イギリスNHSの最新報告

依然減りつづけるカナビス使用


Statistics on Drug Misuse: England, 2008, The NHS Information Centre


Source: British Medical Journal, The (UK)
Pub date: 19 Aug 2008
Cocain use in England and Walse Rises as cannabis use falls
http://www.mapinc.org/drugnews/v08/n797/a11.html


イギリスのナショナル・ヘルス・サービス(NHS)情報センターが今週発表した最新データによると、昨年のイングランドとウエールズでのコカイン使用が増加している一方で、カナビス使用が減ってきていることが分かった。また、ここ数年でも違法ドラッグ全体の乱用が減る傾向が見られる。

2006-2007年には、成人の2.6%に当たる83万5000人がコカインを使っており。この数字は、昨年よりも0.2%増えて。1996年からは2%上昇したことになる。

一方、カナビスの使用率は下がり続けている。2002年のピーク時の成人の使用率は10.9%だっだが、昨年は、一昨年の8.7%よりもさらに下がって8.2%に減り、使用者数は260万人になっている。

ロンドンのキングス・カレッジ精神医学研究所の精神科医であるミカエル・ファレル顧問は、「カナビスの使用が減ってきているのは良いニュースです。C分類にダウングレードすれば使用が増えると盛んに叫ばれてきたわけですが、そうなっていないことが示されたわけです」 と話している。

「この傾向は、カナビスに対する規制を緩めて以降の数年間は、使用したと言う人が減った西オーストラリアの事例とも一貫しています。」

また、ドラッグ啓発グループ、ドラッグスコープのハリー・シャピロ広報主任は、カナビス使用の減少の理由にについて、一部は効力が増してきたことも関連しているのではないかと指摘している。

「パブに行って1パイントのビールを頼んだつもりだったのに、1パイントのテキーラが出てくるようなものです。それでは、多くの人にとって強過ぎるというわけです。」

2006年のドラッグ乱用による死亡者数は1573人で、全体の79%が男性になっている。1999年の死亡者数は1628人からは減っているものの、保健省が2004年に掲げた削減目標の20%にははるかに及ばなかった。

しかしながら、ドラッグ治療プログラムへの参加者数は政府の目標を越えて、1998-9年の8万5000人から、2006-7年には19万5464人と2倍以上も増えている。

これについてファレル顧問は、「当然のことながら、治療人数が増加すれば死亡率は下がるはずだと思う人もいますが、死亡事故の大半は、男性で一般的になっているドラッグの注射によるもので、治療で回復するわけではなのです」 と話している。

今回の報告では、ドラッグの使用は受け入れられないと考えて子供たちが増えてきているというポジティブな結果も示されている。

だが、依然として、10%の子供がカナビスはOKだと考えており、3%がコカインを使っている。2006-7年には全体の17%の生徒がドラッグを使ったと答えているが、大人で見られる傾向と同様に、コカインの使用が増える一方で、カナビスの使用が減っている。