い



●カナビスの成分が抗癌剤の効果を促進させる
2008年7月24日 - イギリス・ロンドン発

白血病&リンパ腫ジャーナルに掲載された 
臨床前研究データ によると。従来の抗白血病治療にTHCの投与を組み合わせると抗癌作用が促進されることが、試験管を使った生体外実験で示された。

ロンドンのセント・ジョージ大学とセント・バルトロメオ病院の研究チームは、THCが、白血病細胞を攻撃する細胞毒とシナジー効果を発揮して、細胞を殺す役割を果たしているとして、「これらの結果は、THCと従来から使われている細胞毒を組み合わる方法が細胞死を促進させること示したもので、今回の実験が始めてのことになる」 と報告している。

また、このチームは以前の研究でも、THCが白血病細胞株に対して細胞を自然死させる 「強力なアポトーシス効果」 を持っていることを 報告 している。

今年の始めに発行された癌研究ジャーナルでも、カナビノイドの投与で、前立腺癌乳癌肺癌膵臓癌脳癌など、さまざまな癌の拡大を阻止すると 報告 している。

NORMLのポール・アルメンターノ副事務局長は今回の発見について、化学療法のような標準的な抗癌治療で、将来カナビノイドが補助的な役割を果たすようになる可能性を示していると語っている。また、研究者たちは 新聞 で、カナビノイドから作った抗癌剤が2、3年で利用できるようになるだろうとも話しているが、アルメンターノ氏は、そんなに早くは期待しないほうがよいと 指摘 している。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Deputy Director.

Full text of the study, "Enhancing the in vitro cytotoxic activity of delta-9-tetrahydrocannabinol in leukemic cells through a combinatorial approach," will appear in Leukemia & Lymphoma.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7655


●カリフォルニア州、非暴力事犯リハビリ発議の住民投票が承認される
2008年7月24日 - アメリカ・カリフォルニア州サクラメント発

カリフォルニア州選挙管理委員会は、2008年11月に実施される選挙で、非暴力ドラッグ事犯に対しては保護観察判決にすることとカナビス所持犯の罰則を下げることを求めた住民投票を行うことを認めた。

ドラッグ・ポリシー・アライアンスが提案した 『
非暴力事犯リハビリ法』 とも呼ばれる5号発議では、暴力をともなわないドラッグ事犯者をドラッグ治療で対応し、州のリハビリ・プログラムの財政支援を強化する内容になっている。

また、軽微なカナビス事犯に対する罰則を、現在の 軽犯罪 (犯罪歴の残る100ドルの刑事罰金) から非犯罪違反 (犯罪歴の残らない100ドルの民事罰金) に下げることも求めている。

この発議の キャンペーン・サイト には、「発議では、非暴力事犯に対する投獄を厳しく制限しているので、超党派からなる州議会法制調査局(Legislative Analyst's Office)は、刑務所と保護観察にかかる費用を毎年10億ドル以上節約できる法案を用意することができます。…また、この発議によって刑務所の建設費用を削減することができるので、数年間でさらに総額25億ドルを節約できるようになります」 と書かれている。

今回の発議に対しては、カリフォルニア民主党、カリフォルニア中毒薬物協会、カリフォルニア女性有権者同盟、カリフォルニア家庭医師学会などが支持を表明している。

ドラッグ・ポリシー・アライアンスは、2000年にも、今回よりも適応範囲が狭い同内容の 36号発議 を61%の賛成多数で成立させている。

For more information, please visit: http://noracampaign.blogspot.com.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7656


●ニューオリンズ新検事、軽微なカナビス所持の再犯者多数を重罪扱い
2008年7月24日 - アメリカ・ルイジアナ州ニューオリンズ発

今週のニューオリンズ・シティ・ビジネス新聞に掲載された 
調査報告書 によると、ニューオリンズの新しい地方検事が着任してから、低レベルのカナビス所持違反者が重罪で5年から20年の懲役刑を言い渡されるケースが相次いでいる。

報告書の分析では、新任のカバ・ランドラム・ジョンソン地方検事が、カナビスの軽微所持再犯者を重罪で起訴するケースが特出して多くなっていることが分かった。

これに対して、ニューオリンズ公費弁護人事務所で裁判担当主任を務めるステーブ・シンガー氏を始めとする批判者たちは、暴力をともなわない些細な事犯で裁判所が混雑して、刑事犯罪システムのリソースが無駄に浪費されるばかりではなく、所得の低いアフリカ系アメリカ人コミュニティに大きなダメージを与える結果を招いていると批判している。

ルイジアナ州法 では、カナビス所持の初犯は軽犯罪扱いになっているが、再犯者に対しては検事が軽犯罪か重罪かを決めることができるようになっている。州法の規定によれば、2度目の所持犯では最高5年の懲役、3度目では最高20年の懲役になっている。

記事では、以前の検事の場合は、カナビス所持の再犯でも重罪よりも軽犯罪として扱うのが普通だったと書いている。

今年一年間で市の裁判所が扱うカナビス事犯はおよそ4000件と見込まれているが、NORMLのキース・ストロープ法律顧問は、「ランドラム・ジョンソン検事は、犯罪にタフな姿勢を見せようと考えているのでしょうが、実際は、犯罪に無能をさらけ出しているだけです。彼女を選んだ人たちは、暴力犯罪を減らすことを求めているのですが、彼女は逆に、暴力とは無関係のカナビス・スモーカーを起訴することで、法廷を詰まらせて警察と検察のリソースを無駄使いしているだけなのです」 と語っている。

For more information, please contact Keith Stroup, NORML's Legal Counsel, at (202) 483-5500.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7657