民主・横粂議員「薬物犯罪は罰則厳罰化で脅かすよりも、まず国による啓発が最優先。」

投稿日時 2009-09-07 | カテゴリ: 民主党

スポーツニッポンのウェブサイトに、民主党の薬物政策の方向性の一端を示す記事が掲載された。


第2の酒井被告を出すな!民主党が徹底対策

覚せい剤を所持していたとして女優の酒井法子被告(38)が起訴された事件を受け、政権与党となった民主党が薬物対策に本腰を入れる。党内の薬物プロジェクトチーム(PT)の責任者は、これまでの活動を“国家対策”へ格上げするべきだと主張。若年層への汚染拡大防止のため徹底した教育を行うよう文部科学省など関係省庁に働きかけていく考えだ。

民主党の「麻薬対策プロジェクトチーム」座長の三井辨雄(わきお)衆院議員は「持論」と前置きした上で「PTの活動内容がより強力な国家プロジェクトとなるようにしていきたい。問題解決には教育現場や民間の薬物依存症リハビリ施設関係者ら、各業界の協力が不可欠。与党となったことで“ 総合力”が集結できる」と力を込めた。

PTの名称には「麻薬」と付くが、その活動範囲は違法薬物全般が対象。これまで関東信越厚生局麻薬取締部から薬物犯罪の実情について、府中刑務所から薬物事犯受刑者の矯正プログラムについてヒアリングを行ってきた。しかし、問題が複数の省庁にまたがっており、野党としての限界もあることから、解決策を導き出すことはできなかった。三井氏は国家プロジェクトに格上げできれば「これまで以上に広範囲に活動できる」とその意義を強調した。

具体的には関係省庁などに対して(1)生徒に薬物の恐ろしさを教えるための教員の指導(2)正確な実態調査(3)密売人の取り締まり――などの徹底を要求。また、特に青少年に与える影響が大きいスポーツ界や芸能界に対しても「薬物は手を出さないということがまず大切だが、積極的に検査をするように業界に働きかけたい」(三井氏)という。

PTのメンバーは現在約30人。より強固な組織にするため、首相就任予定の鳩山由紀夫代表や、国家戦略局担当相就任予定の菅直人代表代行へも参加を呼び掛けたいとしている。また、党青年局長の藤末健三参院議員は「若手もぜひ協力したい。各省庁での専門家会議に政治家が入れば、政治主導の形ができるし、省庁をまたぐ問題でも1つに集約すれば早い解決につながる」。弁護士出身の新人議員横粂(よこくめ)勝仁氏は「薬物犯罪は罰則厳罰化で脅かすよりも、まず国による啓発が最優先。若手の旗振り役となりたい」とこちらもやる気満々だった。

[ 2009年09月07日 ]

選挙前からレポートしてきたように、自民党には党としての薬物政策がなかった。自民党本部の政務調査会担当者によると、政権与党である自民党は、政府と一体となって薬物対策を進めており、内閣府に設置されている薬物乱用対策推進本部に記載されている方針が、すなわち自民党の薬物政策であるとの説明だった。改めて説明するまでもなく、これが官僚依存の自民党政治の実態だった。

これまで政権与党の一翼を担ってきた公明党の薬物政策は、乱用防止教育と取り締まり体制の強化については言及があるものの、薬物依存に陥った者へのケアに関しては何も書かれておらず、発芽する大麻種子や大麻吸引については法改正して罰則を強化するとマニフェストに記されている。

一方、民主党の「政策INDEX2009」には、「薬物・麻薬対策」として簡略ながら触れられており、その冒頭には「薬物依存・中毒者への治療と自立支援、家族への相談支援を整備します。」と書かれており、自公政権の政策とは際立った違いを見せている。

スポニチの記事に書かれている、民主党の「麻薬対策プロジェクトチーム(PT)」について同党のウェブを探したが見つけることができなかったので、この「麻薬対策プロジェクトチーム」の座長とされている三井衆院議員の事務所に取材した。公設秘書の話によると、このプロジェクトチームが設立されたは6年前のことで、PTの名簿も古いため、ウェブには掲載されていないのだろうとのこと。

省庁横断的な取り組みとして、正しい薬物教育を行うことについては、私たちとしても歓迎すべき方向性だろう。問題は、その内容であり、教育される情報の実質である。
薬物政策が十全の機能していない根本原因は、自公政権の政策そのものにある。厚労省の天下り財団法人「麻薬・覚せい剤乱用防止センター(ダメセン)」が国民に周知教育している薬物情報は、、医学的根拠もない、15年以上前にアメリカの反薬物団体からダメセンが輸入販売していた、薬物標本レプリカの説明書を翻訳しただけのものである。民主党麻薬対策PT座長・三井衆院議員の秘書には、この点なども説明し、薬物問題もまた、他のさまざまな官製社会問題同様に、官僚依存政治と天下り利権構造によって惹起されていることを伝えた。

民主党の麻薬対策PTは、政権交代を受け、改編強化の方向で検討されるようだ。私たちとしても、薬物政策に関する意見書や提言などを申し入れたい点を、三井議員の公設秘書氏にお伝えした。小泉純一郎の息子と激しい選挙戦を戦った民主党の新人・横粂勝仁氏の「薬物犯罪は罰則厳罰化で脅かすよりも、まず国による啓発が最優先。若手の旗振り役となりたい」というコメントも心強い。初心を忘れずに、頑張ってほしい。





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