シュワルツェネッガー知事
カナビス合法化議論に前向き
Source: Chronicle Blog
Pub date: 5 May 2009
Arnold Schwarzenegger Calls for Marijuana Legalization Debate
Author: Scott Morgan
http://stopthedrugwar.org/chronicle_blog/2009/may/05/arnold_schwarzenegger_calls_for_
カリフォルニア州のアーノルド・シュワルツェネッガー知事は5日の プレス・カンファレンス で、自分は反対だがと断ったうえで、カナビスを合法化して課税することついて 「議論すべき時がきた」 と語った。
彼は2006年に、産業用ヘンプの合法化法案を拒否権を行使 して葬り去っているので多くを期待すべきではないが、今回の発言は良いニュースであることには間違いない。
シュワルツェネッガー知事は、今年のはじめには州議会議員からも合法化に関する法案が提出されたこともあるので、他の国の経験を研究する必要があると述べた。
州議会にカナビスの合法化法案を提出したのはサンフランシスコのトム・アミアーノ議員で、カナビスをアルコールと同様に規制管理して、1オンスあたり50ドル課税すれば年間で10億ドルの歳入が得られるとしている。
「議論する」 過程で何が飛び出してくるのか注目されるところだが、役人たちも身近な問題としてカナビスの合法化に関心を持つようになってきたことがはっきりしてきた。
こうした変化は、州の財政をどのようにして回復したらよいのか調べた 世論調査 の中で、カナビスの合法化して税収の改善をはかるべきだとした人が56%もいたことが大きな契機になっていると思われる。
シュワルツェネッガー知事については、カナビスを吸っているビデオ が有名だが、一部の人たちは、結局は、彼の立場には偽善性があり、カナビス合法化を全面的に支持することはあり得ないないと冷めた見方をしている。
しかしながら、今までのようにカナビスにはただ反射的に反対するような風潮が変化して、オープンに議論することを支持する政治家たちが出てきたことは注目に値する。
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シュワルツェネッガーがカナビスを吸っている映像は1977年のドキュメンタリー 『パンピング・アイアン』(重量上げ)でのもので、「カナビスは葉っぱであって、ドラッグではない」 という有名な言い訳をしている。
Arnold Schwarzenegger Smokes pot (YouTube)
カリフォルニアでは今年2月、1430億ドルとされる予算に410億ドルが不足 し、現金が枯渇してレイオフや無休の自宅待機を求められる職員が続出し、役所業務の縮小やインフラプロジェクトも中断に追い込まれる事態となっている。
この原因の一つには、シュワルツェネッガー知事の計画性のない財政運営にあるとされているが、2010年秋には知事の任期が切れることも背景にあるように思われる。
今回の「議論に前向き」な姿勢も、任期切れを意識した人気取りの感も拭えない。結局は,何も結論を出さないで時間をかせごうとしているだけなのかもしれない。