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2008年7月31日


連邦カナビス非犯罪化法案のプレス・カンファレンス開催
全米多発性硬化症協会、カナビス治療について前向きな勧告を発表



●連邦カナビス非犯罪化法案のプレス・カンファレンス開催
2008年7月31日 - アメリカ・ワシントンDC発

アメリカ連邦議会のバーニー・フランク下院議員(マサチュセッツ、民主)らは、水曜日に議事堂でプレス・カンファレンスを開いて、個人使用目的でカナビスを所持している成人を政府機関が逮捕したり起訴することをやめさせる法律を成立させるように議会に呼びかけた。

フランク議員は、「連邦政府は、カナビスを所持したり使ったりしている人々を逮捕し拘留するために貴重な連邦の資源を浪費すべきではない。そもそも人の生き方に対してあれこれ言うことは政府の仕事ではなく、特に、余暇時間をどう過ごすかのついて口出しすることは全く不適切だと言える」 という 
声明 を発表して、ウイリアム・ラシー・クレイ議員(ミズーリ、民主)とバーバラ・リー議員(カリフォルニア、民主)とともに、下院5843号法案 への支持を他の議員たちに呼びかけた。

この法案は、「分別ある成人によるカナビスの個人使用法案2008」 と題するもので、成人のカナビス所持と非営利的な譲渡に対して 連邦の制裁を取り除く ことを求めている。共同提案者には、カンファレンスに出席した3氏とともに、トミー・ボールドウイン(ウイスコンシン、民主)、アール・ブルメナウアー(オレゴン、民主)、ゼオ・ロフグレン(カリフォルニア、民主)、ロン・ポール(テキサス、共和)、ジム・マクダーモット(ワシントン、民主)の各議員が加わっている。

過去30年間の連邦議会において、連邦のカナビス罰則を取り除くことを求めた法案としては今回が初めてのものになる。

2006年の司法省統計局の 報告書 によると、ドラッグ事犯で刑務所に投獄されている州受刑者の12.7%と連邦受刑者の12.4%がカナビス事犯になっている。

プレス・カンファレンスでオープニングスピーチを務めたNORMLのアレン・ピエール事務局長は、「アルコールの場合は、使用と乱用を区別して考えるのが当たり前で、警察は無責任な乱用を止めさせることに焦点を当てています。分別あるアルコール・ドリンカーを逮捕したり投獄したりはしません。われわれが掲げているカナビス政策も同じことです」 と語っている

カンファレンスの合わせて行われた 「あなたがカナビス合法化に賛成ですか?」 というタイムマガジン/CNNのウエブ投票では、アメリカ人の4人に3人が成人のカナビス所持に対しては刑事罰則を適応すべきではないと答えている。この様子は、 2002年の医療カナビスのウエブ投票 の時と同じになっている。

連邦捜査局の報告書によると、1990年以降にカナビス事犯で逮捕されたアメリカ人の数は 1100万人 以上になっているが、そのうちで 密輸入・栽培・売買以外の軽微な所持違反が90%を占めている。また、逮捕された人の約75%が 30才以下 になっている。

NORMLのポール・アルメンターノ副事務局長は、「連邦政府の誤ったカナビス禁止政策は、若者に対する戦争になっています。この失敗した社会政策のために、全世代の人たちが警察や連邦政府を疎んじるようになり、自分たちを守ってくれるよりも抑圧の仕組みに成り果ててしまったと思っているのです」 と語っている。

下院5843法案は、現在、下院司法委員会の犯罪・テロ・本土防衛小委員会での審議待ちになっている。また、法案は、下院エネルギー・通商委員会でも検討されることになっている。

For more information, please contact NORML Executive Director Allen St. Pierre at (202) 483-5500.

Video footage from the press conference. Additional video is available from CNN. More information regarding HR 5843 is available online via NORML's Take Action Center.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7670


●全米多発性硬化症協会、カナビス治療について前向きな勧告を発表
2008年7月31日 - アメリカ・ワシントンDC発

全米多発性硬化症協会は、カナビスには多発性硬化症の症状を緩和するとともにその進行を抑える可能性があるとする、
エキスパート・オピニオン・ペーパー を発表した。しかしながら一方では、患者に対してカナビスを医量的に使うことを勧めることは次期尚早だとも書いている。

「カナビノイドには、多発性硬化症の痛みや痙縮といった症状を和らげるとともに、神経を防護する可能性が備わっていることは明らかではあるが、協会とすれば、現時点では、多発性硬化症患者が症状管理のために医療カナビスを広く利用できるようにすることまでは勧告できない。しかし、この状況は、明確に恩恵をもたらすことを示すもっと良質のデータが得られるようになれば当然変わり可能性もある。」

また、協会では、カナビノイドを血液中に迅速に搬送する バポライザー などの投与方法に関する臨床試験を行うことを強く勧告している。

さらに、「カナビスで突発的な発作の回数が減ったという患者の証言」 もあることから、病気の進行を遅らせる カナビスの可能性とその定量的な側面について調べる臨床試験を実施することも勧告している。

最近ではイギリス・プリモスのペニンスラ医科大学が、経口THCが多発性硬化症の進行を著しく抑えることができるかどうかを評価するために 3年間の臨床試験 を行うことを計画して、およそ500人の多発性硬化症患者を参加者を集めている。

また、2006年の報告 されたカナビス抽出液を使った臨床データでは、対照試験後に延長して、167人の多発性硬化症患者が平均434日間にわたって非盲検試験を継続したところ、摂取量を増量せずに、痛みや痙縮、膀胱失禁を緩和することが示されている。

2007年に発表された 別の非盲検試験(2年間) でも、カナビス抽出液の投与で一部の多発性硬化症患者に長期的な神経因性疼痛の緩和が見られ、全体平均では、毎日の投与必要量が減少したほか、長く投与するの従って痛みのスコアの中心値も低くなったと報告している。

NORMLのポール・アルメンターノ副事務局長は、「多発性硬化症協会の勧告は前向きな一歩に違いありませんが、十分だとも言えません。調査では、多発性硬化症患者の 2人に一人 はカナビスを治療に使っていることが示されています。ですが、このオピニオン・ペイパーでは、患者が法的には犯罪者扱いされている事実には何も触れようとはしていません」 と指摘している。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Deputy Director, at: paul@norml.org.

Full text of the MS Society paper, “Recommendations Regarding the Use of Cannabis in Multiple Sclerosis". Additional information on cannabinoids and multiple sclerosis is available from NORML.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7671