アメリカ政府の調査統計からわかる
カナビス使用者の興味深い実像
Source:NORML's Daily Audio Stash
Pub date: April 9th, 2009
Who Are You? US Government Statistics on Adult Marijuana Users
Author: Radical Russ
http://stash.norml.org/ who-are-you-us-government-statistics-on-adult-marijuana-users/
アメリカ政府の「薬物乱用と精神衛生データ・アーカイブ」(SAMHDA) は、ドラッグ使用と健康問題についての情報の宝庫で、2001年から2007年までの全国調査の結果が集積されている。
この手の報告では、たいていは統計対象が12才から始まっているが、そのことではいつも不満を覚える。と言うのは、NORMLは,未成年のカナビス使用については支持しておらず、責任ある成人のカナビス使用に限って認めるように主張しているからで、18才以上の成人について全体的な情報がほしいからだ。
幸い、報告書では18才が集計の一つの区切りになっているので、この記事では未成年の問題は切り離して、18才以上のデータについて分析している。
調査における根本的な問題点
確かに、報告書にあるデータは政府の調査によるものだが、調査対象になった人々にとっては初対面の見知らぬ人の質問に答えているという背景がある。当然、警戒心が働くことになる。
まず、何よりも基本的な調査は、アメリカの成人の何人がカナビスを使った経験があるかを調べることだが、調査対象には、単純にイエスまたはノーで答えさせて、それを年齢別に集計して割合を算出している。しかし、こうして計算された割合は対象グループの比率だけなので、アメリカ成人の人口統計をベースに補正を加えてみると、結果は次のようになる。
年齢層 |
経験者数 |
各年齢層での人口比
|
全経験者の人口比
|
18〜25才 |
16,790,928 |
51.3% |
18% |
26〜34才 |
17,579,601 |
49.8% |
18% |
35〜49才 |
34,676,635 |
53.1% |
36% |
50才以上 |
26,869,808 |
30.1% |
28% |
全体 |
95,916,972 |
40.4% |
100% |
この結果で分かるまずおもしろいのは、50才より下の年齢層の場合には約半数が使用経験があることで、コインを投げて裏表で決めるても問題ないくらいになっている。さらに、経験者全体の割合をみると、若者(18才〜34才)と中年(35才〜49才)の割合が全く同じの36%になっている。
一休みしてからいろいろ分析してみると、さらにおもしろい数字が出てくる…
人種別の全経験割合では、白人が3分の2以上を占めているのに対して、黒人とヒスパニック系は4分の1にしかなっていない。この数字は、カナビスで逮捕・起訴・投獄されている人の割合が、白人よりも黒人とヒスパニック系のほうが圧倒的に多いという事実からはとても想像できない異様な結果を示している。
ここではヒスパニック系の割合が2番目に多くなっているが、これは、人種全体の人口の多いことが一次的な理由になっている。
上のグラフからも明らかなように、ヒスパニック系は、アジア系を除けば、他のどの人種よりもカナビスを経験している人の割合(4人に1人)が低くなっている。
また、チィーチ&チョンやハロルド&クマーなどのヒーローの影響もあって、アジア系の経験率が高いと思われがちだが、実際には6人に1人の割合でどの人種よりも少なくなっている。
報告書によれば、アメリカ成人の生涯カナビス経験者数は9591万6972人だが、過去1年間に限れば、1回以上の経験のある人は2200万3805人になっている。この数字をさらに詳しく見ていくと、またしても興味深い事実が浮かび上がってくる。
予想通り、最もカナビスを使っているのは若者たちで、18才〜25才では28%が過去1年にカナビスを使っている。そのうち11%を超える人が100日以上で、月1日以下は9%になっている。
しかし、26才〜34才の数字は全体がそのおよそ半分になり、35才〜49才ではさらにその半分になっている。年齢とともに頻度割合も下がっていくが、それでも中年の12人に1人が少なくとも過去1年にカナビスを使っている。
また、過去1年の経験者で、年間100回以上カナビスを常用している人の割合は36.9%で812万45人になっている。その割合は特に18才から25才で大きく、およそ半分(45.1%)を占めている
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調査データで最も特徴的なことの一つは、50才以上になると急激にカナビス経験者数が減っていることで、今後はその断絶の高年齢化が進んでいくことは間違いない。
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