大麻のバッドトリップで医療機関を訪ねるときは

投稿日時 2007-07-02 | カテゴリ: フロッガー医師の検証

大麻でバッドトリップ(悪酔い)になったとき、医師に診てもらう場合の注意点についてフロッガー医師に寄稿して頂きました。


トラブルに巻き込まれないバッドトリップ対処法


大麻の使用は多くの場合安全であるが、時にBad Tripと呼ばれる不快な酩酊状態を呈することがある。Bad Tripの出現には心理状態や環境が大きく影響し、特に大麻に慣れていない初心者に起こりやすい。
症状としては、不安・パニック・抑うつ・離人感・被害妄想などが言われている。
ヨーロッパのように大麻が一般的に使用できる環境であれば不安が小さいうちに対処できるが、我が国においては大麻使用により不条理に罰せられるため、不安を我慢しパニックとなり苦しむことがある。中には、救急車を呼んで、そこから更なるトラブルに巻き込まれてしまった例もある。

「ある英国人の危機一髪」
http://asayake.jp/modules/report/index.php?page=article&storyid=449

Bad Tripへの正しい対処法を知っておくことは、役に立つはずだ。
Bad Tripへの一般的な心得としては、カナビス・スタディハウスの「カナビスのバッド・トリップ対処法」が詳しい。

これを読むと、Bad Tripが不安発作であり、予防と改善のためにリラックスした環境が重要であることがわかる。また、不安な心理状況では使用しないことが大事である。

しかし、リラックスした状況であっても不安からパニックになってしまうことがある。その場合に医療機関にどのように受診すべきか考えておくべきである。

(1)まず行うこと。
信頼のできる人がいれば連絡し、Bad Tripになってしまったこと、医療機関に受診したい事を伝え、可能なら代行してもらおう。

(2)救急受診-病院探し
まず受け入れてくれる救急病院を探さなくてはいけない。方法が2つある。

自分で移動できそうな場合
救急医療機関に電話で問い合わせて受診する。自治体などで行っている救急病院を紹介するサービスに電話するか、もしくは、かかりつけの病院や近くの知っている病院に電話する。病院に行くときは自分で車を運転しないように。

自分で動けない場合
救急車を呼ぶ。救急隊が受け入れ先を探してくれる。病院の希望があれば伝える。

(3)救急受診の理由
信頼できる救急隊員や医療機関があれば正直に言えばいいだろうが、そうとも限らない。その場合は、大麻の使用をあえて伝える必要は無い。かといって嘘をつく必要は無いので、症状と困っている事を伝えよう。
例:「気分が悪い。」「息が苦しい感じがする。」「気分が落ち着かず不安。」「動悸がする。」「冷や汗がでる。」
ここで現場からの注意点。悲しいことであるが救急では精神疾患を見る事を嫌がる医療機関がある。あまり精神的な訴えを前面に出さない方が良い場合もある。

(4)所持している大麻
大麻取締法では大麻の所持が罰せられる。逆に使用のみなら罪に問われない。医療機関や救急隊員が警察に通報した場合に、大麻が無ければトラブルに巻き込まれにくいだろう。所持している大麻をどうにかしておこう。

(5)医者への説明
これは難しい問題である。医者の立場から言えば正確な話を聞きたいだろう。それによって診断が変わってくるからだ。
信頼できる医者であれば、大麻の使用をきっかけに不安・パニック状態となった事を伝えよう。大抵の医者は、守秘義務をよく理解しており、患者をよくすること以外には興味が無く、あえて法的な問題に立ち入らないだろう(麻薬は通報義務があるので話は別だ)。 逆に、「大麻使用では通報義務が無いので守秘義務を守ってほしい。守られない場合には法的手段を考える。」と伝えてしまっても良いかもしれない。
大麻を秘密にしておきたい場合。まず症状を伝え、以前にもこのようになったことがあり、不安を取る薬でよくなったと伝えよう。

(6)治療
Bad Tripは不安発作であり、命に関わるものではない。また一過性で永続しない。そのため治療の主体は不安に対する対症療法である。一般的には、気分をリラックスするような語りかけや、ジアゼパムなどの抗不安薬の使用を行う。

無事良くなり家に帰ったらゆっくり休んで欲しい。


アルコールの過剰摂取による事故は後を絶たず、日本でも毎年死者が出ているが、大麻は過剰摂取しても死ぬことはない。大麻のバッドトリップは、多くの場合、心理的な要素で発現する。だから、大麻の摂取によってバッドになっていることを自覚できるし、そう自覚して寝てしまうのが一番いいように思える。一眠りして目が覚めたときには治まっているだろう。大麻の場合、アルコールの過剰摂取のように意識不明にはならないし、病院へ行こうとする行為がさらなるパニックを招くかもしれない。フロッガー医師のアドバイスの通り、大麻に理解のある、信頼できる人に連絡して、相談するのも良いと思う。
最近では、大麻の質量を誤魔化すために異物が混入されていることもあるらしい。出所の不明な大麻の場合、そのような異物による身体への悪影響がバッドトリップより遥かに怖い。日本にもそのような異物の混入した大麻が出回っている危険性があるのではないだろうか。

◆カナビス・スタディハウス参照
異物混入バッズの疑惑
異物混入バッズの疑惑2
カナビス製品のリスク要因

罰則が異常に厳しい現在の日本で、大麻を使用することを薦めるつもりは全くないが、もし病院に行くような事態になった場合は、フロッガー医師の具体的な注意を参考にして頂きたい。






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