現在の司法のあり方・仕組みでは、無実の者を有罪にしてしまう冤罪は必然的に起きる。取調室という密室で、暴力的・恫喝的な刑事たちに恐怖して、やってもいないことについての自白を取られる。
認めてしまったほうが早く終わるという現実もある。
高藤さんは、裁判で裁判官に言えば分かってもらえると信じていたそうだ。ヤクザ者に騙されて、何も知らずに茶箱に隠された大麻を持ち込もうとした。それで懲役3年6月の実刑。
現場を知らない検事たちが、でっちあげの供述調書を鵜呑みにし、事件を裁判にかける。起訴した以上、できるだけ重い罪にするのが検察の商売だ。元防衛事務次官の某とか、イメルダ夫人とか、芋づるの政治家などに対しては、厳しくガンガンやってもらいたいが、一般市民が容疑者の刑事事件は、検事は刑事の取り調べを見張るべきだ。何をするか分からないようなのが多いのは検察も知っているはずである。
職質で引っ掛けられて、少量の大麻所持などで逮捕された場合などは、割と穏やかな対応をしてくれる刑事も多いようだ。寄せられる情報にも、刑事は大麻など逮捕するほどの話ではないことを知っていて、でも法律だからな、などと言い訳がましいことを言ったのが何人もいる。
私を取り調べた近畿麻薬の取締官たちもみんな紳士的だった。少なくとも、取調室で怒鳴り散らしていたのはマトリではなく、私だった。
だが、粗暴で、暴れるようにして調書を作ろうとする刑事も多いらしい。大麻とは関係ないが、ただ街を歩いていて性犯罪者にされてしまった人の話など読むと、その悲惨さと悔しさには言葉もないが、暴力的な刑事のゴリ押しが冤罪を作っていることがよく分かる
「冤罪」被害者が語る裁判と体験談
取り調べでの刑事の態度が暴力的ではなくても、作為的に誘導されて答えただけの返事が、自白として書かれ、言ったことにされてしまう。祐美さんもそうだった。冤罪のストーリーは取調室で作られる。
供述の任意性を高めるために、今は供述調書の最後のページだけにしている被疑者の署名と指印を、全てのページにするとか。密室の取調室に覗き窓を付けるとか。警察はどうにかして取り調べの実態がバレないように、馬鹿馬鹿しいにも程がある対策を講じようとしているが、VTRを撮れば良いだけの話である。見られてはマズイような取り調べを行っているから撮らせないとしか思えない。いったいそこで何が行われているのか。何か恥ずかしいことでもしているのか。
司法改革は、まず絶対に冤罪を生まないシステムの構築こそが最優先だと思う。
裁判員制度は、国民が取り調べや裁判をチェックする機能でなければ意味がない。
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